鑑賞日記#1 2009年ベスト映画

2009年に観た映画の中で一番印象に残ったのは、ダントツで「縞模様のパジャマの少年 [DVD]」です。 想像を絶するラストは今でも脳裏から離れません。上映前は和やかに談笑していた観客が、上映後は誰一人として口をきかずにうつむいて劇場から出ていった、あの重苦しい雰囲気は忘れられません。絶対にカップルで観てはいけない映画です。昔、ダンサーインザダークをうっかり彼氏と観に行ってしまい、その後食事する気も失せて鬱々としたまま解散したことがありましたが、おそらく同じことが起こるでしょう。

ホロコーストの映画と言われると、正直なところ、アンネの日記、シンドラーのリストあたりで耳にタコが出来ているし、今さら観る必要もないか、と思ってしまいがちですが、今まで観たホロコーストの話とは全く別物でした。というか、主題はそこではないと思うのです。主題は「ナチスドイツとユダヤ人」ではなく、「大人と子ども」の、あるいは、「建前と本音」の対立を描いた作品です。

大人が子どもに本当のことを教えないが故に起こる行き違いなんて、決して珍しいものではなく、私たちの周りでも日常的に起こっていることです。でも、現代日本ではそのような行き違いが起きても、「もう、お母さんったら嘘つかないでよ」で済んでしまうことがほとんどで、取り返しの付かない悲劇に繋がることなんて滅多にありません。いかにそれが恵まれていることなのか、実感できます。

また、洋画で外せないのは「マイケル・ジャクソン THIS IS IT [DVD] 」です。 私は決して熱狂的なマイケルファンではなくて、ヒット曲を数曲知っているに過ぎなかったのですが、Smooth Criminalのサビの部分では背中からゾクゾクしたものが湧き上がってくるのを感じました。すげえ。
マイケルよりも上手いダンサーなんていくらでもいるはずなのに、マイケルただ1人だけが、「踊らされている」のではなく、内なるものに忠実に「踊っている」のです。一体何故? その答えが、THIS IS 「IT」なのだと思います。

邦画で一番心に残ったのは、「おと・な・り [DVD]」です。 マンションの隣の部屋に済む男女が、互いの顔も知らず、壁越しに聞こえてくる「生活音」に癒しを感じるようになるという話なのですが、音の描き方があまりにも魅力的で、翌日から自分も、今まで雑音だと切り捨てていた音を意識的に聴くようになり、世界が変わりました。
ただの鳥の声、ただの食器を洗う音、ただのテレビの音が、これほどまでドラマを秘めているだなんて。願わくば、もっと若いうちにこの作品を観ておきたかったです。そうすれば、あとちょっと気づきの多い、豊かな人生が送れていたかもしれないのに、と。

また、「ディア・ドクター [DVD] 」も良かったです。
私はもともと「試合に負けて勝負に勝った」と言えるような終わり方が大好きなのですが、その「勝負に勝った」をとことんまでピュアに追い求めた結果が本作の結末だと思います。
客観的に考えれば、大負けしてるんです。全てを失ったと言っても言い過ぎてないくらい、負けているはずなんです。 だけど、最後の3秒で、それでもこの人は今この瞬間幸せなのだろうと確信できるし、彼さえ幸せであるなら全てOKだ、と観客に思わせてしまうのです。見事な逆転大勝利(試合自体は大敗だけど)。

最後に、メジャーどころですが、「おっぱいバレー [DVD]」は大好きでした。 綾瀬はるかって、もともとあまり好きではなかったのですが、おっぱいバレーでのジャージ姿はあまりにも美しかったです。後光が差してました。綾瀬はるかは日本一ジャージ姿が美しい女優だと思います。

この映画、厳密に言えばオチてないんですよね。私はオチ重視で映画を観ることが多いので、普段なら「伏線残ってるやん! プンプン!」と怒り出すところですが、なぜか全く怒る気になりませんでした。なぜなら、男子中学生達が、ものすごくバカだったからです。
「男子中学生がものすごくバカである」というただ1点の事実のみで、オチの代わりとして機能してしまっているのです。前代未聞です。どんだけバカなんだよ。

思うに、日本映画界で、今後彼等を超えるほどバカな男子中学生が現れることはないでしょう。まさに「バカな男子中学生映画」の金字塔と言える作品だと思います。念のため付け加えていると、心の底からホメ言葉です……よ?
 

       
 

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