映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲

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   正直に言おう。30代後半の、いい歳をしたオトナがこんなことを言うのは気恥ずかしいが、
  私はこの映画を見て落涙した。泣いてしまったのだ。過去にもアニメを見てジーンときたものは
  ある。だが、いずれも10代、20代前半のことだ。内容も、キャラの死だとか、まあそういう
  ある意味狭い事柄であり、いわば若気の至りに近い。
   ところが、この映画では違う。根本的なところで泣いてしまったのである。

   実を言うと、もともとクレヨンしんちゃんは大好きである。TVアニメでハマり、漫画でハマ
  り、映画でハマった。特に映画は非常に面白く、TVでは各種の制約上出来そうにないことを
  思う存分やっていて好感が持てる。中でも、「暗黒タマタマ大追跡」や「電撃!ブタのヒヅメ
  大作戦」などは、ギャグ的にもアクション的にも素晴らしく、その年の邦画ベスト1だと思って
  いる。
   そこで「オトナ帝国の逆襲」だが、この映画は過去の作品とは一線を画している。制作スタンス
  を変えたというよりは、かつての作品群の中に見え隠れしていたテーマを全面に押し出したと見る
  べきだろう。
   では、以下に内容と感想を書いてみる。お断りしておくが、以下の文章は完全なネタバレになっ
  ていると思われるので、この映画に非常に興味があり、見てみたいと思っている方は読まない方が
  無難だろう。けどまあ、うちのサイトに来てくれるような人には、あんまりいないだろうな(^^;)。

****************

   トータル90分の作品で、前半の30分は状況説明になっています。
  西暦2000年、しんちゃんの住んでいる春我部に20世紀博というテーマ・パークができました。
  すべての発端はここです。20世紀博とは、その名の通り20世紀の文化を懐かしみ、楽しむための
  施設です。つまり過去を振り返れる大人のための遊園地のようなものでした。
   世のオトナたちは大ハマリ。しんちゃん一家のヒロシとみさえも例外ではありませんでした。

   なるほど、そういうパークもありかもな、と思っている私たち観客は、すぐにそこがふつうの
  アミューズメントと異なることを発見します。多くの親子連れで賑わっているのはどこのパークとも
  変わりありませんが、親の目は輝いているものの、手を引かれる子供は嫌がっているのです。
  彼らは何か違和感を感じていたのでしょう。

   先ほど書きました通り、冒頭30分はこの20世紀博の説明と、そのブームに伴う春我部の町や
  そこの住人たちの変化を描写しています(懐古趣味が蔓延っています)。ややもすると退屈かも知
  れませんが、ここは我慢。それに、これがないと後の話がわからなくなります。
   そんなある晩。テレビから20世紀博からのメッセージが流れ、それを聞いたオトナたちは
  一種、催眠状態に陥ってしまい、精神的に子供返りしてしまいます。仕事をやめ、育児や家事を
  放棄し、ただ遊ぶことに夢中になります。そして20世紀博から迎えのトラックが来ると、喜々と
  して乗り込み、20世紀博会場へ向かいます。もちろん子供は置いてけぼりです。

   20世紀博を操っているのは、イエスタデイ・ワンスモア(すげぇ名前だこと(^^;))という組織
  のリーダーであるケンとチャコ(この名前に爆笑できる人は、この映画を楽しめるでしょう)。
  彼らは、かつて夢にまで見た21世紀のあまりの体たらくぶりに失望し、20世紀へ(つまり過去へ)
  戻ろうと画策します。ケンは言います。「かつてはその時代のニオイというものがあった」と。
  彼らはその20世紀(というより、1960年代、70年代の)ニオイを手に入れ、オトナたちを
  そのニオイで魅了したのです。

   この辺りまでで30分くらいです。次の30分は、いつものしんちゃんアクション全開で、思い切り
  笑えます。町に取り残されたしんちゃんたちは、しんちゃんの家に集まってきました。オトナたちは
  どこに行ったんだろう、と。そんな中、風間くんが言います。
  「懐かしいって、そんなにいいことなのかなあ?
  …グサッと来てしまいました、私。

   お腹の空いたしんちゃんたちは、自ら食料を調達するなど町を探索します。この辺はいわば定番の
  面白さで、しんちゃん始め、風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃんの特徴がよく出ていて、
  しんちゃんファンなら誰でも楽しめる内容です。特に無人の酒場で繰り広げるギャグは爆笑もの。
   夕方になると、突然、町の照明がすべて消えてしまいます。発電システムに介する人たちも、みん
  な20世紀博に取り込まれてしまい、誰もいなくなったからです。仕方なくしんちゃんたちは家に戻り、
  ラジオを聴いています。しかし、流れているのは懐メロばかり。ラジオ局も彼らの制圧下に入ったの
  でしょう。その時、20世紀博から子供たちへメッセージが流れます。迎えに行くからトラックに
  乗れ、と。来なければ反抗分子として、明朝8時をもって捕まえる、と。
   もちろんしんちゃんたちは迎えのトラックには乗らず、朝を迎えます。

   翌朝、子供狩りに来た組織としんちゃんたちの追いかけっこ。これも爆笑です。デパートや町中で
  のかくれんぼ&追いかけっこ。さらには幼稚園バスを乗っ取ったしんちゃんたちが繰り広げる、組織
  の追跡部隊とのカー・チェイス。これも笑えます。しかもトラック部隊のトラックはすべてオート3輪
  であり、追跡部隊の車輌はスバル360(^^;)、ケンの愛車はなんとトヨタ2000GTという
  凝りようです。私はクルマに詳しくないのよくわからなかったのですが、他のシーンでは昔のサニー
  やスカイライン、カローラなどの描写もあったそうです。こだわってるなあ(^^;)。
   ちなみに先日TVで放映された時は、しんちゃんたちがバスを運転する描写はカットしてたようで
  すね。幼稚園児が運転する、というのはやっぱTVで流すのは問題があると見たのかも知れません。

   さて、カー・チェイスの末、しんちゃんたちは結局20世紀博会場へ乗り込むことにします。
  自分たちで親を取り返そうというのです。しかし多勢に無勢で捕まってしまいます。ところが、そこ
  は、しんちゃんで、しんちゃんとひまわり、シロだけは見事逃げ仰せました。

   そして後半30分が始まります。ここは中盤のアクション編とはガラッと異なり、この手のアニメ
  としては、かなり異質な作りになっています。
   無事逃げたしんちゃんは、ヒロシとみさえを探します。そしてEXPO70(大阪万博!)の部屋
  で子供に返っているヒロシを発見しますが、完全に過去に戻っているヒロシはしんちゃんがわかり
  ません。そこでしんちゃんは、ケンが「オトナたちは昔のニオイで子供に戻っている」という言葉を
  思い出し、現実の強烈なニオイでヒロシを現実に戻そうとします。それは功を奏し、ヒロシはその
  ニオイで気を失ってしまいました(それが何のニオイなのかは、ちょっとお下品なので書きません
  (^^;)。興味ある方はぜひビデオで確認を)。

   意識を失っている間、ヒロシは回想の中にいました。
  父親の自転車の荷台に乗り、一緒に釣りに行ったこと。
  学生時代に歩いた田圃のあぜ道。
  上京し、就職したこと。
  みさえと知り合い、満開の桜並木でデートしたこと。
  しんちゃんの誕生。
  疲れた日常。
  家の新築。
  平和な家族の風景。
  そして、自転車の荷台にしんちゃんを乗せ、家族で遊びに行ったこと…。
   回想で徐々に現実に戻ったヒロシは泣いていました。そんなヒロシにしんちゃんの声が聞こえ
  ます。
  「とうちゃん、オラがわかる?」
  「ああ……ああ!」
   ヒロシは泣きながらしんちゃんを抱きしめます。

   実はこの回想シーンでやられてしまいました。回想の中のひとつひとつの事柄が、自分の経験と
  重なるのです。もちろん、細かい箇所は自分とは違います。しかし、そんなことはどうでもいいのです。
  トトロの田舎のシーンが、自分の田舎に見えるのと同じ効果なのでしょう。
   その回想シーンでジワーッと来ていたところで、泣いているヒロシのアップ。そして涙を流しながら
  しんちゃんを抱きしめたシーン。これで落涙してしまいました。
   ヒロシの気持ちが痛いほどよくわかったからです。
  なぜ、真夏の暑い中、仕事周りをしなきゃならないのか。
  どうして、終電近い電車の中で、立ちながら居眠りしてしまうほど疲れても仕事をするのか。
  その答えがこのシーンだったのでしょう。

   同じようにしてみさえも救出したしんちゃんたちを、ケンたちが取り囲みます。
  捕まえるのかと思いきや、ケンは制服隊員たちを帰し、しんちゃん一家を自分のアパートへ招待します。
  そこには、結婚はせず同棲しているチャコもいました。
  ケンは、これから増幅された20世紀のニオイをばらまき、日本全土を過去に戻らせる計画を話します。
  そして、「未来を生きたいならば自分たちで止めてみせろ」と言い放ったのです。
   慌ててアパートを飛び出し、装置のあるタワーへ向かうしんちゃんたち。その姿を窓から眺めるケン
  を咎めるようにチャコが言います。「どういうこと?」。彼女には、ケンが計画をしんちゃんたちに
  話した理由がわかりません。
   そんなチャコに答えず、ケンはしんちゃんたちを目で追いながら言います。
  「最近、走ってないな

   数々の妨害をくぐり抜け、しんちゃん一家はタワーにたどり着きます。しかし、そこでも制服たちが
  追いすがる。その様子を、各所にセットされたカメラが捉え、ケンの作った町に住む住人たち(つまり
  オトナたち)に流し続けます。
   大半の制服姿を蹴散らしたところに、ケンたちがエレベーターでタワーを昇り始めました。
  そこに制服の増援が駆け付けます。ケンはエレベーターを止め、ヒロシに問いかけます。
  「戻る気はないか?」
  ヒロシはきっぱりと答えました。
  「ない! オレは家族と一緒に未来を生きる!」
  「残念だよ、野原ヒロシ君。つまらない人生だったな」
   ケンはそう言い捨てると、エレベーターのドアを閉めようとします。そこに、制服たちにのしかかられ
  ながらも、ヒロシが割り込み、そして叫びます。
  「オレの人生はつまらなくなんかない!」
  「家族のいる幸せを、あんたたちにもわけてやりたいくらいだぜ
   なんてカッコいいセリフなんでしょう。同棲状態で結婚しないふたりへの当てつけの意味もあった
  と思います。

   ヒロシは制服たちを引きつけて、しんちゃんたちに「行け!」と叫びます。
  しんちゃんたちは走ります。しかし追いすがる制服たち。もう走れないと悟ったみさえは、自ら身体を
  放り投げて制服たちに体当たりしました。そしてしんちゃんに言います。「行って!」。
  固唾を呑んでその様子をTVで見ている住民たち。
   さらに、みさえの身体の下から逃げて追う制服を頭突きで攻撃するひまわり。
  そしてシロまで相手に飛びかかり、しんちゃんを援護します。
  しんちゃんは、そんなみんなを振り返りながらも必死で走ります。その姿の凛々しいこと!

   懸命に走るしんちゃんを尻目に、エレベーターで最上階の機械室を目指すケンとチャコ。
  転がり、蹴躓き、あちこちに傷をこさえながら、必死に走るしんちゃん。
  転んで顔を打ち、鼻血を出しながらも、懸命に走るしんちゃん。
  何が彼をここまで駆り立てるのでしょうか?

   ここでも私はジワッと来てしまいました。その時、私の席(私は劇場で2回も見た)の周囲から
  「がんばれ、しんちゃん!」と、大きな声援がかかりました。見ていたたくさんの子供たちです。
  映画の中で走っているしんちゃんと、それを応援している現実の子供たち。彼らにもしんちゃんの
  気持ちがわかっていたのではないでしょうか。不覚にも、私はここでもジーンと来てしまいました。
  それは、私も子供たちと同じく、しんちゃんに声援を送りたかったからに他なりません

   ケンたちは最上階に到着します。ケンは念のため、しんちゃんが追ってきているはずの階段を
  見ますが、昇ってくる気配はありません。当たり前といえば当たり前で、5歳児の脚で追いつくはず
  もない。
   ゆっくりとふたりが装置に向かうと、ケンの脚に絡みつくものがある。
  しんちゃんです。ボロボロになったしんちゃんが必死にケンの脚を止めようとしているのです。
  ケンは無情にも、しんちゃんを振り払います。それでもしんちゃんはケンの脚に飛びかかります。
  2度、3度と…。3度めには、さすがにポーカーフェイスのケンの表情も動きます。それでも
  しんちゃんを振り払う。そして4度はありませんでした。しんちゃんは力尽きたのです。

   ケンとチャコは装置の前へ行き、レバーに手を置きます。しかしケンはつぶやく。
  「だめだ」
  増幅すべき20世紀のニオイのレベルがMAXからミニマムまで下がっていたのです。
  「町の連中も、こいつらを見て21世紀を生きてみたくなったらしい」
   ニオイの元は、ケンの町に住む、21世紀から逃げてきたオトナたちが醸し出していたのですが、
  彼らもしんちゃん一家を見て、何かを悟ってしまったのでした。
   自分の町に裏切られたショックでチャコが取り乱し、倒れているしんちゃんを問い詰めます。
  「どうして……ねぇ、どうしてぇ! 現実の未来なんて醜いだけなのに!」
  苦しい息の下で、しんちゃんは顔を上げて答えました。
  「オラ、とうちゃんとかあちゃんとひまわりとシロと、もっと一緒にいたいから……
  さらに続けます。
  「怒っても、頭に来ることがあっても、オラ、みんなと一緒がいいから……
   そうだよね、しんちゃん! 家族って、そういうものなんだよね!
  ここで、私と一緒に見にきていた知人の女性も泣いてしまったそうです。
   さらにしんちゃんはダメを押します。
  「それに、
オラ、大人になりたいから!
   ガーン。この一言で、私は完全にKOされました。典型的なピーターパン(俗に言うピーター
  パン・シンドローム。大人になりたくない症候群のこと)である私には非常にショッキングな
  言葉でした。それをしんちゃんにグサリと言われてしまったのです。
  「大人になって、おねいさん(チャコのこと)みたいなきれいな女の人と、たくさんたくさん
   おつき合いしたいから!」
   鼻血をすすりながら、しんちゃんは言います。チャコの表情も変わりました。負けを悟った
  のです。
  「おしまいね」
  「ああ。20世紀は終わった」
   ケンは部下や町の住民たちに、計画が失敗したことを告げ、あとは自由にするように、と
  最後の指示をします。
  「私、外へは行かないわ」
  「……わかった」
   ふたりは屋上へ出ていきました。
  「坊主、おまえの未来、返すぞ」と、言って。

   制服姿が帰ったため、ヒロシたちもしんちゃんのもとへたどり着きました。そしてケンたちを
  案じて屋上へ走ります。
   案の定、ふたりはゆっくりと端へ向かって歩いています。察したヒロシが止めようとしますが、
  チャコは一言、「来ないで!」。
  端に立ち、下を見下ろしたふたりは、しっかりと手を握り合い、身を投げようとします。
  その背に、しんちゃんが叫ぶ。
  「ずるいぞ!
   さらに、下から飛んできたものに邪魔されてしまいました。飛んできたのは、屋上屋根に巣を
  作っていた鳩の親子でした。
   ケンは苦笑します。
  「また、家族に邪魔された」
   我に返ったチャコは、自らの両肩を抱き、
  「死にたくない……
  と、ようやく人の本音を出すことが出来ました。

   圧巻でした。しんちゃんが叫ぶ「ずるいぞ!」は、みなさんご想像通りの意味合いがあった
  はずです。ただ、そこはしんちゃん映画ですから、しんちゃんは「ふたりだけでバンジージャンプ
  するのはずるいぞ」というつもりで言ったのですね(^^;)。しかし、当然作った側は、前者の意味
  でこのセリフを吐かせたはずです。
   ふたりの自殺をくい止めたのが鳩。平和の象徴である彼らがケンたちの自殺を防いだとという
  のも印象的でした。

   このように、この映画のテーマは「家族」です。そしてもうひとつ、隠れたテーマとして
  「生きること」というのもあったのではないでしょうか。ヒロシの回想シーンはそのものズバリ
  だと思いますし、ケンたちの自殺未遂もそうです。
   実は私、ケンたちが、自分たちの理想が壊れた時点で、ずいぶん簡単に諦めるものだな、と
  思っていました。過去の作品群の悪役ボス、例えば「ブタのヒヅメ大作戦」では、リーダーは
  作戦失敗を悟ると、しんちゃんたちはもちろん、数百単位でいると思われる自分の部下たちも
  巻き込んで、基地を爆破しようとしました。
   ところがケンは、失敗したことを知ると、あっさり部下たちや住民たちを解放し、自分たちは
  潔いくらいに簡単に死を選びます。

   それに比べ、しんちゃん一家は、自分たちの守ろうとする大切なもののためには、なりふり
  構わず、ボロボロになってでもやり遂げよう、生きようとするのです。勝敗の差はそこにも
  あったはずです。
   そう、現実は苦しくて辛いことばかりだ。でも逃避しても無意味だし、死ぬことは卑怯だ。
  いくら大変でも、守るべき家族がいるだろう、そのために生きるのだ。
   そういうことを、説教臭くなく教えてくれる映画でした。

   ラスト、元に戻った大人たちと子供は、一緒に自分の町に帰ります。
  しんちゃんたちも自宅に帰れました。
  「ただいま〜」
  ヒロシとみさえがそう言って家に入ります。
  「お帰り、とうちゃん、かあちゃん
  しんちゃんの声が最後に響きました。
   この映画のラストは、こうでなくちゃいけません!

   本当に満足しました。素晴らしい映画です。私と同年代の人、具体的には35歳くらいから
  45歳くらいまでで、ご家族をお持ちの男性。癒しでも励ましでもなく、疲れたお父さんに
  大切なものを思い出させてくれ、元気を取り戻させてくれる、そんな作品です。
   私は劇場へ行っただけでなく、ビデオも買いました。3,800円。この映画の価格としては、
  私にとってはタダみたいなものです。
   しんちゃん映画のお楽しみ、毎回登場する大物声優ですが、今回はなんと津嘉山(グレゴリー・
  ペック)正種でした。あの渋い声で、ケンを見事に演じています。
   (ちなみに、「暗黒タマタマ大追跡」では、島津冴子に立木文彦、二見忠男、塩沢兼人でした。
    塩沢さんのオカマの演技が素晴らしかった。「ブタのヒヅメ大作戦」では、石田(コロンボ)
    太郎のボスに、部下で山寺宏一、速水奨、松島みのりでした。速水さんと松島さんは、今まで
    のイメージを打破する名演技です。ここでは塩沢さんがぶりぶりざえもん役で出演されて
    おり、これまた傑作な芝居を繰り広げています。「嵐を呼ぶジャングル」では大塚明夫でした)

   ただ、ある意味、クレヨンしんちゃんの映画としては異質だったことも否めません。
  予告編やダイジェストを見た限りでは、新作の「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」も似た雰囲気
  のような感じです。非常によく出来た映画ではありましたが、こういう作りはこれくらいにして、
  またかつてのような理屈抜きで笑えて楽しめるアクションものに戻って欲しいような気もします。