籾(もみ)仏さま


 本念寺の籾仏さまは、小さな籾の内に阿弥陀様が刻まれています。昔から農業の護り仏として崇められ、近郷の方々が籾種を持ってお参りに来られていました。
 籾仏さまは、立ち姿の阿弥陀様ですので真宗のご本尊ですが、いつ頃本念寺にお出ましになったのかは、記したものがありませんのでわかりません。古老の話によりますと、現本堂が建立された時には(江戸後期〜明治初期)には既に本念寺にまつられていたようです。
 伝承では、東の谷の水田に、右にあります石を台座にして光り輝いておられたとのことです。当時の住職が大変徳のあられた方で、風呂を焚くにも、まず焚き口のの蚊を手で追いやってから火をつけられるような方であったので目に留まったのであろうともお聞きしています。
 小さい頃より「お米一粒一粒の中には仏さまがおられるので大切にしなさい」ということを聞かれた方も多いと思います。私の口に入れるものは、動物であれ植物であれ尊いいのちであります。日本人が大切にしてきたお米は、いのちの象徴ではないでしょうか。お内仏のお供えは一番に餅というのもそういう意味があるのでしょうか。アミダの一つの意味は、無量寿(永遠のいのち)です。
 今、籾の中にあわします阿弥陀如来に手をあわすとき、私のいのちは無量のいのちのから預かったいのちであることを知らされます。そして、毎回の食事そして私自身のいのちを本当に大切にしているかという問いかけが聞こえてくるように思います。




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