※ 落雷に遭遇
平成12年5月21日に巻機山で落雷に会いました。
10時30分ころ、残雪のたっぶりある井戸尾根の八合半位で遠くから雷鳴が聞こえて、あっと言う間に空が暗くなってきた。俺は君たちよりも年上で乾いているから大丈夫だなんて冗談を言っていられるのも、そう長くはなかった。
雷鳴も近づいて来て、ヒョウも降ってきた。もうすぐニセ巻のピークでそれを過ぎれば避難小屋が近いから逃げ込もうなんて言ってたら、ドカーンと来た。
8人パーテーの5人が感電し、自分は頭から右手に抜けたのが分かった。とっさに伏せて全員の無事を確認し、小屋に早く逃げ込むことになった。そして立ち上がった瞬間2発目がドカーンと来た。こんどのはかなりの衝撃だった。
すぐとなりにいて感電した彼女日く、小林さんの体を走った電気が見えたと証言した。車のエンジンを回しながら点火系統の点検をしている時に、その道のプロなら一度や二度は高圧コードをチェックしながら感電したことがあるだろう。それのすごい奴と思って項ければ良い。
足をすくわれて雪原にたたき付けられた者もいた。ニセ巻のピークにいたのだからしょうがない。と、言うよりも、甘く見ていたと言うのが正確だろう。怪しくなった時点で避難するのが妥当である。
今回の2発目は、わざわざ感電するために立ち上がったようなものである。その時に感じたのは1発目から2発目まで30秒間くらいあったと思う。要するに雷様がチャージする間に低い所に避難し、雷鳴を待ちその繰り返しで安全地帯まで逃げる。10秒間くらいの行動がベストであろう。ピッケル、スキー、ストックなどの金属類は投げ出すのが当然である。
ものの本を読んで知っていたが、マニュアル通りに被雷した。大事に至らなかったのが不思議なくらいであった。
以上。
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