結局どうなった、ドラフト?
理奈−んとね、メールが来てんのよ、えーと、1,2,3,4通。
一平−ほう。みんな同じ質問かね?
理奈−そうよ、いい? つまり、「新ドラフトって、結局どうなるんですか?」っての。
一平−あ、あれ?(^^;) せ、説明してませんでしたっけ?
理奈−してません(キッパリ)。
一平−はい、すいません(^^;)。じゃあ、ざっとやるか。
前にも言ったが、今年はドラフトと併用して自由競争で選手を獲得できる枠が2名
できた。で、この自由競争枠で最大の2名を獲得した球団はドラフトでは1位〜3位
までの指名ができない。
理奈−うん、そうだったね。
一平−そんで、2名でなく1名しか獲得しなかった場合、ドラフトでは1位と3位の指名が
できない。
理奈−……は? じゃなに、2位指名はできるっての?
一平−そ。
理奈−なんでよ? なによ、それ。
一平−不思議な制度だよな(^^;)。当初の案だと、自由競争で2名獲ったチームは、ドラフトの1,
2,3位指名権を放棄することになってた。で、1名の場合は1位と2位の放棄だ。
理奈−うん。それが何で1位と3位放棄になんの?
一平−ちょっとその前に説明させてくれ。この2位指名というのは、一種独特なんだ。いいか、よく
聞いててくれよ。まず、今年の状況を例に出す。今年は、自由競争で、日本ハムが早稲田大の
江尻慎太郎投手、阪神がトヨタの安藤優也投手と法政大の浅井良捕手、オリックスが立命館大
の小川裕介三塁手、東海大の平野恵一遊撃手、西武が青森大の細川亨捕手、ヤクルトが青山学院
大の石川雅規投手を獲得した。2名獲ったのが阪神にオリックス、1名が日本ハムに西武、そして
ヤクルトだ。
理奈−うん。
一平−で、今年の制度だと、2名獲った阪神とオリックスは1〜3位までの指名権がない。これは
わかるな?
理奈−了解。
一平−しかし1名だけ獲った日本ハムと西武、ヤクルトはドラフト2位の指名権はあるんだ。
理奈−なんかヘンなのー。
一平−そんでな、この2位というのは日本ハムと西武、ヤクルトにしか指名権がないの。他の、自由
競争を使わなかった球団は、ドラフト2位は指名できないの。
理奈−なんでよ。おかしいでしょ、それって。
一平−私に怒ったってしようがないよ(^^;)。私だってヘンだと思っとる。
理奈−じゃなに、ドラフト2位ってのは自由競争で1人獲得したチームしか出来ないわけなの?
一平−その通りなんだよ。ワケがわからないね。
理奈−なんでまたそんな制度になっちゃったの?
一平−これがなあ、実行委員会でこういう意見があったんだそうだ。「自由競争という権利を放棄して
抽選にだけ頼ろうとするようなチームには何かペナルティを与えるべきだ」、とまあ、こういう
んだな(ため息)。
理奈−おかしくないの、その考え方。
一平−おかしいに決まってるよ。この考え方はドラフトそのものを否定するのと同じだ。
理奈−……。
一平−コトバもないよな。簡単にまとめると、今年のドラフトは、自由競争で2名とったチームは、
ドラフトで1〜3位指名権を放棄する。1名とったチームは1位と3位指名を放棄。そして
自由競争を使わなかったチームは2位指名を放棄、とまあ、こういうことになるのね。
理奈−釈然としないし、納得もできない。
一平−普通そうだな。ともあれ、今年はこれで行くことになってる。バカバカしい制度だがね。
ドラフト1位指名が出来るのは、自由競争を使わなかった7球団。これは指名したい選手を
順々に発表して、重複したらクジによる抽選を行なうわけだな。、2位だけど、これは自由競争
で1名だけ獲得した日本ハムと西武、ヤクルトにだけ権利がある。ウェーバー式で、日本シリーズ
に敗れた球団のリーグ下位から指名する。今年の例だと、日本ハム、西武、ヤクルトの順だな。
3位指名は、1位指名を行なった球団、つまり自由競争を使わなかったチームだな、これが
ウェーバー式で指名を行なう。先に指名したもん勝ちで、抽選はしない。
理奈−全球団が参加するのは4位以下なわけね?
一平−そう。で、4巡目からはすべてのチームが参加しての完全ウェーバー方式だな。今度は日本シリーズ
の優勝チーム、ヤクルトから順番に欲しい選手を指名する。
理奈−これも重複抽選はないわけね。で、指名枠には制限ないの?
一平−ない。もっとも、無尽蔵に指名していい、というわけじゃなくて、全球団での指名選手総数が120
名(但し、自由競争獲得選手分を差し引く。今年の場合だと113名)になったところで指名終了。
逆に言えば、この人数にならなければ、全球団が指名放棄するまで何人指名してもいいの。
理奈−それにしてもおかしな制度だなあ。
一平−ホントだよね。これはもう、今年だけの制度になると思うよ。一挙に完全自由競争になるとも思え
ないけど、徐々にドラフトが骨抜きにされて、5年以内には完全自由競争になるだろうよ。