セカンドベースマン(二塁手)


理奈 「カントク、ひさしぶりにメール来たよ」
一平 「うっしゃー」
理奈 「んとね、Hinaさんからで「セカンドのポジションはどういう能力が必要なんで
     しょうか? 難しいんですか?」ということで」
一平 「なんてタイムリーな質問なんだ。しかもハンドルからすると女の子だろうかな、へへ
     へ」
理奈 「知らないわよ、そんなの。なんでタイムリーなの?」
一平 「なんだ、おまえマネージャーのくせに知らないのか。私ゃ現役当時、セカンドだった
    んだよ」
理奈 「あれ、ピッチャーじゃなかったっけ?」
一平 「だから草なんだから、人数がいないからなんだってやったんだよ」
理奈 「ショートとかサードもしたって…」
一平 「だーら本職がセカンドなんだってば。それにサードは1試合だけだ。打球が怖くて、
     もう二度とやらんと誓った」
理奈 「……」
一平 「あ、いやまあ、なんだ(^^;)。で、セカンドだな」
理奈 「……そうだけど」
一平 「まあ内野手一般からいこうか。ファーストを除けば右利きの方がいい
理奈 「ファーストは左利きが多いね。ライトもかな」
一平 「そうだね。まあこれは、ライトなら右中間、ファーストなら1,2塁間という広い範囲
    にグラブが届きやすいからだね。無論、右利きでも構わないけどね」
理奈 「どっちでもいいのか。なのに他の内野手は明らかに右利きがいいのね?」
一平 「うん。理由は簡単で、右利きの方が一塁へ送球しやすいからだ。実際にやってみ
    ればわかる」
理奈 「そうか、左利きが一塁に投げるには、いったん身体を捻らなきゃならないね」
一平 「そうそう」
理奈 「そんで二塁手ってのは?」
一平 「一般論として言えば、小柄な選手が守ることが多いね。プロで言えば、巨人の仁志、
    ヤクルトの土橋、中日の立浪とかね。昔、名人クラスだった中日の高木、巨人の土井
    や篠塚、広島の大下、正田、阪神の中村、横浜の基などなど、みんなどちらかと言え
    ば小柄だ」
理奈 「ちっちゃくなきゃいけないの?」
一平 「いやいや、絶対条件じゃないよ。横浜のローズとか、昔の阪急・スペンサーなんて大
    男だったしな。ただ、細かいプレーが多いから小さい方が小回りが利くって程度だと思
    うよ」
理奈 「どんな特徴があんの?」
一平 「セカンドというのは内野手の司令塔だ。プロでも、ベテラン二塁手が陣形などを指
    示することも多い。野球というのは、捕手−二塁手−中堅手というセンターラインがこ
    とのほか大事なんだ。ここに好選手のいるチームは強い」
理奈 「でも、あんまり打球が来ないって言ってなかった?」
一平 「草野球ではね。昔はライパチなんて言葉があって、ヘタな選手はライトを守って8番
    を打つってことが多かった。でも、ライトには振り遅れの凡フライが飛ぶことも多いん
    でね、しっかりフライを捕れる選手の方がいいね。で、草野球じゃ右打者の方が多い
    し、流し打ちしようなんて打者はほとんどいない。故に二塁へゴロが飛ぶ、なんてこ
    とはあんまりないんだ。狙って打ってくるようなチームは強いけどな」
理奈 「草はわかったけど、本式のは?」
一平 「さっきも言ったが細かいプレーが多い。通常の打球も多い。ヒット&ランをかける場
    合は狙って右方向へゴロを打つしね。また、いつエンドランがかかるか予想しながら
    守らなきゃならないってこともある。予想が外れりゃ簡単に1,2塁間を抜かれるし、
    そっちばかり警戒してたら、一塁走者の盗塁の時、二塁ベースカバーが遅れる」
理奈 「忙しいなあ」
一平 「ああそうだよ。他にも、走者を置いて打球が外野に飛んだ時、走者の進塁具合を
    見て、送球の指示を出すのも二塁手の役割だ。もちろん自分がカットマンになること
    も多い」
理奈 「う〜〜ん」
一平 「さらにフライだ。プロ野球中継でもよく見ると思うけど、ほとんど外野の守備位置まで
    セカンドやショートがバックしてフライを捕ってることがあるだろう。そしてライン際に飛
    んだファールフライも追いかけなくちゃならない。なかなかどうして、忙しいポジション
    だと思うぞ」
理奈 「めちゃめちゃに守備範囲が広いね」
一平 「そうだね。それともうひとつ大事な仕事がある。ダブルプレーだ。内野ゴロでダブルプ
    レーをやる場合、まずほとんどのケースセカンドが関わることになる」
理奈 「そりゃそうだね」
一平 「だから、他の野手からの送球を確実に捕球し、ベースを踏んで一塁へ確実に投げ
    る。この一連のプレーを一瞬でやらなければならない」
理奈 「…なんかさ、もしかしていちばん難しいんじゃないの、セカンドって?」
一平 「かも知れんな。ゴロの打球自体はショートの方が多いだろうけどね。でもまあ、それ
    だけにやりがいはあるポジションだ。本当に野球の面白さを知ろうと思ったら、捕手
    かセカンドをやることだね」
理奈 「そっか」
一平 「あとひとつ、もし本当にセカンドをやるのであれば、二塁手用のグラブを使うことを
    お奨めする」
理奈 「あ、それ前に話したよね」
一平 「そうだな。さっきも言ったように、セカンドはゲッツーを取るとき、他の野手からの送
    球を受けて素早く一塁へ投げなければならない。つまり、ボールを取り出しやすい
    グラブの方がいいわけだ。これを、ポケットの浅いグラブというんだけどね。この
    グラブの特徴は、ボールを取り出しやすいんだけど、強い打球を捕った時、グラブ
    からこぼれてしまうこともある、ということだ。ただ、なにしろセカンドだからファースト
    までの距離は短い。強い打球なら、弾いたとしても落ち着いて処理すれば一塁には
    ゆっくり間に合うというわけだ」
理奈 「なかなか難しいなあ。ちょっと引いちゃうかな」
一平 「まあ、強いチームで本格的にやるなら難しいポジションだけど(でも、それだけに
    やりがいはあるよ!)、そうでないなら気軽にやってみることをお奨めしたいね。
    奥の深いポジションだからね、面白いと思うよ」
理奈 「Hinaさん、おわかりになりました? 頑張ってトライしてみてくださいね」