腐り姫 〜euthanasia〜
種別 音声 アニメ メーカー・ブランド 発売日
ADV あり なし Liar 2002.2.8

【いっせいの評価】

シナリオ システム 音楽 CGレベル エロ度
9 9 8 8 9
ハマり度 期待度 SF度 お兄ちゃん度 特別加点
9 9 8 7 9
総合点 俺のキャラ
85 簸川 芳野

【コメント】
 ここのところ、恥ずかしながらエロゲーに対する執着が薄れてきてしまっていることはどうやら間違いがなくて、だからレビューどころかプレイ自体も極端に減っているような現況です。
 その中で俺は何だってこのソフトを復帰第一作に選んだんだろうか。いやもちろん後悔している訳じゃなくてね。強いて言えば1月下旬、Mくんと連れ立ってアキバの裏通りをうろうろしている時、どこぞのショップでこのゲームのデモが流れていて、背景画の持つ独特の「匂い」に思わず見とれた、というのが理由でしょうか。BGMもまあ好みでさ、キャラの絵は結局最後の方にようやく出てきただけだったんだけど、ずっと映し出されている背景画がホントによくて。いわゆるイベントCGの出来ももちろん悪くはなかったんだけど、それ以前のゲーム画面、背景にキャラがぽつりぽつりと登場して移動する、その雰囲気に、俺は一目惚れをしてしまったのでした。
 全体としての印象、ゲームの進め方に対する印象は、まあ悪くありません。以前この欄で「フロレアール」か何かを語った時に記したような、それぞれのエンディングを有機的に結合させてひとつの大きな潮流をこしらえる、という手法が、俺的には非常に気に入ってます。まあほんの少しネタバレしちまえば、それらひとつひとつのエンディングはエンディングでさえなく(つまりそれぞれの話は「終わっておらず」)、だから何度でも何度でも繰り返してしまう、そうしているうちにストーリイが採ろうとしている方向性が見えてきて、そこにひとつの大きな「転換点」が現れる、といった次第。繰り言ではフランスSFの巨匠ミシェル・ジュリの名作「不安定な時間」あたりが連想される、なんて書き方をしましたが、あれは自分が閉塞した時間の環の中にいることさえ判っていなかったように記憶しているから、むしろ押井守の「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」が近いかも。
 そのあたりと、明かしたタネの内容に対する感想は、シナリオカウントダウンでのレビューに譲ります。何位かは決めてないんだけど、ベスト20入りは間違いないだろう、ということで。
 なので、シナリオ以外に目を向けてみましょう。
 中村哲也という名前は、実は本当に懐かしいんだこれが。WindowsPCを初めて買った頃に無理して買った「TechWin」て雑誌の付録CDに、この中村哲也の美麗CGが入ってた。確か画集を出した直後の号で。俺よく判らないんだけど、彼はエロゲー系の人じゃないですよね?
 バストショットだけを並べ立てる作品が当たり前(だよねえ? 最近疎くて)の昨今にあって、風景に登場人物を埋め込む手法には恐れ入りました。だからこそこういう、絵になってる背景を使ったんだろうね。ほんと、何度見ても、キモチいい絵柄です。
 フルボイスだったらもっとよかったんだろうけど、まあこの程度のパートボイスなら許せるかな。でもフルじゃないところでちょっと減点。話すところと話さないところをどう決めてるのか、その辺が曖昧で。予算の関係とか言っちゃダメよクリエイターは。まあ声の演技は申し分ないので聴く価値はもちろんあります。
 んで、CGだけど、やっぱり巧いです中村哲也氏。好みはともかく、色遣いとかタッチとか、その辺をぜひ見て欲しい。
 あ、そうそう、気になったんだけど、実の妹とのHシーンってソフ倫OKなの? 「コ・コ・ロ」ってそれで発禁になったんじゃ?(2002.4.16)