水分補給その2


理奈 「アタシ、夏休みなんですけど」
一平 「私だってそうだよ(^^;)」
理奈 「じゃ休もうよ、ホラホラホラ」
一平 「ほらほらじゃないでしょ(^^;)。このコーナー潰す気か?」
理奈 「だって質問来ないじゃん」
一平 「そういうときはおまえが考えてくることになってたろ?」
理奈 「そうだっけ? でも今は夏休みだからダメ」
一平 「いいから(^^;)。ネタは私が持ってきた。前の水分補給の追加新情報だ」
理奈 「そうなんだ。じゃどうぞ」
一平 「おまえ、やる気ないだろ(^^;)? ほら今年暑いからさ、部員が熱中症に罹らない
    か心配でな、ちょっと大学の先生に聞いてきたんだ」
理奈 「へー。友だち?」
一平 「そうだよ。いろんな友だちがいるんで助かるよ。大学の先生なら他にも経済の先生
    もいるしな。女子校の教師や医者もいるし、自衛隊で戦車に乗ってる同級生もいる」
理奈 「んで?」
一平 「まず熱中症だがな、これは防ぐのがなかなか難しい」
理奈 「そうだろね。野球の練習はしょうがないよね。部屋ん中でやれば別でしょうけど」
一平 「そうでもない。部屋の中でも熱中症は起こるんだそうだ。」
理奈 「なんでよ? だって日光当たらないのに日射病になるわけないじゃん」
一平 「だからそれは日射病。私が言ってるのは熱中症」
理奈 「それって違うの?」
一平 「違う。日射病ってのは文字通りまともに日光を浴びすぎることで起こる。理奈の言う
    通りだな。けど熱中症というのは、日光はあまり関係ないんだ」
理奈 「どゆこと? あ、暑けりゃなるのか」
一平 「そうだ。いわゆる「暑気にやられる」というのが熱中症なんだろうな。もうひとつ、湿気
    も関係してるがな。つまり気温が高く、湿度が多い状況になると、熱中症に罹りやすく
    なる。従って室内でも起こるし、雨天でも起こる
理奈 「あ、雨でもあるんだ」
一平 「そ。雨の日は当然湿気が多いから、気温が高ければ、むしろ雨の日の方が起こり
    やすいとも言えるね。ちなみに気温は25度以上になれば熱中症が起こる可能
    性が出てくるそうだ」
理奈 「じゃ雨ん時、体育館で練習すんのって危ないのね」
一平 「そうだ、そうだ。夏場雨が降って体育館で練習するとする。外は雨だから湿気満点。
    しかも暑い。というか蒸し暑いな。窓は開けてるだろうが、あまり風もないだろう。こりゃ
    もう熱中症になってくれ、と言わんばかりの状況だから、管理者や指導者はよっぽど
    気をつけなきゃいけない」
理奈 「そっか。じゃバレーやバスケの人なんか大変だなあ。でも、どういう理屈で熱中症
    って起こんの?」
一平 「人間暑いと汗をかくよな。なぜかというと、汗を出すと、その汗が蒸発する時に起こ
    る気化熱って現象で体温を奪ってくれるわけだな。で、汗のかけない犬なんかは、
    体温調整のために口を空けてハァハァやってるわけだ」
理奈 「気化熱って?」
一平 「そう来ると思った(^^;)。自分で勉強しなさい。話を戻すと、この熱中症に罹ると、
    この汗による体温調整が出来なくなってしまう。すると、気温に対して体温を下げると
    いうことが不可能になる。よって倒れてしまうわけだな」
理奈 「うーん…。じゃどうやって防ぐの? 夏はどうしたって暑いわけだから予防はムリな
    わけ?」
一平 「いや、そうでもない。熱中症でなぜ汗がかけないかというと、体内の水分が不足し
    てしまうからだ。つまり水分を補給すればいい」
理奈 「あ、だから練習中や試合中でも水分を摂るわけだね。でも、ただ飲めばいいわけで
    もないんでしょ? コツとかあんの?」
一平 「そうだな。案外忘れられがちなのが、練習前(あるいは試合前)に充分に水分を
    摂取する、ということだ」
理奈 「あ、練習前にも飲むんだ」
一平 「そう。それもたっぷりとだ。500ミリリットルくらい飲むのが理想だそうだ」
理奈 「500ったらけっこう多いんじゃないの? ペット1本分だよね?」
一平 「そうだね。500といえばコーラのホームサイズくらいか」
理奈 「ホームサイズって何?」
一平 「いいんだ、気にするな(^^;)、古い話だ。で、その500だが、何もいっぺんに飲む必
    要はない。練習の30分くらい前までに1時間くらいかけてゆっくりと500飲めば
    いい」」
理奈 「ふぅん。じゃあ練習中の水は?」
一平 「うん、これもけっこう大事なんだそうだ。なんと30分から1時間おきくらいに飲む
    べきだ、という話だよ」
理奈 「それじゃホントにしょっちゅう飲む感じじゃん」
一平 「そうだな。でも、気温が30度以上あり、湿気も多そうな日、つまりかなり蒸し暑い日
    なんかは、是非そうすべきだと言ってたな」
理奈 「でもさ、それじゃあさ、お腹ガボガボになっちゃいそう」
一平 「いやいや、量自体はそんなに飲まなくていいんだそうだ。50〜100ミリリットル
    くらいでいいんだってさ。だからもう、ほんの一口とか二口程度でいいってことだろう」
理奈 「飲む水は、もちろん普通の水じゃダメなんでしょ?」
一平 「ダメってことはないけどね。まあ、こないだも言ったけどごく薄い食塩水みたいのが
    いいみたいね。身体に浸透しやすいから。でもまあ、そんなもんいちいち作るのは
    面倒だしね、市販のスポーツドリンクで充分、というか、あれは有効だそうだよ」
理奈 「じゃあ、もし熱中症になっちゃったらどうすんの?」
一平 「それも聞いてきた。まあ、基本的には日射病になったときと同じだそうだ。つまり、
    風通しの良い涼しい場所に寝かせる。次に、氷や濡れタオルなんかで身体を冷やし
    てやる。アイスノンのような氷枕も効果的だろうな。場所は、首筋とか脇の下、膝の
    裏や股間。こういうところを冷やしてやると身体が速く冷える」
理奈 「ふんふん」
一平 「そして、水を欲しがったら満足するまで飲ませてやる。この時も、スポーツドリンク
    がいいんだが、なるべく冷たいのがいい。水でもいいから、氷水のように思いっ切り
    冷たいのがいいんだそうだ」
理奈 「お腹こわしちゃうんじゃないの?」
一平 「いや大丈夫。それに、冷たい水の方が胃が活発に動いてくれるらしい。つまり、
    それだけ身体のあちこちに冷気が回ってくれるらしいんだな」
理奈 「じゃあマネージャーとしては、練習30分くらい前までに充分に水分とらせて、練習中
    にも、ちょいちょい飲ませればいいのね」
一平 「そんなところだろうな。これはスポーツ選手だけに言えることじゃないんだ。仕事でも
    同じなんだよ。特に工場などで働いている人だね。エアコンが効いてる職場ならいい
    けど、そうじゃないのなら、もうほとんどスポーツしてるのと同じだ。そういう状況にも
    関わらず、休み時間は10時に12時、午後3時ってところが普通なんだろうね。この
    時じゃないと水なんか飲めない。本当はこれはまずいんだそうだ。工場仕事をしてい
    る人が熱中症になるというのは、ある意味当たり前らしい。
     先生に聞いたところだと、気の利いた工場や会社だと、場内に冷水器を設置して
    いつでも飲めるようになっているところとか、工員のすぐ近くに飲み物が置ける場所を
    作ってるところなんかもあるようだけどね。
     基本的には、ノドが乾いたと思ったらすぐに水分補給するのがいちばんだそうだ。
    ノドが乾くってことは、体内の水が足りないよ、と身体が訴えている状態だから、なる
    べく早く補充してやることが大切なんだそうだ」
理奈 「わっかりました。じゃアタシはこれで」
一平 「どこ行くんだよ、練習だよ、これから」
理奈 「暑いからイヤ。熱中症になっちゃう。部屋で高校野球見てるから」
一平 「高校野球やってる人のサポートがおまえの仕事でしょうが(^^;)」