飼
<こんなゲーム>
薬品会社の御曹司であられます主人公は、ある日父親から「ちちうし」養成牧場である研究所の所長職を仰せつかる。「ちちうし」とはつまるところ奴隷なのだが、どんなことをされてもそれを自分の中で快楽に変換できてしまうあたりが評価されてか、何故か社会的評価はそれほど低くない。ま、表には出てこないんだけど。
主人公はこの研究所で、2人の部下を使って「ちちうし」を育成する。1人の女性につき、調教期間は2週間。調教方法は、ただ単に、薬を与えること。少なくとも主人公に許されたアクションはそれだけ。どの薬をどれだけ与えるか、と言う判断だけはさせてくれるが、薬を与えた後はオートで進んでしまうので、実質、パラメータを直接いじるだけのシステムと言えよう。
攻略(調教)できるキャラは総勢16人にも及ぶが、どれもほとんど救いのない顛末を迎えるもんで、俺的にはコンプまでやり遂げる気力を持てなかった。パケ裏の説明を読むと、どうやら主人公の行動の理由やら何やらがトゥルーエンドとして用意されているようなんだけど、見てません。ごめんなさい。<こんなところが13p>
調教、というと普通は、山奥の山荘で主人公が鞭やら蝋燭やらを片手に「さあ今日はたっぷり苛めてあげようねうふふふふふ」、ってなイメージですわな。もちろん、そのための部屋が用意されてて、そこで実際にやる。助手なんてのは邪魔なだけなんで要らないんだけど、たまーに女の子が助手でついてくれるようなのもあって、その子に対象の子を苛めさせるなんてのもメニューであったりするとこれがまたおもしろい。
なのに。なのにこのゲーム、そういうおいしいところをすべて、削っちゃってる。
ゲーム全体に流れているテイストは、ほぼ全部が「鬼畜」です。それも救いのない鬼畜。一応このゲームのウリとして、たくさんの女の子を調教できる、いろいろな人生に触れることができる、ってのがあるみたいなんで、ハッピイありアンハッピイあり、つーのを期待して始めてみればこりゃびっくり、ほぼすべてにおいてアンハッピイ。それどころか、「絶対的に必要なこと」と称して、世間から逃れ「ちちうし」を目指さざるを得なくなった彼女たちのいちばんのトラウマを会話から探し出し、そのトラウマに真正面から向き合わせる、あまつさえそれ以上の体験を強要する、という、不快でしかないようなことまでやらなきゃなりません。
13pの暗部、もしくは「歪んだ部分」が、はっきりと顕在化してしまった作品、と言えましょう。
今このゲームを新たに購入して(俺も買ったのはつい最近ですが)攻略しようとして失敗、うーん仕方ない「ゲーム攻略への道」にでも頼ろうか、と探してみると、――あらあらびっくり、13pHP以外に攻略がありません。まあSLGというゲームの性質故でもあるんですが、この攻略もそれほど詳細にわたっている訳ではないんで、見てすぐに攻略できる訳ではありません。じゃあさぞや売れなかったんだろうなあなどと誤解しちゃあいけない。どこの雑誌で見かけたのかは忘れちゃいましたけど、この「飼」、発売した半期(6ヶ月)のベスト5に食い込んでたりするんです。13pでいちばん売れた作品なのでは?<俺的評価>
こう読んでくれば、判りますよねえ。俺、このゲームだけはダメだわ。評価できない。キライ。
何も、絶対ハッピイエンドじゃなきゃイヤ、と言ってる訳じゃあありません。エンディングにはそれなりに必然性を持たせて欲しいんですよね。どうしてもこうならざるを得なかった、というヤツ。まあこのゲームの中でも、ハナっからこいつはもうハッピイにはなりそうにないやってキャラも出てきましたけど、そのキャラに対する主人公(つーか助手)の調教行為に愛がない。ここは致命的です。ただ苛めるだけのゲームなんざやりたくないよ。苛めた結果のパラメータアップは、嬉しくも何ともない。愛故に苛める、これですぜ。男が女に対して持ってしまうロマン(ご都合主義、とも言いますね)が設定やストーリイに盛り込まれるのはしょうがないとして、こういう愛のない調教SLGが、18禁PCゲームに対する世間の目を余計に厳しくしているんですよ。
ま、凡百の調教SLGとそこが違う、という考え方もできるんですが。
全く、13pってヤツぁ……。(99.8.14)