シナリオ鑑定レビュー 〜ウィザードリィ・シナリオ5〜

[災禍の中心]

Heart of the Maelstrom

FC世代のドギモを抜いた美しいグラフィックに絶叫(謎) リルガミン時代の1つの終焉作 物 語 深くリルガミンの地下深くには、 世界の調和を司る四大精霊の守護、三軸の門が存在していた。 門の守護者『ゲートキーパー』はそこに在る『結び目』を 『リルガミンの宝珠』によって制御していた。 リルガミンにて密かにその活動を続けていた宗教団体『ブラザーフット教団』。 彼等はその秘密に誰よりも近い立場にいた。 ここで事件発生。 ブラザーフット教団の高僧『ソーン』がゲートキーパーを拉致し、 結び目に監禁してしまったのだ! 果たして冒険者達は最強の魔術師ソーンを倒し、 ゲートキーパーを救い出す事ができるのであろうか!? 攻 略 ダンジョンが『真四角フロア構造』ではなくなったので、 おいそれと『マロール』を使う事が出来ない。 地下8階のダンジョン。ボーナスダンジョン(?)は何と一気に777階。 割と謎ときが多くなっているうえにダンジョンが複雑きわまりなく、 気長にプレイする覚悟が必要。 『水泳』スキルなんぞも収得しなければならず、水死する冒険者も出てくる事だろう。 また、盗賊の盗み技能も問われるイベントがあるので盗賊は必須メンバーだ。 地下5階には『マンフレッテイ』なる人物が創建したお遊び館がででんと構えている。 これがタチの悪いジョーダンにしか思えないイベントハウスで、 マトモに遊びに入り浸ると全滅する可能性大である。 特に『プレイハウス・ミステリーシアター』の凶悪さは ウィズ史上トップクラスのイベント。 地下777階の『地獄』では炎の罠がそこら中に仕掛けられており、 何の考え無しに歩き回ると、次々に冒険者が焼かれる。 隠し扉の向こうでは、ウィザードリィの神々に遭遇する。 登場する悪魔の種類も多くなっており、 それなりのレベルにしておかないと酷いメに遭う。 備 考 この作品を最後にオリジナルシナリオはリルガミンから離れる事になる。 また、ウィザードリィの親であるロバート.ウッドヘッドは このシナリオには殆ど関わっていないようだ。 (実際はディビッド・ブラッドレーのアイディアによる物だという) 『ワ−ドナの逆襲』を別に考えると、このシナリオがリルガミン時代の1つの節目になる。 ダンジョンの多様化、イベントの複雑化など大きな変化があったシナリオだったが これからドラスティックに変容するウィザードリィの歴史を考えると、 このシナリオがある意味でウィザードリィの究極の進化を遂げた姿かもしれない。 とにもかくにもウィザードリィ5がSFCで発売された当時、 ハードの能力をフルに活用したプログラムとグラフィックは私のゲーム遊び心を鷲掴みにした。 現在は性能が数段上のハードでも発売されているウィザードリィだが、 もともとシンプルさが売りのゲームだった故か、 そのハードの能力を持て余しているように思える。 中でも、ウィザードリィ5はSFCにおいて既に最高の魅力を発揮している、と私は思っている。 他のシナリオの鑑定をする ウィザードリィのトップへ