ダブル・プレイ その2


理奈 「ねーカントク、こういうメールが来てんのよ。相原さんからで”正式な用語で言うと
    ダブルプレーとは併殺を意味するうえ、やはりダブルプレーは二回以上は存在
    しないんですよね?”って」
一平 「お、後追いか。いいなぁ、こういうのがあると、ホームページってのは生き物だと実
    感できるね。先日の、こちらのミス指摘も含めて、ダイレクトにお客さんの反応が来
    るのがいいよね」
理奈 「で、答えは?」
一平 「そうだね、書き方がよくなかったかな? ダブルプレーは併殺のことだね。相原さ
    んの言う通りだ。そういう意味では1イニングに1つしか出来ない」
理奈 「そうなの?」
一平 「そりゃそうさ。だってダブルプレーってのはいっぺんに2つのアウトを取ることを言う
    んだからね」
理奈 「こないだの話と違わない?」
一平 「まだよくわかってないな。併殺というのは2つのアウトだから3アウトの中では1つ
    しか取れないだろ? だけど併殺打というのは、それに守備側のエラーが絡んでも
    併殺打になるんだよ。だから2つアウトが取れなくても併殺打は併殺打なんだ」
理奈 「あそっか、だから2つ出ることもあるのか」
一平 「そうそう。逆に併殺というのは絶対に2つは起こり得ないってことだね」
理奈 「わかった、わかった。でね、相原さん、他に例を出して質問してんのよ。いい?
    ”ランナーが最低一塁にいる時(一塁、一・二塁、一・三塁、満塁)の時に、
    ファーストゴロで、まず一塁を踏んで打者アウト、続いて(例えば)二塁へ
    投げて一塁走者がタッチアウトの場合”」
一平 「うん、なるほど。よし、じゃあ理奈、答えてみろ」
理奈 「えーー、わかんないってばー」
一平 「いいから」
理奈 「もー。えーと、ファーストゴロでベース踏んでアウト、その次に二塁へ投げてランナー
    アウトでしょー。ということはぁ、先にバッターランナーがアウトになったんだから…、
    あ、そうか、併殺打じゃないんだ!」
一平 「よし、その通り。いいか、併殺打かそうじゃないかは、バッターとランナーで、先に
    アウトになったのはどっちかで決まる。例では、先に打者走者がアウトになって
    るから、その後でいくら走者がアウトになろうと併殺打にはならないんだ。
    いいかい、この考え方が基本だ」
理奈 「うん、わかった。もうひとつあんのよ。”ランナーが二人以上で全てフォース
    状態(一・二塁、満塁)の時に、打者が絡まなくても、走者だけで連続フォース
    アウトになった場合
一平 「あ、なるほどー。これは盲点だね。面白い面白い。理奈、この例題の面白いところ
    がわかるか?」
理奈 「わかんない」
一平 「身も蓋もない言い方だな(^^;)。あのな、この例題の面白いのは、ダブルプレーは
    ダブルプレーなんだけど、バッターランナーが絡んでないことなんだよ」
理奈 「は?」
一平 「だからさ、わかりやすく言うとな、1死1,2塁でさ、バッターがサードゴロ打ったと
    しようか。打球を抑えた三塁手はそのまま三塁ベースを踏んで2アウト目を取り、
    続いて二塁へ送球して一塁走者をアウトにして3アウト目にしたんだ。どうだ、打者
    はアウトになってないだろ?」
理奈 「あれ、ホントだ。これはどうなんの?」
一平 「守備側から見ればもちろん併殺だね。で、バッターから見た場合だけど、やっぱり
    併殺打になるんだよ」
理奈 「どういう理屈になんの?」
一平 「さっき話したけど、併殺打になるかどうかってのは、先に打者がアウトになるか
    走者がアウトになるか、なんだけど、これの考え方を説明するね。併殺打というの
    はね、塁が詰まってて打者がゴロを打った場合に起こる。つまり、走者としては
    走らざるを得ない状況で起こるものなんだよ。そうだよね、走者一塁で打者がゴロ
    を打ったら、一塁ベースを打者走者に明け渡さなければならないから、どうしたって
    二塁へ走らなきゃならない。占有権がないんだよ。
     これに対して、例えばライナーやフライ、三振とかで打者がアウトになったあと、
    走者が走ってアウトになったってのは、確かにダブルプレーではあるんだけど、
    併殺打とは言わない。なぜなら、ダブルプレーになったのは完全に打者だけの責
    任とは言えないからなんだ」
理奈 「どういうこと?」
一平 「だからさ、ライナーでアウトになったってことは、走者は別に次の塁にムリして進む
    必要はないわけだ。なのにアウトになったということは、走者の過失も多少はあった
    という判断だね」
理奈 「ふ〜ん。いい当たりのライナーが真っ正面に飛んだ場合なんか、ムリないと思う
    んだけど」
一平 「うんうん、それはそうなんだ。走者のミスとは言い難いものもあるんだけど、理屈
    はそういうことなんだ。打者の打撃結果が走者の進塁を強制する場合は、併殺打
    になるってことだ」
理奈 「カントク、言い方がムツカしいってば」
一平 「他にどう言えばいいのかなあ(^^;)。フライやライナー、三振のときは、一塁走者
    に走る義務はないだろ? でもさ、走者一塁でバッターが内野ゴロを打ったらどうだ?
    どうしたって一塁走者は二塁目指して走らなくちゃならない。その上でアウトになった
    のなら、こりゃバッターが悪いでしょうって考え方だな。で、フライとかの場合は、まあ
    打球判断の難しいケースもあるだろうけど、別に進塁する必要はないわけだ。言って
    見れば走者の過失もダブルプレーになった一因だ、と見ることもできる」
理奈 「なんとなくわかったかなあ。ホントになんとなく、だけど」
一平 「そんなところだろうな。これはけっこう難しいというか、わかりにくいところではある
    からね」