短歌集 『 *(-1) 』
 

この缶を空けたらサヨナラしなくちゃと冷めたコーヒーちびちび啜る
塩辛くしすぎた炒飯泣きながら食べる余計に塩辛くなる

追いつけない離れたくない満ち足りない否定ばかりで愛語る人
伝えたい言葉が詰まった涙腺はまばたきだけで爆発しそう

*

目に見えぬ悪意の怖さに比べたら見えてる悪意など怖くない
「かも」が「だ」に「ならば」が「だった」に「どちらか」が「どちらも」になる伝言ゲーム

絶望は希望に変わるさ何故ならば希望もすぐに絶望になる
マイナスなりたい全てのマイナスと掛け算をしてプラスにしたい

*

太陽の見えない日にはありったけのランプを集めて君照らすから
「もう駄目だ」なんて言うのは死ぬ時か私を抱いた時だけにして

驟雨にてびしょぬれになる一張羅タブーを犯すような快感
羽のない私は空を飛ぶかわり星の映った水面みなもに飛び込む
 
 
 

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