神岸あかり
言わずと知れたヒロイン格、主人公の幼馴染み。
その性格設定といい見てくれといい、よくもまあここまで
特徴らしい特徴のない女の子を作り出したものだと感心します。
でもそれは別に不快じゃないんだよね。俺の好みの問題?
料理がうまくて気が利く、これだけでカンペキだよね。
ほぼ毎日一緒に学校に通ってる、2年になってからはクラスもおんなじ、何よりヒロイン、ということで、シナリオとしてもいちばん分量の多いキャラ。もちろん、スタッフの思い入れもハンパじゃないようで、質より量、ということはまずなかったです。基本的にはPC版のシナリオの流れを踏襲してたけど、細かい言葉の使い方の修正なんかにはライターたちのこだわりを感じました。もしかしたら、高橋龍也さんじゃなく青紫さん(PS版のスタッフロールじゃ表記が違いましたけど同一人物ですよね多分)がメインで書いてたんじゃないかなあ。細かい部分へのこだわりは青紫さんのほうが強いように思いますから。いやただ単に、以前リーフのHPで見かけた青紫さんの「文章講座」を読んで、そんな気がしただけですけど。
PC版からPS版への大きな変更点は2つ。ひとつは言わずと知れたH抜きエンディングおよびそこに向かわせるまでの舞台設定、ですけど、もうひとつ、ちょっと気になった変更点があります。
あかりの基本的な性格設定。俺の読み込みが確かなら、あかり、性格変わった。
微妙な部分です。別に気にならない人もいるだろうし、俺なんかは気にはなったけど不快じゃないんでいいや、OK、と思いながらプレイしてました。どこの部分がどう、という目立った変更点がある訳じゃないんだけど、全般的に、ということはすべてにおいて、変えられてたように思えました。
じゃあどう変わったか。俺が思うに、あかりは毅(つよ)くなった、のではないでしょうか。ここはもうひとつの変更点とも絡み合ってくるんでしょうけど、PC版のときには「流されてHしようとして男が勃たなくて云々」というくだりがあるとおり、あかりは男の思うがままに流されてしまってもいいキャラだった訳です。このときプレイヤーの男(普通こういうゲームをプレイするのは男だよねえ)としては、想像もしくは苦い記憶として「Hしようとして勃たない」というシチュエーションを経験させられる訳ですから、そこに存在するキャラは極力、自分を傷つけない、言い換えれば自分に都合のいいキャラであってほしい。そこでひたすら昔の良妻賢母タイプの女の子を配置した訳です。普通の男なら、ここでころっとこのキャラに萌えてしまう。俺もそうですけど、そういうからくりがあるのを知ってても、やっぱりPC版では俺キャラがあかりになるんです。勃たなくて苛立って当たり散らして、それでもついてきてくれる女の子。そんなんいる訳ないじゃん。でもここにはいる。萌える。当たり前ですよね。で、Hする。初めてなのに、奉仕精神旺盛、主人公びっくり。こんな女がいたらもてるよお。今の世にはいないけど(断言)。
PS版のあかりが毅くなったのは、じゃあどうして? 簡単です。Hしないから、少々主人公にプレッシャーかけてもいいんです。いきなり帰っちゃって、何かと思ったらわざわざシャワー浴びてきて、「だってするんでしょ」くらいのことを平気で言っちゃう、そういうキャラにあかりがなってしまった瞬間、性格設定は変わったんです。思えばそれまでも、「なんちゃってー」ポーズはするわ、「いやだよおまいさん」ポーズはするわ、なんか違う人みたいだったあかりは、ここで、私はPC版のあかりじゃないわ、ってな宣言をしてるも同然なんです。そういえば声も、合う合わないではなくて、何かあの話し方はちびまるこみたいでちっとやだなあ、なんて俺も思いました。
あちこちのBBSで、例えば普段は汁ゲの話しか出てこないようなBBSでさえ、当たり前のように、この「PS版To Heart」の話が出てました。特に、あかり萌えの人々が、「僕はあのいやだよおまいさんポーズが出た時点で電源落とした」とか、「あの声は俺は認めない」とか、滑稽なほど真剣に語っているのを見かけました。もちろん、それは滑稽なほど真剣、ではあっても、滑稽ではありません。シナリオにのめり込むのも、エロにハマるのも、キャラに萌えるのも、どれもが正しいエロゲーの楽しみ方で、それを真剣にできるのは喜ぶべきでこそあれ、嗤(わら)うべきでは決してありません。
まあそういう難しい話はさておいて、うーん、やっぱりPC版のままのあかりでいて欲しかったなあ。
おかげで、俺キャラが変わっちゃったぢゃないか。