L -エル-
種別 音声 アニメ メーカー・ブランド 発売日
AVG なし なし TOPCAT 1999.9.3

【いっせいの評価】

シナリオ システム 音楽 CGレベル エロ度
6 9 8 9 5
ハマり度 期待度 アダル度 感情移入度 特別加点
3 5 9 4 7
総合点 俺のキャラ
65 葛巳 絢佳

【コメント】
 俺の心のエロゲブランド13pのエロゲーでおなじみの原画家(説明が長い)あんみつ草さんの原画による、大学卒業後入社式までのほんの2週間で恋を成就させようという、ある種無理がありまくりの恋愛ADV。いまどきのエロゲーらしくもなく音声がないので、実は購入しようかどうしようかしばらく迷ったんだけど、このあんみつ草さんの原画の魔力に負けてあえなく購入。ま、それ以外にはあんまり購入意欲をそそるようなエロゲーが並んでなかった。そういえばもう「ドリル男」は発売してるのかなあ。関係ないけど、あれは買おうと思ってるんで。
 話が逸れちゃった。えー、ひとことで言えば、「とばっくちで終わっちゃうエロゲー」。だいたいこういうタイプのゲームって、少なくとも1か月間くらいは(ゲーム中の経過期間が)あるもんだし、複数のキャラがいる場合って、それぞれが関連し合うか、少しは強制イベントで攻略してないキャラも登場して楽しませてくれるもんじゃない? いや、別に脱ぐんじゃなくてもさ。「To Heart」とか「flowers」とか。「flowers」のユズ子なんか、ヒロイン攻略してるときの方が可愛かったんだぞ。
 そういう絡みがまるでない。親子ってんでひと組、助教授と教え子ってんでひと組。それも後者に関しては、ほんの1シーンのみ。ひたすら、狙ってるキャラに会い続けるだけ。
 で、日時固定じゃなく、直前イベントからの連続性を判断してイベントが発生する、いわゆる連鎖型の条件づけがされてるもんだから、えー、例えばヒロインを攻略してると、他の女の子のイベントはまず見られない。見られてもほんの一瞬だし、どうせその子を攻略するときにはそれを見ないと次のが発生しない訳だから、結局、見られる必然性はまるでない。加えて、ひとりの子のイベントなんてせいぜいが4、5個のもんだから(2週間しかないし)、シナリオスキップしなくとも、ひとりの攻略に20分かからない。スキップしようもんならたったの3分。
 さすがに短過ぎだよ。
 キャラは8人(プラス1人熟女)、それぞれに14、5枚のCGがあって、そのうち3、4枚がエロいCG。枚数は必ずしも少なくないんだけど(だから原画家さんはそれだけしっかり働かされてるんだけど)、それが全然生かされてない。このCG、出色の出来だけに、もったいなくてしょうがない。この原画家さんをこんな使い方してたら、もったいないお化けが出るぞホントに。かつて「To Heart」と「WHITE ALBUM」は、PrintScreen使って一生懸命BMPファイル作ってCG集作ってCD-Rに落としたけど、この「L」についても、こういうの作る予定です。俺はこのあんみつ草さんの原画を使ったエロゲーとしては「好き好き大好き!」「入院」「フロレアール」と来て4本目なんですけど、これほど個性があってそれでいて柔軟な人ってそうはいないと思う。今回のはえーわあ。ゲームの出来がひどくても、CGで助けられたといういい例ですね。ま、短すぎるからひどいと言っちゃう訳で、例えばHシーンはなかなか勃起をそそると言うか結構いいテキストだったし、文章力がない人の文じゃあないんだけど、いかんせん短さの故にキャラの説明がまるで出来てなくて、各キャラの個性がCG上の個性しか見えてこない、ってのが何よりダメな部分。加えて、主人公のキャラがシナリオによってあんまりにも変わり過ぎだし、ヘンに能力があって人望もあるように見えるくせにどうしようもない行動しか選択できなかったり、どうもバランスが悪い。2月アタマから3月末まで、2か月間の話にすれば良かったのに。試験と卒論以外は、その期間なら何もないし、それだけ長く取っとけばいろいろイベントも盛り込めたんじゃないかなあ。
 音楽は悪くない。歌が上手いのか下手なのかはよく判らない曲だけど、他の凡百のテーマと毛色が違うのは好感が持てた。オープニングもエンディングも、それなりに凝ってるし、楽しめる。
 ゲームシステムは、ちょっと1プレイの長さとの兼ね合いでは、複雑にしすぎたんじゃないでしょうかね。どこに行って何分経過、ってのはリアルかもしれないけど、それはまるで生かされてなくて、例えばほとんど1箇所に居続けるだけでもクリアできるキャラばっかりだし、もう少しひねった方が遊べるんではないかなあ。作りは非常に丁寧なんで、ストレスはまるで感じなかったけど。あれだなあ、不器用な職人さんが作ったゲームって感じだなあ。
 もちろん、光る部分はたくさんあんのよ。おもに20歳以上の女の子を中心に据えた、脱ロリ設定。嬉しかったわあ。Hできる9人のうち、10代は3人! これは凄いよお。最近お姉さん度の高いのを求めてる俺的には、処女かと思ってたら実はえっらいスケベだった保母(今は保育士って言うんだってね、ヘンだよねえ)さんとか、自分が入社する会社の先輩OL(総合職)とか、喫茶店の女マスタのおばさま(!)とか、その辺がそそりましたねえ。それと、立ち絵の表情のバリエーションの多さ。フルスクリーンのCGでもそうなんだけど、表情が「普通」「にっこり」「ぶぅたれ」と、だいたい少なくとも3種類あったりして、それが結構ちょくちょく切り替わる。台詞によって、そのキャラの感情を細かく表現して、リアリティを出して、ってことらしい。でもそれなら音声入れてくれれば、もう少しキャラの顔に注目できたのに。シナリオを追っかけるのに必死になってたこともあって、ちゃんとこのシステムは堪能できなかった。その辺がなあ。もったいない。
 俺、TOPCATってやったの初めてなの。前のは「WORKsDOLL」? その前は? でも原画家さんが悲しくなるようなゲームはもう作ってほしくないなあ。今の俺は時間がないからちょうどいいのかもしれないけど、さすがにちょっと寂しいぞ。(99.9.29)