短歌集 『out there!』
 

揺れ始めテレビをつけてまっさきに君住む街の震度を調べる
雨上がり焼芋やさんの呼ぶ声で集まる親子と夕焼けを見る
 

価値観の小さな差異などキスすればどうでもいいと思えるような
少しでも重い荷物を背負えるよう心も筋トレしておかなくちゃ
 

呪文など唱えなくても手が触れただけで痛みは飛んで消えるよ
地に足をつけられないならもっと上めざして月に足をつけよう
 

そのうちにいつか必ずまたきっと次の機会に来年こそは
番号は訊かずに別れた「もう一度」なんて期待を抱かぬように
 

壊すのは誰でも出来るどうせなら新たな何かを創ってみよう
泣いている理由を言えない理由さえ言えない理由も言えない理由
 

本当に私が全く傷ついていないだなんて思っているのか
「助けて」と厚顔無恥に言えるほど幼稚な自分でいられたのなら
 
 
 
 

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