審判と権限


理奈 「夏休みも終わりだなあ」
一平 「宿題終わったか?」
理奈 「最近、宿題なんかあんまし出ないもん」
一平 「あ、そうなのか?」
理奈 「うん。だって中三の時なんか、自由研究しかなかったよ。高校じゃそんなことな
    いけど。今年もまだやってないし」
一平 「んでこんなことやってる余裕あんのか?」
理奈 「だって質問来たんだもん。プロ野球法務部の方にだけど。メールでお願いしたら、
    こっちで取り上げていいっていうから」
一平 「ほー」
理奈 「そんで質問だけどね。「野球規則の中で審判の判定に対する監督の抗議が
    ある時に関係する規則はどんなものがあるのでしょうか? 又、森監督が
    退場になったように、監督が退場になるケースにはどんなものがあるの
    でしょうか」っていうことで。Hangtian Wenfuさんからの質問ね。確かに多い
    よね、審判のトラブル」
一平 「そうだな。審判の技量があまり高くない、ぶっちゃけた話、ヘタクソが多いっていう
    のは残念ながら事実だろうな。これは当の審判員自身も認めざるを得ないだろう」
理奈 「そうだよね。ヘタな審判が間違った判定をすれば、選手や監督が怒って抗議した
    ってしようがないよね」
一平 「まあね。でも、それはダメなんだ」
理奈 「なんでよ、だって間違ってんでしょ?」
一平 「でもダメなの。いいかい、投球がストライクかボールか、打球がフェアかファー
    ールか、走者がアウトかセーフか、という判定は、審判の下した裁定が最終
    的なものであって、それが決定事項なんだ」
理奈 「は? じゃ抗議しても…」
一平 「ムダ。というか、しちゃいけないの。それらの判定に関して、プレイヤー、監督、コ
    ーチ、補欠などが異議を唱えることは認められてないの。野球規則9.02(a)
    だ」
理奈 「そんな、じゃあミス・ジャッジでもダメなの?」
一平 「そう。だから、Hangtian Wenfuさんが言っていた、こないだのヤクルト−横浜戦での
    横浜・佐伯の打球の件ね。あれは、スローVTRで確認するとどう見てもワンバウンド
    している。つまり、これはミス・ジャッジだね。当然、横浜側、つまり森さんとしては
    抗議のひとつもしたくなる。でもね、このプレーに関する森監督の抗議権はない
    んだ」
理奈 「そんなぁ」
一平 「そんなもこんなもない。ダメなもんはダメだ(^^;)。これは野球というスポーツ、いや
    野球に限らないが、世の中のありとあらゆることに言えるんだ。
     いいか、いくら警察の事件解決能力が低いからと言って、もう警官に捜査は任せて
    おけない、民間でやるって言った大問題だろう? もちろん、警察にはより一層の
    能力向上を要求するのは当然だ。情報公開や内部監査も当たり前だな。だけど、
    それと警察活動を容認するかどうかはまったくの別問題だ。
     審判だって同じだ。確かに今の日本の審判のレベルは低い。技術向上のために
    あらゆる手段で頑張ってもらわないと困る。だが、いくらヘタだからと言って、自分の
    主観と審判の判定が違うたびに文句言うというのはどうかな。基本的には審判は正
    しい、判定には従うという根幹の部分に疑問を持ってしまったら、スポーツは成立し
    ないよ」
理奈 「……」
一平 「さっきも言ったように、判定に関しては基本的に審判の裁定が絶対的なんだ。
    ただ例外はある」
理奈 「それは?」
一平 「最近ではごく当たり前になってしまったが、ハーフ・スイングに関する判定だ」
理奈 「ハーフ・スイング? ああ、キャッチャーが塁審を指差すアレね」
一平 「そうだそうだ。つまり、打者のハーフ・スイングの時、審判がストライクと判定しなか
    ったら、つまりボールの時だな、この場合は守備側の監督と捕手に限って塁審
    のアドバイスを受けるよう球審に要請できる。野球規則9.02(c)だな」
理奈 「その時は主審の判定がひっくり返ることもあるの?」
一平 「もちろんある。主審の位置からでは、打者がバットを振り切ったかどうか見にくい
    こともあるから塁審の判定を仰ぐわけだからね。これなんかは、新しいルールなん
    だ。見にくいものは見にくいと認めたわけだから、前進したわけだね」
理奈 「でさ、もしその塁審もボールと判定したら文句言っていいの?」
一平 「もちろんダメ。塁審の判定は最終的なものだ。だから、これに関しては9.02(a)
     が適用される。もし抗議なんかしたら、警告もしくは退場だ」
理奈 「うっひゃー」
一平 「それと、誤解されやすいから言っとくけど、この塁審への確認要請は守備側だけの
    限定的なものだ。攻撃側にはその権利はない。つまり、主審がハーフ・スイングと
    判定してストライクと言ったのに、攻撃側が「今のは振ってない」と言って、塁審に聞
    いてみろ、と言うことはできないんだ。それやったら警告か退場」
理奈 「あれ、なんで攻撃側は抗議しちゃダメなの?」
一平 「抗議じゃない、確認要請だ。なぜダメかって? そりゃそうさ。だって、ハーフ・スイ
    ングを主審がストライクにしたのであれば、それは主審が明らかに打者が振ったと判
    断したことになるだろ? だったら確認も何もないってことだ。ボールと言った場合、
    これは振ったかどうかハッキリしないからそう判定したってこともあるし、バットスイング
    が打者に隠れてしまって主審の位置からよくわからんことはある。だから自信がなけ
    れば確認していいよ、という規則なんだ。だから、主審がハーフ・スイングを取ってスト
    ライクにしたのなら、それは確定事項になるんだね」
理奈 「ふぅん。じゃあまるで選手や監督には抗議する権利はないのね?」
一平 「いや、そうじゃない。規則の適用が違っているんじゃないかという疑問がある場合、
    要するに、ルールについて審判が何か勘違いしているんじゃないのっていう時には、
    監督に限って抗議できる。これは野球規則9.02(b)だ」
理奈 「よくわかんないけど、どゆこと?」
一平 「そうだなあ。例えば、二死走者三塁で打者が内野ゴロを打って、一塁手が送球を受
    けて一塁でアウトになったとする。三塁走者はその前にホームを踏んでいた。この時、
    主審がホームインと言っていたらどうだ? こりゃおかしいな。タッチプレーのときは
    それでいいが、フォース・アウトの時は得点にならないはずだよな。こういう時は「今の
    ホームインは無効でしょ」という抗議はしてもいいんだ」
理奈 「そうかあ。でもルールを間違えてたんなら当たり前だよね」
一平 「まあね。でも、この時でも、審判や守備側が気づかなくて、そのままプレーが進ん
    でしまったら、そのまんまになってしまうんだ」
理奈 「え、間違ってても?」
一平 「そうさ。攻撃側が気づいたとしても、自分たちに不利になってしまうから、まず言わ
    ないよね。審判がわからなかったらそのままだ。仮に次の回になって気が付いても
    それはダメ。守備側が気づいて抗議しても、もう手遅れになってしまう」
理奈 「守備の人が、「ランナーがベース踏んでませんでしたよ」とか、「打順飛ばしたんじゃ
    ありませんか」とか抗議するのも同じわけね?」
一平 「そりゃ抗議じゃなくてアピール・プレーってやつだ。これは別物。例えば、打順を
    飛ばしたことに審判が気づいていたとしても、それを宣告しちゃダメなんだ。もし攻撃
    側がそのまま気づかずに、打順間違えをして打ったら、守備側がアピールすればア
    ウトになるだろ? だからヘタに宣告したらまずいわけだ。ベース踏み忘れも同じね。
     さっきのと大きく違うところは、審判はそのことに気づいていても宣告する必要はな
    いってこと。確認だけしておいて、相手からアピールがあったら判定を下すだけ」
理奈 「たまにさ、抗議されてから審判が集まってみんなで相談するのがあるじゃん。あれ
    は?」
一平 「たまに、じゃなくなったよな、最近(^^;)。ひとつのプレーについて、複数の審判が
    異なった判定を下しちゃうことがあったりする。こういう場合は、まあ、あってはいけな
    いことなんだけど、ままあるわな。仕方がない。そういうケースでは審判団が集まっ
    て協議するわけだ。そこで下された判定は…」
理奈 「やっぱり絶対なんだ」
一平 「そう」
理奈 「でもさでもさ、そういうんじゃくても、さっきのHangtian Wenfuさんの質問のケース、
    森さんが抗議したやつは、別にそうじゃなかったよね。誤審は誤審だけど。でも、集
    まって協議したじゃん」
一平 「これも本来はまずい。森さんが抗議するのもおかしいし、それを真に受けて協議する
    のもヘンだ。9.02(a)違反だ。もちろん、判定を確認する意味で協議するのは悪い
    ことじゃないけど、抗議されたから協議するんじゃさ、まるで自分の判定に自信があり
    ませんて公言してるようなもんじゃないか。協議するなら、判定出す前、いや少なくと
    も抗議を受けてからやったんじゃタイミングが悪すぎるんだ」
理奈 「つまり、選手とか監督は判定に関しては抗議できないってことだね」
一平 「そう思って間違いない。ファンは知らない人も多いと思う。その原因は審判自身に
    あるんだ。ハナっから抗議なんか受け付けなきゃいいんだよ。もう無視。それがいち
    ばん」
理奈 「でも、そーゆうのもなあ」
一平 「ヘタに相手にするから、それがルール違反だと思わない人が出るんだよ。もっと毅
    然としていいと思う」
理奈 「じゃ、抗議したら、本来ならどうなんの?」
一平 「警告か退場。文句なしだ」
理奈 「もちろん、手を出したりしたら…」
一平 「最悪だね。即、退場。そもそも、審判の身体に触れてはいけないの。暴力はもち
    ろん、肩に触れたり握手してもダメ。それくらい厳しい。だから、退場を宣告された
    選手や監督が「オレは手を出してない。胸で押しただけじゃないか」なんてのは
    ちゃんちゃらおかしいね。無論、帽子やグラブなどをぶつけるのも退場だからね」
理奈 「んじゃ、手を出さなきゃいいわけ? 悪口はいいんだ」
一平 「絶対そう来ると思った(^^;)。ダメに決まってんじゃん。いいか、審判に対してヤジ
    や暴言を飛ばしたら警告。それに従わなかったら退場なんだ。野球規則4.08ね」
理奈 「でもさあ、ベンチでみんなしてヤジ飛ばしたら、誰が言ったかわかんないじゃん」
一平 「そうだな。そういう時はまず警告する。それでもヤジが収まらなかったら、審判は
    控えの選手をみんな退場にしちゃっていいんだ」
理奈 「うわー。でも、そんなことないでしょ?」
一平 「いやいや。アメリカの大リーグじゃたまにあるよ。まあ、補欠全員ったって、試合展
    開でピッチャー足りなくなることもあるから、必要な選手だけは何人かカンベンしても
    らうことは出来るんだけどね。だったら、最初っからつまらんヤジなんか飛ばさなきゃ
    いいだけだ」
理奈 「選手同士のヤジはいいんでしょ?」
一平 「まあね。でも、例えばセ・リーグのアグリーメントでは、選手の個人的ヤジを飛ばす
    のは禁止されてるんだ。もっとも、あんまり守られてないから、たびたびリーグから
    勧告が来るらしいね」
理奈 「個人的なのって?」
一平 「まあ、プライベート関係と思っていいだろうな。やれ女とくっついたの離れたの、とか
    家族の問題とか。あまり褒められたヤジじゃないことは確かだな」
理奈 「掲示板にもちょっと出たけど、審判の贔屓ってあるのかな?」
一平 「巨人贔屓の判定が多いとか、そういうやつだろ? ないと思いたいがね。
    ルールでもね、こういうのもある。審判員はグラウンド内で選手やコーチ、監督など
    チーム関係者と会話を交わしちゃいけないんだ。友人関係にはなれそうにないね。
    移動中の列車や飛行機なんかでも、なるべく別行動をとらなくちゃならないんだね」
理奈 「審判の判定が絶対的で、選手とも交流できないってのはわかったけど。
    でもさあ、やっぱミス・ジャッジされたら内心穏やかじゃないじゃん。そういう時
    って泣き寝入りなの? 仕返しとかできないの?」
一平 「だから泣き寝入りとか仕返しとか、そういう問題発言はやめなさい(^^;)。
    もちろん審判の下した判定や裁定に不服なことだってあるだろう。さっきも言ったが、
    審判のレベルはお世辞にも高いとは言えないからね。けど、建前の上で、審判の判定
    には抗議できないことになってる。そういう時の救済措置として提訴試合というのが
    ある」
理奈 「提訴試合? それって聞いたことあるけどさ、みーんな却下されちゃうじゃないの」
一平 「そうだね。なぜかわかるか? 審判の裁定に関して不服がある場合、ルール違反を
    建前として、監督がリーグに対して審議を請求することが認められている
    野球規則4.19だ」
理奈 「あ、もしかして…」
一平 「お、気がついたか? 提訴があった場合、リーグは「試合提訴の手続きに関する規
    則」によって処理をすることになる。だけどジャッジメント、つまり審判の判定について
    はどんな提訴も受け付けないことになってるんだな。だから、アウト、セーフの判定が
    おかしい、なんて提訴はもう門前払いになってるのが実状。ムダなんだ」
理奈 「なのに何で提訴試合になんかするんだろ?」
一平 「これは想像だが、恐らく腹いせとメンツの問題だろうな。つまり、判定で猛烈に抗議
    したけど覆りそうにない時があるな。大抵はそうなんだけど。それ以上抗議したら退場
    にされちゃうかも知れないからそろそろ鉾を引っ込めないとまずいけど、でもこのまま
    引き下がるのはむかつく。だからその試合を提訴することで試合を再開するってこと
    にしちゃうんだな。どの監督だって、提訴したところで勝訴するとは思ってないだろうさ。
    それでも提訴するのは自分たちのメンツと審判への嫌がらせじゃないかな。恐らく、
    提訴された試合の責任審判はあまり良い評価はしてもらえないんだろう」
理奈 「なんだかなー。じゃあ提訴してもまるでムダなの?」
一平 「少なくとも判定に関してはな。ルール問題は別だ。でもな、ルール適用に関しても、
    明らかにルール違反である、という証拠を揃えないと却下されちゃうし、仮に
    受理されても勝訴できないだろうね」
理奈 「それで勝ったとしたらどうなんの?」
一平 「うまく行けば再試合。簡単に経緯を言おう。
     1.審判のルール取り違えで監督が抗議したけど、審判は認めなかったとする。
     2.そこで監督はその試合を提訴することを条件に試合を再開する。
     3.その際、そのシーンを収めたVTRを証拠として提出した。
     4.それを受けたリーグは、この提訴を受理した。
     5.審理の結果、審判は規則に違反したと認めた。
     と、まあ、こんな感じ」
理奈 「そこまで行って、やっと再試合かぁ」
一平 「まだダメ。問題のルール取り違えが勝敗に大きな影響があったとリーグ会長が
    判断しない限り、再試合にはならないんだ。つまりこういうことだ。
    10点差で勝ってる(あるいは負けてる)試合の終盤に出たプレーに関してだったとし
    たら、こりゃ勝ち負けには関係ないから、わざわざ再試合することはないってことにな
    っちゃうんだね」
理奈 「なんでー。だって、おかしいじゃん、審判が間違えてなかったら試合は違った結果に
    なったかも知れないでしょ」
一平 「そうなんだけど、特にプロの場合、迂闊に無効再試合なんてことは出来ないんだよ」
理奈 「どしてよ」
一平 「個人記録もかかってるからだ。仮にその試合が無効、再試合ってことになっちゃうと、
    その試合の個人記録はすべてナシってことになる。その試合で日本記録の5打席連続
    本塁打が出てたとしても無効になる」
理奈 「うーーん…」
一平 「それに、アマでは提訴試合は認められていない」
理奈 「4人審判じゃ足りないって話もあるよね」
一平 「そうだね。これはそう思うよ。元々は6人制だったんだから。日本としてはアメリカに
    合わせたってことらしいんだけど、実際は人件費の削減じゃないの? それに、アメ
    リカに習ったったって、アメリカは3人制だったのを1人増やして4人制にしたわけ
    で、6人制から2人も減らして4人にした日本とはまるで話が違うよ」
理奈 「結論としては、判定について文句言っちゃいけないってことね。でも、ルールで決めら
    れてるのに、なんでプロはあんなに抗議して平気なのよ? あんまし退場にもならない
    し」
一平 「そうだね、それは日本プロ野球の大問題なんだ。当然、ルールがあるにも関わらず、
    それを守らない選手や監督がいちばん悪い。ヘタすると、そのルールを知らない関係
    者もけっこういるんじゃないかね。反面、審判が信頼されてないってこともあるね」
理奈 「やっぱヘタだから?」
一平 「それもあるね。それと、こういう理由もあると思う。日本のプロの審判はそのほとんど
    が元プロ選手なんだな。それも、大活躍した選手ってのはまずない。どっちかと言えば
    芽が出ず解雇された選手の再就職先って感じになってるんだ。これはまずい」
理奈 「なんで?」
一平 「現役の選手たちがバカにしてる面があるんだよ。偉そうなこと言ったって、オレの方が
    選手としては上だ、って感じだろうな。無論、これは選手の認識が低いんだけど、そう
    いう面があるのも確かだ。逆に言えば、金田正一氏とか張本勲氏とかが審判やってた
    ら、どんな判定でも、まず絶対に抗議しないだろうね(^^;)。ヘタに文句言おうものなら
    「なんじゃ、この青二才が! くだくだ言う前に結果出してみい!」くらいのこと言われか
    ねないよ」
理奈 「400勝投手に3000本安打だもんね」
一平 「そうだな。まあでもこれは理想で、なかなかそうはいかない。だから現状では、判定の
    精度を上げることと、毅然とした態度をとることが解決のカギだろう。伝説的な二出川
    審判なんてのは、判定に関しての抗議はまったく受け付けず、どんなに監督や選手が
    猛抗議してきてもまるで無視していたそうだよ。こういう態度も必要だと思うね」
理奈 「そっかー」
一平 「ついでだ、もうひとつ話しておきたいことがある。ピッチャーが投げるボールをキャッチ
    ャーが捕球するとき、きわどいタマだとミットをストライク・ゾーンに動かして捕ることが
    あるな。あれはプロだけじゃなく、アマのノンプロや大学、高校でもやってる。あれをや
    りだしたのは誰なのかなあ。で、もし大リーグであんなことをやったら、メジャーの審判
    はきわどかろうと完全にストライクだろうと、ボールと判定するそうだ」
理奈 「そりゃまたなんで?」
一平 「アンパイアへの妨害、もしくは侮辱だと受け取るらしい。これは日本でもそうして欲し
    い。ああいうバカなプレーが容認されていること自体おかしいよ。要するに誤魔化しだ
    からな。あと、これは高校野球が元祖だと思うけど、内野ゴロなんかで打者走者が一
    塁へ駆け込むと、一塁コーチャーが両手を広げて「セーフ」ってやるだろ?あれもそう。
    きわどいプレーであれが出ちゃうというのはわからないでもないけど、完全にアウトの
    タイミングでもやるだろ。あれはどうかなあ。これも、もしメジャーでやったら、審判は一
    塁コーチに警告する。またやったら退場だそうだ。やっぱり審判への侮辱と取る。私も
    そう思うね。どうして自分たちのことしか考えないんだろうね」