シナリオ鑑定レビュー
〜ウィザードリィ・シナリオ1〜
[狂王の訓練場]
Proving Grounds Of The Mad Overload
ゲームバランスとウルトラシンプルシナリオが人気の秘密
ウィザードリィ史上最高の傑作!
物 語
狂王トレボーが大事にしていた魔よけ。
ある朝気がつくと、それは盗まれていた。
そして卓上にはかつての戦友、
魔術師ワードナの手紙が残されていた。
『これほど簡単に魔除を手に入れられるとは思わなんだ。
もうろくしたもんじゃのう。
おぬしも取り返そうなぞと大それた事などを考えずに、
茶でも飲んでおれ。それが身の為じゃ。
間抜けなトレボーへ/偉大なる魔法使いワードナ』
怒り狂ったトレボーは国中に魔除奪回の戦士招集のおふれを出し、
見事魔除を持ち帰ったものに賞金と名誉ある称号を与えると
約束したのだった。
攻 略
ダンジョンは10フロアから成り立つ。
しかし実際歩き回るのは1Fと5F(殆ど素通り)と9F10F。
階ごとの移動はエレベーター。
クリアするのに必要なアイテムは5Fで頂けるブルーリボンのみ。
加えて最下層での戦闘に打ち勝つための強力な武器、装備品。
これはひたすらモンスターを虐殺し、宝箱を開け捲るしかない。
パソコン版がどんな物かは知らないが、
少なくともこのファミコン版は攻略本とリセット戦術を(笑)
有効に活用すればけっこう簡単にクリア出来てしまう
極めてやさしいゲームだ。
勿論、3Dダンジョンを主食とするユーザーなら尚更楽しめる。
3Dアレルギーのユーザーはちょっと染入りにくいかもしれない。
備 考
アップルでこの世に初めて送りだされた、記念すべき最初の作品のFC版。
世の中の濃いウィズファンの人々の殆どが#1をシナリオ中最高傑作と叫ぶ。
さてFC版の難易度はやってみればどーってことないのだがなんせ、
類を見ない迄に徹底したシンプルなビジュアル、シンプルなシナリオ。
とっつきにくい。
トーゼン一般ウケしなかった。
さてそのウルトラシンプルシナリオだが、
何を隠そうこの素っ気無さが最高傑作と詠われる理由のひとつなのである。
普通はヒーローは悪い魔王を倒してヒロインを助けて、などいろいろドラマがある。
一般的にユーザーはこのようなイベントで主人公に感情移入して楽しむが、
ウィズにそんなものは皆無なのである。
だからこそそこに独自の世界を構築し、激しく感情移入してしまうのだ。
よくも悪くも真性ウィズマニアにはおそらく256色使っていようが
アニメに何十セル使っていようがそんなゲームには
ロマンも情緒もエロチズムも感じ得ないだろう。
ハッキリ言ってここ迄くるとビョーキだろうが、私はその類いだ。
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