
第18位
嬌烙の館
13cm
かの「音声合成システム」がなけりゃ、ゲームの雰囲気自体は
時代遅れの館モノ。でもそこで語ろうとしている奇妙な群像劇、
あるいは心理的虚構とでも言うべきものは、
これまでのエロゲーではあんまり見かけなかった類のものでした。
シナリオ、と一口に言っても、ストーリイとして優れている(つまりノベライズしてもまるで魅力を失わない、もっと言っちゃえばゲームである必然性がない)シナリオと、ゲームバランスとゲーム進行を司る手順としてのシナリオ、という、大きく二種類のシナリオが存在している、と常日頃考えてます。
で、この「嬌烙の館」のシナリオは、分類すれば間違いなく前者。ノベライズ、というか、台詞のみを(例えば片岡義男とか夢枕獏の一連の小説のように)時系列順にずらりと並べ、それを端から読ませるだけで、このゲームのシナリオは十分に楽しめます。いや、ゲームがつまらない,と言ってるんではないんだけど。それぞれにかかる比重、という観点からすれば、シナリオに費やされた時間、あるいは労力は、システムには払われてないのでは?
で、レビューんとこで触れた、「18禁である必然性」なんですけど、改めて考えると、最初のSEXさえもう少し自然であれば、もっと万民に(エロゲーマーの中で、という制約はあるけどね)受け入れられるゲームになったはず、との思いがあります。悔しい。あの、ケイとのやつね。それまで罵り合ってたところから一転して、慰め合うかのようなSEX、てのはちょっと唐突で強引かなあ、と。特にこのシナリオでのSEXの位置づけは、ゲームとしては(鍵を探す行為としては)ともかく、それ以外では最後のメイドロイドとのSEX以外、あんまり必然性がないもんで。
ま、フッサールだのベンヤミンだのの名前を並べられると、それだけで一歩引いちゃうのは、ガッコ時代にサボってた証拠スかねえ。適当な卒論でっち上げちゃってごめんなさいN教授。今更だけどね。
ところで、次の13cmは「フロレアール 〜好き好き大好き〜」。
楽しみだなあ。(1999/6/8)