礼儀とマナー


     タイトルが堅苦しいですけど、他に書きようがなかったのでああなりました(^^;)。
    このサイト、通常のHPと同様に、トップページに「ご意見、ご感想がありましたら、メールください」と
    ありますね。HPを作っている人にとって、自分のページに関する感想や意見というものは非常に
    貴重かつありがたいものなのであります。無論、それが肯定的なものでなくても、です。そしてまた、
    質問を受けることも少なくありません。これに関しても、出来うる限り誠実、迅速に(出来る限り、で
    すよ(^^;))お返事差し上げるようにしています。これは、どのサイトの管理者さんも同じだと思います。

     しかし。しかしですね、受け取ってうれしくないメールもまた数多く存在しているのも事実です。
    これはいったい、どういうことなのか?(特命リサーチ200X調で)

     つまりですね、基本的な礼儀やマナーを知らない人があまりにも多い、ということです。
    大抵の場合、サイトへの意見などをメールする場合、相手は初対面(初めてメールする)という
    ことがほとんどでしょう。であるならば、初対面の相手と話をする場合、どうすれば良いのか、と
    いうことを考えれば、すぐに対応できるはずです(普通の人ならね)。なのに、それが出来ていな
    い人が本当に多い!
     私なんぞが偉そうに講釈するのは生意気だとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、本当に知
    らない人がいるのであれば、少しでいいですから参考にしてください。

     まず、2つほど例を出します。悪い方の例です。ちなみに実際に受けたメールです。

  『プレートの幅と長さ。』

  『一塁の守備』

     なんだこれ、と思わないように(^^;)。上の『』の中の文章(とも言えないが)が、一通のメール
    内容なのだ。要するに、これしか書いていない。これじゃ何が何だかわからない
     ため息をつきながら、何が悪いのか検証していきましょう。

  1.文章になっていない!

     主語、述語がまるでなっていない。何を伝えたい文章か不明です。まあ、この2通のメールは、
    いずれも「教えて!野球」宛に来たものですから、質問なのだろうな、ということはわかりますが、
    それにしたってひどい。
     ここまで文章を省略しなければならない理由は何なんだろうと真剣に考えてしまいました。

  2.挨拶がない!
     畏まった手紙ではありませんので、時候とか書くことはありませんよ。でも相手は初対面の人
    なんでしょう? 何か言うべきことがあるんじゃありませんか? 「はじめまして」とか、自己紹介
    するとか、そんなの当たり前以前の問題だと思うのですが…。
     確かに挨拶など必要不可欠なものではないかも知れません。一字一句でも少ない方が通信費
    が少なくて済む、という理屈もあるかも知れない。でもね、そんな屁理屈なんかよりずっと大切な
    何かをお忘れじゃありませんか?
     世の中、挨拶されて気分を害する人はいません。挨拶されても何とも思わない人もいるかも
    知れない。しかし、挨拶されないことでカチンとくる人はいるのです。つまり、挨拶して損すること
   は何もない
のですよ。最初っから相手とケンカするつもりならともかく、そうでないなら一言くらい
    挨拶を入れて、自己紹介くらいして当たり前です。

  3.あんた誰よ?
     自己紹介のことにも絡むが、どんなメールにも必ず自分の名前(ハンドルでいいのよ)とメール
    アドレスはきちんと書きましょう。これが守られていないことについては本当に驚かされる。だってさ、
    手紙で言えば差出人無記名のままポストに放り込むのと同じだし、電話で言えば自分は名乗らず
    いきなり用件を言い出すのと同じでしょ? これがどんなに失礼なことかはわかりますよね?
     そりゃあ確かに、アドレスなんか書かなくても、I.Eで言えば「返信」コマンド使って返事は出せ
    ますよ。でも、そういうことじゃないでしょう問題は。
     名前とアドレスはわかりやすい位置(通常は文末ですかね)に書いておきましょう。


     こんなところですかね。それと、この2通の例とは別に、是非言っておきたいことがあります。
    先ほども言いましたが、いただくご質問には出来うる限りお答えする方向で努力しています。
    しかし、勘違いして欲しくないのは、質問に対する返答は義務ではないということです。
     私もそうですが、ほとんどの個人サイトは趣味で運営されています。つまり、本人が楽しい
    からやっているのであって、それ以上のものではありません。これが営利目的のサイトで有料
    であるというのであればともかく、そうでなければ管理者も来訪者も立場は同じです。です
    から極端なことを言えば、質問するのも勝手なら、答えるのも勝手なんですね(身も蓋もないが(^^;))。
     ただまあ、上記の例のような、よほどひどいメールであるとか、はじめっからケンカ腰である
    とか、そういうものでない限りはお答えする方向でいますけどね。

     では次に、もうひとつメールを紹介します。当サイトで取り上げた内容に関する訂正依頼
    のメールです。
     今回取り上げるにあたって、メールにて確認したところ、快諾していただけました(名前を
    出すことも含めて)。改めて御礼申し上げます。Yukkoさん、ありがとうございました!
     さて、これは良い方の例です。いちいち注釈を入れさせていただきます(
註:ってやつです)。


『はじめまして、小林由起子と申します
   
(註:いきなりGOOD。ちゃんと初対面ご挨拶&自己紹介をされています)

 先日、川崎球場のファンの方からメールを頂きました。
 以前、川崎球場で電子オルガンを演奏していましたので、名前を覚えてい
 て下さって、そちらのHPで私の名前を見つけてサーチエンジンで検索し、
 私のHPに行き当たったそうです。
   
(註:素晴らしい。どうやって当サイトのことを知ったのか、まで書いてくれている)

 私も驚いて、早速HPを拝見させて頂きました。
 勉強のため、大リーグ観戦に行ったことなどなつかしく思い出しました
 が、それについて訂正をお願いしたくメールしました。
   
(註:訂正依頼にも関わらず、きちんとHPの感想まで書いている。感動モノ。
      そしてメールを出した目的もしっかり記入している。無問題)


 確かにあの言葉を言ったのは私ですが、私は4年前に奏音舎を辞めています。
 ですから、代表の前に「元?という字、と(現代表、十時節子)というよう
 な言葉を入れて頂きたいのですが。

 私は別にやりたいことがあり辞めましたが、奏音舎は今でも存続しており、
 西武ドームと横浜スタジアムに演奏者を派遣しています。(もしよかったら
 奏音舎のスタッフとは今でも仲のよい友人なので、そのあたり書いて頂けれ
 ば嬉しいです。図々しいですか?^^; )
   
(註:肝心の訂正内容がこれ。非常にわかりやすく、どう訂正して欲しいのか
      明確にわかる。さらに、訂正の他にさりげなく追加依頼までしているのだが
      受けたこちらとしてはまったく気にならず、是非そうしなければならない思い
      になってしまう書き方になっている(^^;))


 お手数ですが、よろしくお願いします。   小林由起子』
   (註:本人が絡んでいる訂正依頼なのだから、もっと強気でもいいのにこの
      低姿勢。こう出られると、こちらも迅速に対応せざるを得ない(^^;)。
      最後にもう一度、記名がある。完璧)


     ほぼ完璧です。ちなみに、この本文の文末に、メールアドレスとご自分のサイトの
    URLも書かれておりました(ちなみにYukkoさんのサイトはここ)。
     いかがでしょう。このメールをいただいて気分を害する人はいないんじゃありませんか?
    ちなみに、このメールが縁で、Yukkoさんと知り合いとなり、掲示板やメールでお話させ
    ていただくようになりました。彼女とは職業的にも地理的にも、また趣味の面においても、
    通常では知り合うことはなかったはずです。それが一通のメールが縁でこうしたおつき合い
    が始まる。これこそインターネットの醍醐味であり、素晴らしさだと思いませんか?

     なのに、メール一通出すにしても、基本的なマナーが守られていなければ、せっかく
    メールしても相手にされず、そこでプツンと切れてしまいます。もったいないですよね。

     思うに、初心者の方がこうしたメールを出してしまうことが多いのでしょうね。
    実際、今回の件でYukkoさんともメールのやりとりがありまして、その中で彼女がこう
    言っています。

『 (前略)

 初めてもらう場合、好感度の高いものは案外少ないです。
 名前名乗らず(偽名でもいいからそれらしいのを名乗って
 ほしいものです)、タイトルもなく、いきなり質問だけ
 してくるなんていうのもありますね。
  (後略)』

     彼女も同じように感じているようです。まず名前がないことに違和感をを感じている
    んですね。さらに挨拶も何もなく、いきなり質問だけ。おまけにタイトルまでないという
    ちょっと信じがたいものもあるようです。

     先日届いた日経パソコン3/18号の記事で、こんなのがありました。
    「学校教育へのパソコン導入、春から本格化
      新学習指導要領により各教科の学習にPCやネットを活用
    小中高校と、必修授業に組み込まれるそうです。PCの基本操作などの扱い、情報や
    社会との関係。それらを学ぶのは大変けっこうなことだと思います。
     しかし、それと同時に、ネット社会でのマナーや礼儀も是非教えていただきたいもの
    です。基本的なメールの送り方とともに、メール文の書き方ですね。

     ちょっと思ったんですが、我々が小学生の時分には、国語の時間で手紙の書き方
    なんてのを教わったものなんですが、今はどうなんでしょうね? もし今でも教えている
    のであれば、それの延長でいいんです。メールってくらいで、元々は手紙なわけです
    から。

     私が思うに、相手がすでに知り合いの場合の方が、馴れ合いで挨拶省略になりそうな
    気がするんですが、これがそうでもない。既に何度もメールのやりとりを行なっている人
    たちは、形式的ながらきちんと挨拶をするんです。それから本文に入るんですね。
    もちろん名乗りますし、アドレスも忘れない。

     ビギナーなのだから、そういうことは知らないのだ、という見方も出来ましょうけど、
    さっきも言った通り、電話や手紙と同じ認識でいればいいだけの話で、あまり言い訳には
    ならないと思います。
     これはメールに限らず掲示板でも同じで、いきなり言いたいことを言って消える、という
    人もいます。掲示板もメールとまったく同じで、初対面の挨拶をして名を名乗る。これが
    基本です。ただ、メールよりも掲示板の方が、挨拶その他がきちんと出来る人が多い
    ような気もするなあ。掲示板に書こうというような人は、ビギナーの域を出ているということ
    なんでしょうか。

     何度も言いますが、自分のネット関係を豊かにするのもつまらなくするのも、礼儀と
    マナーにかかっていると言って過言ではないと思います。一度覚えてしまえば、どうと
    いうことはないし、一般的な常識さえわきまえていれば対応に困ることもない。
     もう一度、ご自分のメールの出し方を振り返ってみるのもムダにはならないと思います。

     とは申せ、我々のようなビギナーからは脱した者たちにも気をつけたいことはあります。
    メールとは、日本語にすれば「手紙」なのでありますが、どうも私たちはこれを電話に
    近いものだと判断しているようであります。どういうことかと言いますと、つまり割とあっさり
    書いてしまうということです。手紙であれば、読み返すこともあるというのに、メールの
    場合(掲示板も同様だが)、その時の勢いというか気分で書き散らしてしまう傾向が強い
    のです。
     口から出した言葉は引っ込みがつきませんが、メールなら書いたものを送る前に読み
    返せば、いくらでも修正が利きます。また、言ったことはすぐに忘れてくれるかも知れま
    せんが、メールで書いたものは残ってしまいます。
     こういう特性をよく理解し、使いこなしたいものです(って、自省してるんですよ(^^;))。

     対策としては、書いたメールは一晩置くということに尽きるでしょう。これは、過去の
    パソコン通信時代、電話料金で泣いていた頃のことですが(^^;)、掲示板にせよ、メール
    にせよ、受信したら、そこで回線を切ってしまい、オフラインでゆっくりと文章を書いて、
    しかる後に送ったものです。電話代の節約にもなりますが、それ以上に、自分の文章を
    冷静にチェックする最後の機会が出来るのですね。特に夜、それも深夜に書いたもの
    などは、気分が高揚していたり、逆に眠くてやっと書いたものがあったりして、内容的に
    も文法的にもこっ恥ずかしいものが多いものです(私の場合ね)。
     夜書いたものを翌朝ゆっくりチェックする。ケンカというか口論の場合などは特にそう
    した方が良いでしょう。冷静に、冷静に…。

     書き飛ばした最初の文章なんてのはゲラと同じですから、まず絶対に文法ミスや
    配慮のなさなどがあるものです。よほど短文であれば別ですが、ある程度の文章を
    書こうと思ったら、一晩置くクセをつけておくと安心です。

     最近はブロードバンドが一般化し、オフ書きなんて死語になってるでしょうが、書き
    飛ばしはやらない方が身のためです。私なんかも、しょっちゅうヒヤヒヤしています。
    なかなか出来ないんですが、長めの文章をメール掲示板で書くときは、必ずやるよう
    にしています。

     メールにしろ、掲示板にしろ、新たに手に入れたコミュニケーション手段。せっかくの
    素晴らしい媒体を、つまらないことで台無しにしたら無意味です。
     よく考えれば、別段難しいことでもない。相手を配慮する気持ちを持ちたいですね。