セ・リーグの順位について
理奈 「しばらく出番ないかなと思ってたけど、掲示板で質問があったね」
一平 「うむ。旧友というのはありがたいものだね」
理奈 「最初はこっちか。んと、月見で一杯さんからで、えー……。「ヤクルトは勝率が
高いのに、なぜ4位になってるのですか」みたいな感じだった。ところでなに、
この人のハンドル。変なのー」
一平 「気にするな。某ネットでもしょっちゅうハンドルを変えることで有名だった人だ(^^;)。
通称、「大将」で通ってる」
理奈 「それはどうでもいいけど、質問の答えは?」
一平「ではまず、今現在(4/27)のセ・リーグ順位表を見てもらおうか。
1.巨 人 .652
2.中 日 .522
3.阪 神 .478
4.ヤクルト .526
5.広 島 .474
6.横 浜 .333
こんなところだ。ちなみに、チーム名の後ろの数字は勝率だ。2位の中日、3位の阪
神、そして4位のヤクルトに注目して欲しい」
理奈「なんかヘン。大将さんの言う通り、ヤクルト、勝率が中日や阪神よか上じゃん。第一、
勝率5割を切ってる阪神より下なんてヘンだよ〜」
一平「じゃ、こっちを見てもらおう。
1.巨 人 24試合15勝 8敗1分
2.中 日 24試合12勝11敗1分
3.阪 神 23試合11勝12敗
4.ヤクルト 21試合10勝 9敗2分
5.広 島 21試合 9勝10敗2分
6.横 浜 21試合 7勝14敗
あら不思議。この順位でちっともおかしくない気になってくる」
理奈「ホントだー。勝ち星の数ではこの順位でいいんだー。でも、これってずっと前からそう
なの?」
一平 「ああ、これねぇ。今年はまたしてもセントラル・リーグが順位を決めるルールを改め
たんだよ」
理奈 「またしてもって、こういうことってよくあるわけ?」
一平 「まあね(顔をしかめて)。よりわかりやすくってことなんだろうけど」
理奈 「具体的にはどういうの?」
一平 「わかりやすいっちゃ、わかりやすいよ。今年のルールは、要するにシーズンでいち
ばん勝ったチームが優勝ってことだね」
理奈 「なによ、それ。当たり前じゃないの」
一平 「いや、違うんだよ。今まではね、優勝チームってのは最高勝率をあげたチーム
だったんだよ。パシフィックは今でもそうだ」
理奈 「ふぅん。なんでそんなにコロコロ変わるんだろ?」
一平 「まあ、勝率でも数字の比較はできるわけだから、特にわかりづらいということはなか
ったと思うんだけどね。確かに勝ち星だけ見てりゃいいんだから、はっきりとはするん
だけどさ」
理奈 「勝率優勝と勝ち星優勝だと、どう違いが出てくんのかしら?」
一平 「実質的には、そう違いは出ないと思うんだけどね」
理奈 「そうだよね。勝ち星が多ければ多いほど勝率だって良くなるんだから」
一平 「いや、そうとも言えないんだ。多分、今回の改正は引き分け試合の不備を誤魔
化すためにやったんじゃないかってフシもある」
理奈 「どういうこと?」
一平 「去年までのセントラルは、引き分け再試合制度だった。しかも延長15回までは
時間無制限でやったんだ。引き分け再試合ということは、引き分けによる勝率のいた
ずらもなく、すっきりした形になるということだ」
理奈 「すっきりした形って?」
一平 「まあ待ってくれ。あとでちゃんと説明するから。でな、今年は引き分けは引き分けに
しちゃうことにしてしまった。つまり、再試合はしないんだ。しかも、延長は12回でうち
切りだ」
理奈 「で、すっきりした形って?」
一平 「…わかったよ、先に説明する(^^;)。まず球史を振り返ってみよう。時は昭和57
(1982)年のことだ。この年、セントラルは中日が8年ぶりに優勝した。巨人と中日
との間でもつれにもつれ、とうとう公式戦最終戦まで優勝が決まらなかった、という
珍しいシーズンだった」
理奈 「大混戦だったんだね」
一平 「そうだ。3位だったタイガースもかなりいいセンに行ってたしな。で、最終的には、
ドラゴンズが優勝したわけだが、中日と巨人の最終成績はこうだ。
1.中 日 130試合64勝47敗19分 .577
2.巨 人 130試合66勝50敗14分 .569
このように、勝率の点では文句なく中日優勝なんだ。けどな、引き分けの多さを見
てくれ。130試合中、なんと19試合も引き分けがあった。つまり10試合に1試合以
上引き分けだ、ということだ。なんてことだろうね。巨人も14引き分けだからかなり多
いけどね。しかも、中日より巨人の方が2つも勝ち星が多い。おまけに阪神も65勝し
てたから、これも優勝した中日より勝ち星が多いんだ」
理奈 「ヘンだー」
一平 「これが引き分けの弊害だ。勝率計算てのは、勝ち星÷引き分けを除いた試合数、つ
まり勝ち星+負け数だ。故に、引き分けが多ければ多いほど、1勝の価値が大きくな
ってしまうんだね」
理奈 「どして?」
一平 「勉強しろよ(^^;)。おまえ、これ数学じゃなくて算数のレベルだぞ(^^;)。
でまあ、引き分け試合に関する批判がかなり多くなってきたんだ」
理奈 「アタシも引き分けはキライだ〜。なんで引き分け制度なんかあるの?」
一平 「ま、いろいろとな。大義名分としては、あまり遅くまで試合をやってると、観戦している
お客さんが帰宅するのに危険だとか不都合だとか、まあそういうことだ。他にも、昭和
49年のオイルショックの時なんかは、ナイター照明節約のために、試合はすべて9回
で打ち切りにしたりとかね、そういうこともあった」
理奈 「でも、今はオイルショックなんか関係ないじゃん。なんで最後までやらないの? そう
すりゃ、こういう問題もないのに。アメリカじゃ最後までやるんでしょ?」
一平 「ああ。ナショナル・リーグは延長無制限。つまり、ケリがつくまで延長20回でも30回
でもやる。夜中の3時になってもやるということだ。アメリカン・リーグは午前1時を過ぎ
たら新しいイニングに入らない、ということになってる。ただし、翌日にサスペンテッド
する」
理奈 「また難しいこと言った〜。サスペンテッドってなに?」
一平 「例えばな、午前1時になったところで延長15回だったとする。すると、「今日はもう
遅いから明日続きをやろうや」ということになるんだ。翌日に、延長16回からスタート
するって寸法さ」
理奈 「あ、そういうのがあるんだ。日本だってそうすりゃいいじゃん」
一平 「そう思うねぇ。メジャーにはものすごい記録があって、午後7時40分プレイボールの
試合が、延長18回までもつれて、試合が終わったのが翌日の午前3時55分だった、
なんてのがある。まあ、これは極端だけどね」
理奈 「日本も決着つけるまでやればいいのに」
一平 「まあね。ケリがつかなきゃ明け方までやれ(^^;)とまでは言わないけど、せめて去年
みたいに延長は15回までやらせるべきだよ。去年は公式戦405試合あったんだけ
ど引き分けはわずか2試合しかなかった。つまり、延長戦は15回までやれば大抵は
ケリがつくってことだよ。ところが今年はどうだ?12回打ち切りにしたもんだから、ま
だ100試合も消化していないのに、すでに3試合も引き分けがある」
理奈 「なんかお話が引き分けにシフトしちゃったね」
一平 「そうだな。じゃ戻そう。で、そういう引き分けのゴタゴタをわかりやすくするってんで、
勝ち星だけ見てればどこが首位か簡単にわかりますよって言いたいんだろうさ」
理奈 「勝率じゃまずいのかな」
一平 「さっき言ったように、引き分けが混ざると勝率計算が少々煩雑になるからな。それと
今回みたいに引き分けは引き分けにしてしまうと、勝率だと釈然としないことが出てし
まう」
理奈 「さっきの中日の話だね」
一平 「うむ。極端な話をすると、140試合(今年は140試合制)で1勝139引き分けになる
とすると、なんと勝率10割になってしまう。140試合で139勝1敗のチームでもかな
わなくなってしまうんだ。これだとさすがにまずい」
理奈 「そこで勝ち星なの?」
一平 「そうだ。引き分けをなくすつもりがないのなら、そうするしかないね。勝ち星制度にす
ると引き分けは勝てなかった試合になってしまう。勝率制度であれば、引き分けは
負けなかった試合にすることができるんだけどね。だから、各チームともに引き分け
はちっともおいしくない。負けと変わらないんだ」
理奈 「整理しよっか」
一平 「うん。今年のセントラルは140試合終わった時点で、もっとも勝ち星をあげたチーム
の優勝。同じ勝ち星のチームが複数あった場合は、その中で勝率がもっとも高かった
ところが優勝。勝ち星1位と勝率1位が異なった場合は、3試合制のプレーオフ。
勝ち星、勝率ともに同じだった場合もプレーオフになるんだ」