● たがみよしひさ作品@ 「軽井沢シンドローム」(99.2.22)

 あえてマイナーな作品から始めてみようとも思ったんだけど、やっぱりこいつははずせないかなあ、と。結局、自分の原点にもなっちゃってるような作品だし。

 どうなんだろ。今、この作品の話をして、ついてこられる人、あるいは知ってる人(T_T)、何人いるんだろう。
 そのくらい、昔の話になってしまった。そのくらい古い、というか、これの連載が始まった当時、俺小学生(涙)。そりゃ古いよ。
 スピリッツで連載してたんですよー。当時のスピリッツのウリは、これがなんと、「めぞん一刻」(T_T)。こんな話ばっかりでも、軽く1ページは行けそう。悲しいからやめるけど(涙)。

 思えば、たがみよしひさという漫画家は、この作品でカルト的な人気を得て、あちこちに顔を出すようになっていったんですねえ。これの前の連作短篇はやったらめったら暗くて、カルト人気も出ないくらい売れなかったらしい。それでも食えてたみたい。あれかな。兄貴に食わしてもらってたかな。実の兄貴も漫画家。こっちはもう少しメジャー(当時は)な作家だったから、もしかしたら知ってるむきもあるかも。小山田いく、覚えてます? 「すくらっぷ・ブック」だっけ、週間少年チャンピオンで連載してた。やたらと絵は下手なんだけど、なんか気になる話だったように記憶してます。もしかしたら今、東鳩をはじめとする萌え系の学園ものの原点になっている(要するに作り手の原風景、つうかトラウマになってる)作品のひとつかも。
 「軽井沢シンドローム」(以下「軽シン」)の何が新しかったか? これは簡単。ストーリーの中に、ごくごく当たり前に、自分の彼女、もしくは同棲相手とのエッチが組み込まれてる、ということ。まあ青年誌だから、って意見もあるけど、じゃあ「めぞん」は? 響子さん好きじゃあああ、もいいけど、具体的な話は一切進まなかったよねえ? 要するに「軽シン」は、やたらと濃い「生活臭」があったんです。
 憧れたよお。主人公が女ったらしなんだけど、それは別に全く不快じゃない。何より、時折織り込まれる、作者の趣味が(あの当時は)好きだった。半村良、堀辰雄、藤村・・・。全部、追っかけて読みました。軽井沢にも行ってみました。一度舞台に使われた、青森、十和田湖、竜飛崎。
 ハマってたんだなあ俺って(涙)。

 あれ? ちょっと待てよ。俺、確か最近、なんかでおんなじようなこと、書いたぞ。
 何だっけ。
 えーと。
 えーと。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだ。思い出した。
 「とらハ」のレビューだ。恋人エッチが多くて、それが新鮮で、という話。

 何だ、俺って全然進歩してないんじゃん(涙)。
 まあいいや。自分が「とらハ」好きになった理由の一端が、こんなふうに判明したんだから。
 うう(涙)。

Topへ戻る