フロレアール〜すきすきだいすき〜
種別 音声 アニメ メーカー・ブランド 発売日
NVL あり なし 13cm 1999.7.23

【いっせいの評価】

シナリオ システム 音楽 CGレベル エロ度
9 9 9 8 8
ハマり度 期待度 鬼畜度 男意気 特別加点
9 9 8 8 8
総合点 俺のキャラ
85 そりゃやっぱりメルン。

【コメント】 俺が13cmに目覚めたのは、かの異色作「好き好き大好き!」でした。このページで公開しているレビューやら何やらを今ひっくり返してみても、この「好き好き大好き!」に関して、俺はほぼ悪口しか書いてません。それほど、気色悪かった。気色悪くて、二度とプレイしたくないとまで思ったのに、ひとつめのエンディングにようやく到達した後、すぐに2回目のプレイに入っている。大抵のエロゲーの文章なんて、1回読んだくらいじゃ覚えるどころかその雰囲気さえ掴みきれないようなものが多い中で、あのゲームの文章はいくらスキップさせても脳裏にあの独特の「ねっとり感」が這いずり回って離れない。キライなのに、切り捨てられない。もう1回、あと1回、と細胞が求める。それは不思議な感覚でした。
 その怪作の、続編。そういうキャッチで見かけたのが、この「フロレアール」のファースト・インプレッションだったと記憶してます。だから期待度はめちゃ高い。外したらもう13cmは切る、くらいの思い込み。シナリオライターが違ったら暴れるぞ、と思ってたら、メーカーさんのサイトのBBSでメーカーの方自ら「ライターは違う人間です」とやってくれちゃった。不安はいや増すばかり。どこぞのヤクザなメーカーと違って、一度発表した発売日は守る良心的なメーカーなんで、発売日のアナウンスと同時に万難廃してプレイする環境を作り始めました。俺も中古大好きな、メーカーさんから見れば外れモノの外道ゲーマーなんで、新品をほぼ発売日に購入してすぐプレイ、なんてのは、めったにやりません。できません。主に時間的制約のせいで。あとは金銭的制約のせいで。でも13pのゲームは別。
 カウントダウンにも入りそうなんで、シナリオについてはここでは触れませんけど、このシナリオにこそ、今回の13pの男意気が込められていたことだけは書いとかなきゃいけませんね。このシナリオによって、この「フロレアール」は凡百の「メイドさんと一緒に日々を過ごすゲーム」からは一線を画したのです。
 で、もうひとつ目についたのが、ゲームとしてのバランス。プレイする場合のゲームバランスじゃなくて、製作に当たって、どこにどの程度金と時間を費やしたか、という部分。原画・シナリオ・音楽・音声・システム、どれをとっても、かなり高いレベルまで到達しているように思えました。ゲーム性、という部分では、残念ながら、ほとんどゲーム性はないんでマイナスですけど、それはこの際どうでもいいのかも。エロもあり萌えもあり鬼畜もあり、というゲームは、実は最近は少ないんだよね。どこかに偏っちゃうから。女の子が独りっきりだから、好みによってゲーム自体の評価が変わってしまうのはやむを得ないところだけど、俺、個人的にはロリ系苦手なのに、このメルンはOKでした。贔屓目、ってのもあるとは思うけど。声の演技もまずまず。CG数が少ないのは残念。ここをメインに考える購買層は結構多いはずだから、売り上げを考えると、ちょっとイタいかも。
 音楽には驚きました。もろに折戸さんテイスト全開ですけど、テキストとはよく合ってたし、これはいいんじゃないでしょうか。そういえば前作「好き好き大好き!」の音楽も特殊だったし、このタイプのゲームにはそれなりのレベルの音楽が必要だと実感します。
 最後に、システムの不備について。不備、というか、ノベルという形態のゲームでは必須だと思うのが、テキストの再確認機能。今ちょっと読み損ねた、魔が差してスキップしちゃったけど初めて出てきたテキストだった、読み返したい、という欲求に答えるヤツですね。これがない。これは致命的です。俺はこのせいで、何度もえらく前のセーブポイントまで戻らざるを得なかった。全く。
 さて、何位にランクインさせようか。(99.8.3)