● LPの想ひ出(01.10.30)

 こないだ繰り言でもつらつら書いたばっかりですけど、ホント、懐かしいですあの雑誌のことは。俺は白夜書房の「ホットミルク」とか「ブリッコ」とかその辺にはちと疎くて、同人誌関係にはもっと疎遠で、読んでたのはほぼレモンピープルだけでしたから、あの雑誌に関連している作家のことはある程度知ってましたし、逆にあの雑誌に掲載されてなかった作家はほとんど知りませんでした。「あの当時」と繰り返している時代はもちろん今からおよそ18年前、俺はその頃まだ学ラン着てガッコ通ってまして、今はやめてるタバコもまだ吸った経験すらなく、もちろん花のチェリィボォイでした(人並み以上にオクテだったもんでね)。
 当時から(もちろん今も)マジメでオクテで通っていた俺があの雑誌を手に取るのは、それはそれは大層危険な、まあ言ってみれば冒険行為だった訳だよ実際。初めてエロ本買ったときのこと、覚えてます? あのドキドキ感と掌の汗、それから本屋の親父の上目遣いの視線。今でもあんまし視線には強い方じゃないんだけどさ、あの頃は特に敏感で、だからこそ余計に、フツーじゃない(よねえロリのコミックだもん)エロ本を手にレジに向かう時には緊張しまくったもんです。
 閑話休題。(最近の話題転換ってこればっかだ俺。ちと芸がなさ過ぎる)
 繰り言でも書いたとおり、この漫画家はええわあ、って人はもちろんいたんだけど、そうじゃない、超新星のようにデビューする人とか、ホントに一発屋であっという間に消え去ってしまう人とか、さんざんいろんなのを読ませていただきました。繰り返しになっちゃうけど新田真子とかちみもりを、竜騎兵、狐乃間和歩には楽しませていただきました。新田真子の「RUSH」のスーダーラ・マニとテデスコの掛け合いったらなかったよなあ。野郎2人の会話の理想形ですわ。
 あんまし熱心には読んでなかったんだけど、破李拳竜とか「フリップフロップ」(作者名忘れた)とか全盛期の内山亜紀とか、デビューしたてのMEIMUとか、今考えるとかなり錚々たる面々が揃ってたのね。他に発表できる雑誌がなかったからかな? 炉ベクトルが強まってってスプラッタ傾向が顕著になっていって、御茶漬海苔が幅効かせ始めて、雑誌自体が停滞し始めて、で買わなくなったんだった。思い出したよ。
 同人誌には手を染めてなかったんで、巻中にある同人作家特集ページは当時唯一の情報源でした。今は売れないゲンガーになってしまった空本光王(そらもと・こお)氏なんかは、同人誌を買う勇気のない俺には高嶺の花だったんだよなあ。あの松田恵改め松田紘佳って、確か空本氏の一般誌用のペンネームって聞いたことあるんだけどホントだったのかなあ。カンケーないかもしれないけど松田紘佳の「命色の化石」ってコミックは今でも俺の宝物です。まあホントにスレ違いなのでsage。このコーナーで知った(当時)お気に入りの作家としては、HIROって人がいたなあ。なんかデフォルメの少ない絵柄でさ、本質的には炉でない俺にちょっといい感じでフィットした作家さん。コミック2冊くらいは出してたかな? それと忘れちゃいけない、若くして逝ってしまったかがみ☆あきら氏。ろりぷにの元祖みたいな人だったけど、現在の流行りのそれよりはだいぶ繊細な絵柄で、SFにも造詣が深くて、当時はかなりそういう雑誌では追悼特集を組んでたような。不思議と作品の記憶はまるでないんだけど。
 もうああいう気持ちで本を読むことはないんだろうなあ(遠い目)。
 

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