● 軽井沢という場所(99.9.15)

 最初に軽井沢に出向いたのは、確か大学2年くらいのことだったと思います。なんつーたっけな、夏季集中授業の体育があって、要するに一週間だけ我慢すれば体育の単位がもらえるっておいしい授業で、その合宿先が軽井沢のひと駅だかふた駅先にあったんスよ。
 なぜかその当時はまだ免許持ってなくて、電車で行きました。まだ新幹線も通ってなくて、しかも金がないから出来る限り急行までで済ませようと思ってて、何しろ時間がかかったって印象が残っております。こないだ行ったときには、長野新幹線で上野からなんと63分! 通勤圏だよね、これって。これで往復10,000円なら安いもんだ。今の経済状況なら。
 で、なんだって軽井沢に行ったのかってえと、それが前述の合宿授業とつながるんですわ。7泊8日、彼女が一緒って訳でもなし、19歳の若い盛り、周りは(一応女はいたけど)むっさい環境。
 要はね、たまるのよ。たまりまくり。共同生活の真っ最中にヌく訳にもいかんでしょ。だもんで、初日には「うっわあブスばっか」と思った女性陣に対しても、5日目くらいには「あのコのケツはいいよねー」「ほらほらあいつ、胸揺れてるよー」なんて会話が当たり前になったもんです。でもまあ、そういうコ達に声かけるほどには追い詰められてない。若いくせに、みんな後のことを考えてたんですねえ。立派立派。
 たまたま、なんだろうけど、そういう地獄のような日程が終わって、その後、みんな東京に帰りたがってました。俺は別に予定もなかった。他の奴らは結構、サークルとかで忙しくしてたみたい。後は彼女のいるヤツが、一刻も早くヌキたい、つー理由で急いでたのもあったし。
 俺は現地調達を考えました。で、前にこのコーナーでも取り上げた「軽井沢シンドローム」でも見てた、軽井沢って場所に幻想を抱いた訳です。あの「ら・くか」(作品中の舞台になる喫茶店です)行けば、一人旅の女の子がいて、結構簡単に落とせる。そしたらあーしてこーして……。
 いやあ、若かったんだねえ(涙)。
 もちろん、この「ら・くか」は実在しません。でも、モデルになった店はありまして、その「古月堂」という喫茶店には行きました。腹へって、ツナピラフかなんか頼んだ覚えがあります。コーヒーは美味かった。カウンターで煙草をふかしてたら、ホントに一人旅の女の子が入ってきました。レベル的にもまあまあ(に見えたけど、あの状況だからほんとのところは判らんね)。おっし行くぜ、えーと第一声はどうすっかな、「こんにちは」。女の子こっち見る。ブスじゃあないや。「おひとりですか?」こくん。よし行ったる、えー、「……」「……」「……」「……」。
 思ったとおりになるんなら、エロゲーなんかやらないって(涙)。
 当たり前ですけど、落とせませんでした。今よりもっと硬い時代です。トシばれるけど、10年は前です。ナンパなんて言葉も、ようやく使われ始めたばっかりでした。何より、俺のルックスがダメでした。で、今より、俺自身が口下手でした。だからね、若かったのよ、ホント、いろいろなイミで。
 ま、軽井沢というとそういう場所って記憶は残ったけど、他にもいろいろいい部分があるんで、だからこそいまだに好きで、年に1回は顔出すようにしてるんです。今年はその初体験のとき以来の電車だったけど、その前はずっと、車で行きました。上信越道が出来るまでは、一生懸命碓氷峠を攻めて、旧道を爆走して。マニュアル車じゃないと怖い道ですけどね。
 古月堂には、行くたんびに顔出してます。2回目以降は独りじゃなかったんで、ナンパ目的ではなしに、美味いメシと美味いコーヒーを頂きに。ハンバーグが絶品なんだよね。
 後は雲場池(おみずばた、と呼んでます)かなあ。気持ちイイ場所。

 エロゲーばっかやってる訳じゃなくて、結構こうやって、外向きにも楽しんでるんです。ね?(99.9.15)

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