プロ野球審判について


理奈 「ここんとこ、ちゃんとしたメールが増えています」
一平 「たいへんけっこうなことだと思います。堅苦しくなる必要はありませんが、最低限
    の礼儀やマナーを身につけておいて損はないと思います」
理奈 「そういうことで今日はこれ。meisさんからね。『「審判と権限について」の項目に
    て審判は元プロ野球選手が多いとの記述がありましたが、審判についていくつか
    質問があります。
    1.審判になるにはどうしたらよいか?
      あまりきかないのですが、プロ野球の審判になるには、
      どのすればなれるのでしょうか?
      一般の人でもなることは可能なのでしょうか?
    2.所属について
      プロ野球の審判は、どこに所属(雇われている)のでしょうか?
      公正をきすため、球団ではなくプロ野球機構だとおもうのですが・・・。
      あと、なぜセントラルとパシフィックと所属がわかれているのですか?
    3.アマチュア試合の審判は?
      プロ野球の審判はアマチュアの試合の審判をするのでしょうか?
      (都市対抗選手権とか全国高校野球選手権とか)
      それとも、アマチュアはアマチュアで審判がいるのでしょうか?
      あと草野球とかの審判はどのような方がされているのでしょう。
    4.審判のジェスチャー
      つまらない質問ですが、審判のジェスチャーって
      いつあのようになったのでしょうか?
      (セーフ:両手を横に広げる。ホームラン:片手を頭の上で回転させる 等々)』
     こんな感じ」
一平 「うむ。権限のところでは特に言わなかったことだな。審判員そのものに関する
    質問か」
理奈 「だね。なんでこないだはこういうことに触れなかったん?」
一平 「聞かれてることはそういうことじゃなかったからだ。それと、うちみたいなごった煮
    サイトじゃなく、プロ野球審判を専門に取り上げているHPもあるからね。そういう
    特化サイトに敬意を払ったのだ。そっちを見てね、と」
理奈 「面倒だからそっちを見ろってね。今回も?」
一平 「違う(^^;)。せっかく専門サイトがあるんだからと言っているだろうが。今回は
    わかる範囲でお答えしたい。もし不満や不明瞭なところがあれば、そっちを参照
    して欲しい」
理奈 「逃げたな。まあいいや。じゃあまず1から。審判になるにはどうするのかっての」
一平 「公募があります。一般新聞には載らないが(スポーツ欄には載ることもある)、
    スポーツ紙には募集がかかれば小さな記事で載るから見逃さないように」
理奈 「あ、そうなんだ。普通の就職とおんなじか」
一平 「まあね。もちろん特殊な職業だから、ハローワークや求人情報誌には出て来な
    ないけどな」
理奈 「公募ってのは具体的にどういうこと? 毎年あんの?」
一平 「残念ながら毎年あるもんと違う。基本的には、欠員が出たら補充という形だな。
    募集する時には、それぞれのリーグ事務局が発表する。それをマスコミが拾うの」
理奈 「ふうん。一般人はなれるのかって質問もあったけど」
一平 「もちろんなれるさ。年齢制限はあるけども、少なくともプロ選手になるのよりはずっ
    と門戸は広いよ」
理奈 「でも、前に言ってたけど、プロ野球選手OBがほとんどなんでしょ?」
一平 「ほとんどと言っちゃっちゃあ言い過ぎだけど、かなり多いのは確かだよ。でもね、
    普通の人でも、試験を受けて合格すればなれるんだ。この中には、選手としては
    諦めたけど審判でプロになりたいとか、アマの審判が受験するとか、単に野球好き
    で審判になりたい人とかいろいろいるよ」
理奈 「プロOBが多いのはなぜなんだろ?」
一平 「詳しいことはわからないけども、曲がりなりにもプロ球界の経験者だということは
    大きいんじゃないか? それと、これも想像だが、多分、推薦もあるんだろう。
    それに、元プロ選手なら体力的には問題ないだろうしな」
理奈 「もと選手も試験は受けるんでしょ?」
一平 「そう思うよ。ちなみに試験てのは筆記と実技のふたつがある。ああ、その前に履
    歴書で落ちる場合もあるみたいだ。筆記の方はルールが主だね。受験する人の中
    には自分の知識を確認しようとして、筆記だけ受けて実技は辞退する人もいる。
    実技の方はもちろんジェスチャーとかだね。声が大きいか、きちんと発声できている
    か。あるいは堂々と自信を持って判定しているか。ストライク、ボール、アウト、セー
    フの判定は正確か、と」
理奈 「それにクリアすると審判?」
一平 「まあそうだが、空いている枠がひとつしかなければ合格者はひとりだけだね。だか
    ら、ここまで出来れば全員合格ってわけにはいかないんだ」
理奈 「そりゃあたいへんだ。じゃあ2ね。審判の所属はどこかっての」
一平 「リーグだね」
理奈 「球団とか機構じゃないんだね?」
一平 「そう。まあ球団ちゅうのはまずいが、プロ野球機構でもいいと思うんだがね。
    もっとも、大リーグでもそれぞれのリーグに審判部があるからね。統括してるのは
    コミッショナーだけど。
    審判てのはセントラルもしくはパシフィックのリーグ会長直属という立場になってる。
    まあセとパでは微妙に制度やルールが違うところもあるから。だから日本シリーズや
    オールスター、交流戦の前には、その突き合わせをやる会議をするんだね」
理奈 「ああ、指名打者があったりとかね」
一平 「そうだな。だから審判員を募集するのも、セントラルやパシフィックのリーグが独自に
    行なうんだな」
理奈 「なんか会長直属って偉そうだ」
一平 「偉いんだよ。審判というのはリーグ会長代理なんだ。グラウンドに於ける会長なんだ
    ね。だから本来は誰も逆らっちゃいけないんだよ、グラウンドではね。……もっとも、
    リーグ会長なんて、まるで権限がないというのは昨今明らかになっちゃったからなあ」
理奈 「じゃあ3ね。プロの審判はアマの試合で審判できるのかっていうの」
一平 「出来ない。アマにはアマの組織があるんだよ。プロ選手が高校野球や社会人野球
    の試合に出られないのと一緒だ」
理奈 「そりゃそうか。あたしたちの……高校野球の審判さんて誰がやってんの?」
一平 「おまえ知らんのか(^^;)。連盟に登録している審判員だ。基本的にこれはボランテ
    ィアなの。これがプロといちばん大きな違いだね。中には交通費くらいは出ることも
    あるが、手弁当がほとんどだ。予選や甲子園の審判でも、わざわざ仕事を休んで審
    判しにくる人もいるんだよ」
理奈 「へえ。じゃあ草野球も同じかな」
一平 「草野球ったっていろいろあるけどね。連盟に所属して、ちゃんとした日程に従って
    リーグ戦やトーナメントを消化するものから、本当に草野球で、自分から対戦相手を
    探すようなものまでね。で、連盟に所属して試合する場合は、審判員は連盟から派
    遣されてくる。連盟に登録している審判員が来るんだね。これもボランティア。草野球
    は野球好きな人がプレーを楽しむものだが、草の審判も同じで、審判することを楽し
    んでいるわけだ」
理奈 「じゃあ純然たる草野球の場合は?」
一平 「誰でもいいでしょ。普通は、補欠の選手がやったり、近所の野球好きのオヤジに頼ん
    だりしてるよ」
理奈 「4は? 審判のジェスチャーはどうしてああいうの?」
一平 「どうしてって言われてもなあ(^^;)」
理奈 「知らないのね?」
一平 「はい(^^;)。日本の場合、すべてアメリカをお手本にしているから、そこから来てい
    ることは間違いないだろうけどね。ただね、あのポーズも少しずつ変わってきてるだろ」
理奈 「そうかな」
一平 「昔は、ストライクは投手を見て右腕を高く突き上げるポーズだったけども、今はメジャ
    ー式に横を向いて、肘を軽く曲げて人差し指で指すような感じでしょ。ボールの判定も
    以前は右手を水平に出してコールしてたんだけど、いつのまにかジェスチャーはなく
    なってるよな。ただ「ボール」って言うだけ」
理奈 「そういやそうだな」
一平 「これは本来はまずい。判定は、きちんとわかりやすいジェスチャーで行なうようルール
    にもあるしな。まあ、その時代の流行り廃りはあるけど、アクションは大きい方がわか
    りやすいね」
理奈 「ふうん、そんなとこか。あ、もうひとつあるな。「別コーナーにて二手川審判について
    取り上げていただけませんでしょうか?「俺がルールブックだ」の名言が生まれた経緯
    を知りたいです」だって。考古学にする?」
一平 「いや、せっかくだから今やろう。この事件についてでいいな。
    1959年7月19日に後楽園球場で行われた大毎−西鉄戦での出来事だ。8回裏
    の大毎の攻撃で無死一塁。打者の醍醐猛夫は走者を送ろうとバントしたんだが、それ
    を投手の稲尾が捕球、二塁へ送球したわけだ。ところが二塁塁審の判定はセーフ。
    西鉄の三原監督が抗議すると、二塁塁審は「同時だったkらセーフ」を言ったんだな。
    これを聞いた三原さんは猛然と抗議した。アウト、セーフの判定には口を挟めないが
    ルール解釈には文句をつけられるからだ。塁審の説明に納得できなかった三原監督
    は、控え室にいた二出川審判に「ルールブックで確認しろ」と詰め寄ったんだな。
    そこで二出川さんが言った台詞が「その必要はない。私がルールブックだ」なんだな」
理奈 「すごいけど……もしその二出川さんの言ってることが間違ってたらどうなんだろ?」
一平 「そうだな。でも、この毅然とした態度は必要だろうな。そういや最近でも、ロッテの
    バレンタイン監督がルールブックを審判に突きだして「よく見ろ!」と言って抗議した
    ことがあったが、あれは立派な侮辱行為。本来なら退場処分にされても文句は言え
    ない」
理奈 「そっか……。でもカントクって、大体において審判贔屓だよね」
一平 「そんなこたない。ただルールは守るべきだと言っているだけだ。その上で、未熟な
    審判には再教育、あるいは最悪の場合、解雇まで考えてくれ欲しいのだ。そこまで
    やって、初めて審判はグラウンドの最上位者になれると思う。とりあえずやれること
    は、まず審判は6人制に戻すこと。まだ4人制がこなせるほどの能力はないと思う。
    あとは、もう少しカネをかけて待遇はもちろん教育もレベルアップして欲しいね」