短歌集『タイトロープ』
 

幾千の気持ちを込めた言葉でも伝わらなければただの言葉だ
ゲームだし気にするなよと言うけれどゲームで破産した人もいる

降り注ぐ時雨は我の涙なり君が街には届かざるらん
電話する理由も尽きて一人きり袋小路の毛布にくるまる

*

目が覚めた時の寒さの正体は「会いたい」だったのかもしれないと
甘い菓子ばかりが先に減っていき寂しがってる自分に気づく

進もうとするほど足が流される水中歩行みたいな恋は
恋なんてシーソーゲームと言うけれど傾いたままびくともしない

*

絆などいつかは消えてしまうもの輝く虹の架け橋みたいに
ゆるやかに時を共有するような沈黙ならば嫌いではない

ホンモノは隠すものだよ隠さずに露わにするのはニセモノだからだ
愛という言葉の意味を知らぬからこれが愛なのかも判らない
 
 
 

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