ブロードバンドへの道〜その1  ADSL導入編


     新規でマシンを買った際、ADSLを導入するつもりだった。この前まで使っていたマシンは、
    USB端子は2つしかないし、LANポートもついていなかった。だから今度買う時はLAN端子
    つきのものを買うつもりでいた(今では当たり前の装備ではあるが)。
     正直、あまりブロードバンドには興味はなかった。でかいファイルや画像をダウンしたり
    見たりする趣味はないからである。ただ、各ソフトのバージョンアップがダウンロードが当たり前
    になってきた今、考えないわけにもいかなくなった。それと、なんと言っても費用である。
    今はダイアルアップで基本料+タイムプラスで5〜6,000円ほどなので、そんなに負担には
    感じていない。が、いつも時間を気にしながらアクセスするのもウンザリしていたのは確か。
    いつか、折を見て…とは思っていた。

     さて、前回のファイルのような感じで新機を買ったわけだが、買うかどうか迷ってる間は、
    我が地区のブロードバンド事情を調べていた。CATVもあったが(タイタス)、結局、NTTさま
    のADSLにすることに。
     念のために、うちの地域がADSLサービスエリアになっているか確認する。高崎だから
    まさかとは思ったが、一応NTT東日本にアクセスした。調べてみると、8Mのサービスはまだ
    全域ではないようだ。1.5Mは全地区OK。最も近い収容局まで1.9キロほどあるらしい。
    なんでもADSLサービスの限界は3キロくらいだそうなので、許容範囲ではある。ノイズチェ
    ックもしてみると48dBほどある。計算してみると、8Mがあっても1.6くらいが最速のようだ。
    なら1.5でいいだろう。というか、8Mはまだ未定らしいのだが(^^;)。

     5月9日(木)。買ったマシンでプロバイダ(ぷらら)にアクセスして調べる。ADSL1.5Mの
    プロバイダ料金は850円らしい。さらに、ぷららを通して契約すると、12ヶ月の間、料金が
    400円引き(つまり450円でよい)ことになるらしい。こりゃいい、と思ったが問題があった。
    契約内容確認のため、NTTが電話してくるらしいのだ。そりゃいいが、問題はその時間帯だ。
    平日の真っ昼間である。そんな時間に家にいるわけがない。ぷららのサポートに確認した
    が、それはどうにもならないらしい。サポートもいろいろ調べてくれたが、次善策としては
    携帯に電話させるか、携帯が使えなければ留守電を入れてもらうようにすれば良いとの
    ことらしい。が、それでは携帯を持っていない人はダメになる。私は一応持っているが、ちょっ
    と事情があって職場では使えない。古い機種なので留守電機能などないし、あってもそのため
    だけに留守電契約するつもりなんぞない。故にそれじゃダメである。
     しかし、どの雑誌や契約サービスを調べても、必ずNTTからの確認TELがある、となって
    いる。これじゃ埒があかない。

     5月10日(金)。最後の手段で、直接NTTに聞いてみることにする。これでダメならアウト
    である。外で116に電話する。…なんと116は携帯では繋がらないのである! 知らなか
    った…。そうだ、フリーダイアルでも申し込みが出来たはずだ。チラシを見て携帯をかける。
    …やっぱり繋がらない!(^^;) これも携帯ではダメである。
     なんということだ。こんなつまらんことでADSLが使えないのか!?

     5月11日(土)。無駄だと思ったが、念のために家から116してみる。なんと繋がった。
    116は土日でもやっているのだ。知らなかった(^^;)。早速、懸念の内容を尋ねる。

    一平「あの〜、ADSL契約の際にNTTさんから確認の電話が平日にあると聞いたんです
        が、本当ですか?」
    青木(NTT担当者さん。仮名)
       「は?」
    一平「いや、プロバイダから申し込もうとしたんですが、そしたらNTTさんから平日に電話
        があるから、と言われまして」
    青木「はぁ、そうですか。それは間に業者さんが入るからだと思いますが…」
    一平「え、じゃあ、直接そちらへ申し込めば大丈夫なんですか?」
    青木「ええ、そうですね。この電話だけで結構ですよ」

     なんだ、そうなのか! じゃあ問題ない、早速申し込もう。

    一平「じゃあ申し込みます」
    青木「ありがとうございます。ではお客様の電話番号を…」
    一平「はい…」
    青木「お客様の区域では1.5Mがサービス中、8Mは9月末に提供予定になっています。
       いかがされますか?」
    一平「(いかがも何も1.5しかないのだろうが(^^;))1.5を申し込みます」

     この後、いろいろ説明してくれる。1.5Mでつないでいるとはいえ、これは理論値での
    最高速度であり、それを保証するものではない、とか、工事はしてみるが、何らかの理由で
    ADSLが使えない可能性もある。その場合でも工事費2,800円は払ってもらう等々。
     まあ、この辺のところは事前にチェックしてわかっていたことなので問題なし。

    青木「では、5月27日に工事予定を組ませていただきます。では確認させていただきますが、
        お客様のお使いの電話はFAXなどと並列でつないでいますか?」
    一平「(並列?) いえ、FAX電話ではありますが…。あ、それと親子電話になってます」

     親子電話。携帯電話が当たり前になった昨今、ほとんど絶滅しているのではないかと
    思いますが、これは1本の回線を変換器で行き先を決め、別々の部屋にある電話機につな
    ぐというサービスである。別々の電話がそれぞれ使えるわけだが、回線自体は1本なので、
    片方で使っている時はもう片方は使えないというわけだ。
    …というようなことを青木(仮名)さんに説明したものの、イマイチわかってもらえない。

    青木「並列のようなので、そちらのお宅で内部工事の必要があると思います」
    一平「いや(^^;)、だから違いますよ、親子電話ですよ」
    青木「一応ですね、こちらの業者を派遣して調べた上で、必要なら工事しないとダメかも知れ
        ません」

     上の親子電話の説明文で大まかにわかってもらえると思うのだが、枝分かれさせるのでは
    なく、単に方向を変換器で変えるだけなのだ。何の問題があろう? だけど青木さん、わか
    ってくださらない(^^;)。説明するのも疲れたので、調査を受諾することに。

    一平「わかりました。じゃあ、いつになりますか?」
    青木「来週で、お客様のご都合のよろしい日がございましたら…」
    一平「え、もしかして平日ですか?」

     またしても平日である。業者(というかNTT)の都合で、平日以外はダメだそうである。
    私はウンザリした。これがNTTという会社なのだ。未だに親方日の丸のつもりでいる。民間
    会社、それもサービス業であれば、お客の都合に合わせるのが当然だと思うが、さすがに
    そこは天下のNTTさま。あくまで自分の都合最優先である。
     あれこれやりあったが埒があかないので諦めた。

    一平「じゃあ、もうけっこうです」
    青木「え、じゃあご契約の方は…」
    一平「だって平日じゃなきゃダメなんでしょう? それはムリです。まさかそのために仕事を
       休めというつもりじゃないでしょうね?」
    青木「……」

     ということでチョン。

     5月13日(月)。どうにも納得行かなかったので、職場の後輩に確認してみる。こいつは
    ネットゲーム目当てですでにADSLに加入している。何でも、彼の地域では彼が第一号の
    加入者だったのだそうだ。ま、単に田舎だというだけのことだが(^^;)。
     それまでのやりとりを話してみると、やはり「問題ないですよ」。NTTが屋内工事にこだわる
    のは、多分、接続できなかったときの苦情防止。もうひとつは調査および工事による小遣い
    稼ぎではないか、とのこと。なるほど、その可能性はあるな(^^;)。
     彼曰く、「つながらないとは思えないけど、仮にダメだったらその時にNTTに事情と文句を
    言えばいいんですよ」。まったくその通りだ(^^;)。

     ちょうど外出する仕事が出来たので、外で携帯をかける。実は携帯でもつながるフリー
    ダイアルのADSL窓口を確認しておいたのだ(ちなみに0120−116−813)。
     …電話中(^^;)。フリーダイアルだからなあ、仕方ないか。結局30分くらいかけ直して
    ようやく繋がった。早速、ADSLを申し込む旨を話す。前述の青木(仮名)さん同様、いろ
    いろ説明を受けた(なお、この時は自宅から収容局までの実距離と伝送損失も調べ

    教えてくれた)。
     さて契約、という段で、よせばいいのに、また親子電話のことを話してしまった(^^;)。
    やはりというか、また屋内調査だの工事が必要かも知れないなど言い出した。言わなきゃ
    よかったが、後の祭り。私としては問題ないはずだと主張するしかない。
     しばらく押し問答を続けたが、そのうち諦めたのか、担当嬢はこう言った。

    横山(仮名)「わかりました。では、私より回線に詳しい者に代わりますので、お待ちいた
            だけますか?」
    一平「はぁ……(なら、最初っからその人と話させてよ(^^;))」

      この間、5分ほど待たされる。

    芝村(仮名)「お電話代わりました、ご迷惑おかけしますね」

     いかにも男性技術者というような感じの人が出る。大体の事情は聞いていたらしく、単刀
    直入で聞いてきた。

    芝村「お客様のお宅の電話は、変換器で回線を複数の電話に切り替えるものですよね?」
    一平「そうです(やっとわかってくれた(^^;))。ふたつの電話を併用する形で、レバーで切り
        替えるタイプです」
    芝村「ああ、なるほど。今、お客様のお使いになっている電話の回線図を見ているのですが、
        このタイプなら問題ないですね」
    一平「(だから最初っからそう言ってるじゃないですか(^^;))。
        そうですよね。逆に言えば、双方の電話にそれぞれモデムとスプリッタをつなげれば、
        どっちでもADSLが使える理屈ですよね」
    芝村「そうです、そうです。じゃあOKですね、担当に代わりますからご契約のお話をどうぞ」

     面目なさそうな横山嬢が、工事予定日が5月28日だと告げ、モデムやスプリッタはどうする
    か聞いてきたので、当然レンタルにする。以上で契約完了。な、長がった(^^;)…。
    工事通告書とモデムは工事前日までに届く予定だそうだ。私の場合、工事日が火曜日
    なので、前の週の金曜夕方までに届かないようであれば問い合わせてくれ、とのこと。

     5月14日(火)。帰宅すると、家人からNTTの横山さんから電話があったと聞かされる。
    工事の件で、と言っていたが、また何か電話サービス(テレホーダイとか)契約でもしたのか、
    と突っ込まれる(^^;)。そういや説明してなかったと思い、パソコンに回線をつなぐサービス
    で、何時間使っても3,500円(1.5M代2,900円+モデム、スプリッタレンタル550円)
    しかかからないサービスだよ、と話して納得させる。安くなる分にはいいだろう(^^;)。
     で、横山さんに電話してみたが、「もう帰宅してしまいました」(^^;)。まあねぇ、確かに17時
    は過ぎてるからねぇ、文句は言えないけど。

     5月15日(水)。外で携帯する。横山さんを呼びだしてもらい、話を聞くと予想通りの内容。

    横山「お客様の工事が遅れそうなので、1日延ばしていただけないかということで、昨日
        はお電話差し上げたんですが」

     …工事たって、NTT内でスイッチ切り替えみたいなものなんだろう?(^^;) 時間がかかる
    事情がサッパリわからんぞ。

    横山「…差し上げたんですが、こちらで調整致しましたところ、予定通り28日に出来ること
        になりましたので」
    一平「あ、そ(^^;)」

     …なんでもないんじゃんかよ(^^;)。

     5月23日(木)。郵送で工事通知書が届く。IDやらパスワードやらも書いてある。しかし、
    肝心のモデムがまだだ。まあ、あれは郵送じゃなく宅配便なのだろうな。しかし明日がリミット
    だ(月曜でもいいのだが、NTTへの問い合わせリミットという意味)。どうなるかな。

     5月24日(金)。届いていた。宅配便だ。縦置きのモデム(個人的には横置きが助かるの
    だけど)とスプリッタ。ざっと説明書を読んでおく。

     5月26日(日)。モデムの置き場所を確保する。実はこれがいちばんの大仕事(^^;)。
    結局、予定通りパソコンラックの上棚を使うことにする。ここには未だに旧PC−9801
    置いてあるのだ! これは先々代の機種。WIndowsではあったが、まだ98アーキテクチャ
    を使っている。つまり98専用ソフトでないと動かない。実は時々動かす98ソフトがまだあった
    ので、片づける機会がなかったのだ。しかし、これが良いきっかけということで片づけること
    にした。
     綺麗さっぱり片づけて場所を確保。ついでにCD−ROMキャビネットもそこに移す。
    これで準備万端だな。

    5月27日(月)。万全ではなかった(^^;)。プロバイダに連絡しなくては。実はADSLを申し
   込んだ時にプロバイダへも契約切り替えを申請しようとしたのだが、ホームページには「工事
   日前日に変更してください」とあるのだ。なんじゃそりゃ。別に事前で工事日がわかっていれ
   ばいつでも良いではないか。釈然としなかったが、従うことにする。
    それで当日まで忘れていたのだ。夜9時過ぎに契約変更届けを出す。あれ、工事日の指定
   がないな。明日なんだけど、いいのかな。

    5月28日(火)。工事予定日である。横山嬢の話によると、夕方6時までには工事は終わって
   いるはずだとか。そそくさと帰宅すると、早速、モデムをパッケージから取り出して中身を確認
   する(遅ぇよ(^^;))。
    がちょーん。思ったよりモデムのACアダプタが短い! 1メートルくらいはあるようだが、
   使うはずのコンセントにはとても届かなかった。なにせ、モデムの電源はタコ足配線じゃなく
   壁から直接とれ、と、横山さんも雑誌もしつこく言ってたから、私も空いている壁のコンセント
   を見つけてはおいたのだ。しかし、そこは使えそうもない。
    これはまいった。仕方がないので、急遽近場のコンセントを無理矢理空けることにする。
   それは良いのだが、コードが部屋を横切る形になってしまい、蹴躓いてコンセントを抜いてしま
   いそうで怖い。やれやれ、コードを壁に這わせるために固定しなきゃならんな。固定具を買って
   こなくては。
    LANポートなど、とりあえずこれしか使わないし、USBは他にいくらでも使い道はあるので
   迷わずLANタイプにしたのだが、こりゃUSBの方が手間がなかったな。あれはマシンから直接
   電源とれるわけだし。

    電源は確保し、モデムの置き場所も変えた。これはこれでOKだな。あとは配線だ。こんな
   ものは、自分でパソコンを設置できる人ならまったく問題はない。ひょいひょいと接続完了。
   モデムの電源を入れて各ランプの点灯を確認。すべてOKで、今度は電話がつながるか確認
   するが、これも当然つながる。あとはマシンの設定だ。
    これも、プロバイダ提供の接続ソフトなど使わず、自分で設定できる一般的なパソコン知識
   があれば、まず問題ないレベル。簡単に終わって接続テストする。

    あっさりつながった。NTTの工事もプロバイダの手続きも無事完了しているようだ。
   つながるまでが非常に速いので(ダイアルアップに比べてね)ちょっと面食らった。速度の方も
   なるほどHPくらいならほとんど待ち時間はない。試しにWindowsUpdateをやってみる。
   これも20秒くらいで終わった。ウィルスソフトのファイルダウンもやってみたが、以前に比べ
   りゃかなり速い。
    総じてなかなか速いのだが、でも思ったほどでもないかな。9月末になったら8M導入かな。
   速度的に不満を感じるようになったら、「驚速ADSL」でも入れてみるか。

    念のためメールをチェックしてみると、プロバイダから届いている。ちゃんと5月28日から
   契約が変わります、とある。ふーん、工事日書かなかったけど、これは申し込んだ翌日に
   変わることになってんのかな。ということは、当日の日中で手続きを完了するということなん
   だろうな。それともNTTと連絡とって、こいつ(一平)からADSL契約変更届けが来たけど
   そっちは工事いつなのかって確認してるのかも知れないな。

    さて、そんなこんなで見事に開通。契約までのゴタゴタに比べ、接続自体は拍子抜けする
   くらいにあっさり成功した。問題は速度だが、正直なところ、あまり重視していない。私のよう
   な文章派(^^;)にとっては、速度よりも常時接続およびいくら使ってもOKというサービスの
   方がずっとありがたいのだ。これでホームページの更新も順調に進むでしょう…とはならな
   いのがつらいところ。私の頭や手はADSLを導入できないからなあ(^^;)。