【コメント】
「とらいあんぐるハート」の会社の旧作、ということで、地雷踏むこと覚悟で買ったソフト。マイナーな美少女漫画家の原画を使っているのが、いかにも「うち、売れないブランドですねン」とでも語っているように見えて痛々しい。こういう絵を好んで読む人って、今の世にもいるんでしょうか。ゲーム自体の発売は1998年8月だそうなんですが、どう見ても2〜3年前のトレンドっぽい絵柄ですよねえ。いくらネタが「To Heart」だからって、そんなに地味な原画使わなくったってよさそうなもんだけどなあ。
ところがこのゲーム、意外にも、地雷ではありませんでした。それどころか、シナリオの整合性にも目立った破綻はないし、キャラは(主人公を含め)立ってるし、声優さんもヘタじゃないし、こういうタイプのゲームとしては、驚くほど見事に平均点をクリアした、掘り出し物ソフトだったんです。ま、ただひとつの穴は、やっぱりCGだろうなあ、と。人それぞれ、好みもありましょうが、これはさすがにやたらと古いイメージがあるなあ、と。絵柄は、俺の知ってる人に例えると、しのざき嶺のエロ度を下げて目に星を散らした感じ、というか、上総志摩の泥臭さを抜いてつまんなくした感じ、というか。訳判らん例えになってもうた。ま、言ってみれば、ヘタだなあ、と。こんなにはっきり言い切っていいのかなあ。でもホントのことだし。
シナリオのランキングで言えば、さすがにベストテンには入れないと思うんだけど、もったいないんで、11位以下もこしらえて、そこに入れとくことにします。なぜそんなに評価するのは、はそっちで詳しく語ります。一言でいえば、ちゃんと勉強して書いてるなあ、これがプロの仕事やなあ、といったところでしょうか。あ、でも、共通部分を使いまわしすぎてて、ちょっとおかしいな、ってのはあったぞ。やっぱ、ヤッた後、何事もなく顔突き合せられるのはおかしいでしょう。そこはちょっと考えてくれないと。もっと分岐しっぱなしでもいいと思う。
音楽も、エロゲーとしては十分及第点以上です。アイボリーならではのヘタウマ系女性ボーカルが主題歌唄ってるし。エンディングにもボーカルが欲しかったかなあ。
それとシステム的には、エンディングのスタッフロールが強制なのがイヤでした。クリックでスキップさせてくれよお。何回見させれば気が済むんだよお。あとは、ちと判りづらい操作方法だったかな。ごく単純に、右クリックでシステム、の方がよかったなあ。
おっと、忘れちゃいけない。もうひとつ。ショタはキライだってば。あれはちょっとキてるよ。