
第7位
果てしなく青い、この空の下で・・・。
TOPCAT
昭和40年代の片田舎を舞台に繰り広げられる、
古い言い伝えの本当の姿とそれを背負わされた少女たち。
主人公は彼女たちを助け、救ってあげられるのか。
一点の曇りもない、ただひたすら青い空の下で・・・。
こういうHPを作り、こういうコーナーを作るようになってから、正直なところ、それまでとはエロゲーのやり方自体が変わった気がする。それはまあ、どんなに個人的でどんなに自分勝手な評価ではあっても、営利企業が金かけてこしらえたものをぶった切る訳だからさ、ある種の責任は必ず発生するんだし、やむを得ないと思ってる。ただ気の毒なのは、そんなふうに「スレてなかった」頃にやった作品群に比べて、サイト始めてからやったエロゲーについての方が、どうしても評価が厳しくなってしまう。言い訳っぽくなるし実際言い訳なんだけど、オールタイムベスト10にせよこういうジャンル区切ったベスト10にせよ、純だった頃に経験したものってさ、どうしても過大評価しちゃうんだよ。だからここを見た時、「えええぇぇぇぇっっ!? あのゲームがこのゲームの上ぇっ?」って感想は、当然といえば当然。でもここは俺のサイトで、カウントダウンも俺の評価によるものだから、まあそういうことは言わない約束に、ね。
あー長い言い訳だ。どうしてこんな言い訳をするのか、判る人には判ると思う。
つまり、俺はこのゲームを、本当はもっと高く評価したい、ってことです。
BBSではさんざん文句を言ったけど、このゲーム、終わってからじわじわと効いてくるんですわ。「SSは(大キライだから)評価の対象外」とかほざいておきながら、やっぱり気になって、エキスパートクリアを目指してみたり。ファンサイトに置いてある、シナリオライター自ら書き下ろした(らしい)SSを一生懸命読んでみたり。
典型的とはいえ、本当にこのシナリオでは、キャラ達が(特にヒロイン達が)「立って」いて、さらに生き生きとしていたんです。
俺のPCの壁紙なんざ、しっかり文乃ですよ。ファンサイトからダウンロードしてきたりしてさ。CD−DAの主題歌(エンディングテーマね)をMP3にして、ポータブルプレイヤーで出退勤の時に聴いてたり。こういうハマり方をするのって、結構久し振りなんだよね。最近特に、のめり込んで余韻に浸るっての、忘れてた気がするし。
そうすると、何でこの順位どまりなんだ、って声が出てきて当然で、俺の中からも出てきたんで、文頭の言い訳になる訳です。どうしてそうしたか。どこが悪いのか。どうすればよかったのか。
根拠は3つ。
ひとつは、伝奇モノってジャンルを最初にこのランキングに入れたのが「痕」で、このゲームもあの「痕」の系譜に間違いなく入るんで、先に作られた方を上に(つまりオリジナリティがこの作品よりは以前に製作された作品の方が上のはずという判断のもと)した、ということ。
ふたつめは藍シナリオの完成度の低さ。ハッピイエンドになった理由が判らない。他のシナリオには何かしらの理由がちゃんと設定されていて、そっちに行けた時にはすっきりしたんだけど、藍シナリオだけはよく判らない。俺の理解力が足りませんか? 一部ネタバレしちゃいますけど、憑いてた猫がいなくなるんなら、残された藍の性格を一瞬でも昔の藍に戻さなきゃヘンだよ。猫が自分を藍の中に残していったって記述も確かにあるんだけど、だから明るい藍のままでいるんだよってのはやっぱり納得がいかない。このままじゃ、支配されてた藍の立場がない。
みっつめは、エキスパートクリアで見られるおまけのSSの存在、あるいは5人分のハッピイエンドを見終えた後にいきなり始まる、どうやら「でえだらぼっち」(いわゆるダイダラボッチ)らしきものを使ったエピソードの意味のなさ。ハッピイエンドは話を壊すってのがこれほど歴然と見えるのも珍しい。加えて、それまでに見たエンディング、殊に直前に見たエンディングで、いなくなってたはずの女の子が、なぜかここにはいる。これも納得がいかない。まあこれをやらなければおまけシナリオがつけられなかったんだろうけど、それは本末転倒。ない方が良かった。
でもまあ、地の文の巧さ、誤字・誤変換の少なさ(俺が見つけたのは2〜3個程度で、最近の作品でこれは凄いレベルだと思います)、何より重要なのはエロのシチュエイションの巧みさは、ここ1〜2年ではピカ一だと思いますよ実際。縄で釣られた先生にクンニしてイかせるところなんか、ホントに勃ちましたよ俺は。5人中4人が、ロストバージンの体位に後背立位(立ちバックね)を選んじゃうあたりも、ライターさんのこだわりっつーか怨念が見え隠れしてて、大好きです。
次回作も多分買います。育成SLGだっていうけど、シナリオも多分しっかりしてるんだろうから。またひとり、次回作の気になるライターが増えちゃいました。(2001.2.3)
えー、レビューの方で触れてた、「職人芸だからこそ欠点になりうる部分」つーのを書くのを忘れてました。
元々のこのシナリオって、実は1本の小説だったんではないか。俺にはそう感じられました。ストーリイがほぼ1本道で、それを各ヒロインの立場立場で見た場合の話をたどるという構造になっている、のがそう感じた理由のひとつですが、もうひとつはね、ちょっと水増しした、みたいなテキストも目についたから。本当はなかったはずの濡れ場を、マルチエンディングのシナリオにしなきゃならないんで、ってことは各ヒロインとのHがなきゃ嘘だろってんで、あんまり重要ではないHを入れたりとか。それは、具体的には藍シナリオなんだよね。申し訳ないけど、あの藍シナリオは、本当に完成度が低かった。そこを何とか取り繕うために、例えばHシーンの表現も他から拝借してきたり、イベントも悠夏のを拝借したり。これは明日菜のシナリオについても言えることだね。
その行為自体を否定するつもりは毛頭ありません。ただ、他がよかったんで、比較すると粗が目立ってしまうのがつらかった。
もうひとつ。これぞ職人芸、でそれが欠点になってしまう部分、てのは、パーツの使い回しが非常に目立ったところ。小説ではなくあくまでもゲームシナリオである訳だから、これは仕方がないのかもしれないんだけど、でもそれを感じさせないゲームもあるんですよ実際。それは各キャラに対する思い入れがあまりにも強いもんだから、同じシチュエイションにならすことができなくて、結果としてそれぞれのキャラに合った表現を取り込んで文面こしらえて、だから共通部分がえらく少ない(つまりそれぞれが膨大な量の独立テキストになっちゃってる)シナリオ。「いちょうの舞う頃」(もちろん第1作ね)なんかが特にそうです。
どっちが優れてるか、ではなくて、どっちの姿勢を好ましく思うか。
完成度が高いんでここまで登ってきたけど、やっぱり、もっと愚直に作る部分があってもいいんじゃないかなあ。少なくとも俺としては、もっとそれぞれのキャラ専用のシナリオ部分が多くてもよかったと感じました。(2001.2.6)