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#i

そう、嘘が嘘を呼ぶ
高層ビルの窓にもたれかかって
豆粒のような風景も視界に馴染んで
もう立ち止まることはできないと
ある日突然気付くんだ

客観なんてあり得ない
唯一つの起点が此処にあると
ある日突然気付くんだ

どうして手遅れのふりをするの?
まだ真実を知っても致命傷にならない?

欲しいならあげるよ
マニュアルと一字たりとも違わずに
崖っぷちに片足を乗せたまま
小さな歪みが積み重なっていくのを
良心の呵責なしで見ていられるのなら

平野に並べられた玩具の兵隊の
狂ったぜんまいが回り続けるのを
指をくわえて見ていられるのなら

誰も助けてくれないのではなく
誰も助けられないのだと
ある日突然気付くんだ

ふと足元を見て寒くなるのはそこに私があるから?
壊れる寸前が美しいのはそこに私があるから?
 

 

 

 

 

 

 半分に割れたんじゃない 2コあったものが1コに戻っただけさ
 

 愛なんて言っても所詮ニンゲンの最小単位は1匹だから
 

 胸を刺す言葉が欲しい「です」「ます」の付く安全な距離感よりも
 

 暗闇で呼吸を止めた苦しさに辛うじて知る我此処なりと
 


 


 

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