夢
昔見た夢の絵だ。
私が老人に手を引っ張られて鳥居をくぐっていく夢。
私は1人で電車に揺られて田舎の駅に辿り着いた。
他の客が出迎えに歓迎される中、
この老人が私に向かって「おいで、おいで」と手を振ったのだ。
私は安心して老人の後についていった。
その時気がついたかどうか判らないが、
それは私が生まれる前亡くなった祖父だった。
真っ青な雲1つない空に鮮烈に映える鳥居の朱が今でもよく覚えている。
あぜ道の鳥居は何個も何個も続いていて、
どうやらそれは山の中の神社に続いているらしかった。
顔を上げて祖父の顔をしっかり見ようとしたが
なんせこの天気、逆光で影になって見えなかった。
でも、笑っていたような気がする。
もう十数年前の夢なのでこの後の事は良く覚えていない。
後で祖父の話を聞くと私が生まれるのを楽しみにしていたらしい。
また、神社にゆかりのある人物だったか聞いてみたが、
お寺に相当の寄付をしていたということだが神社の方は何も聞かなかった。
今考えると亡くなった人に「おいでおいで」されるのは
実は相当恐い事だったんじゃなかろ〜か??
でも当時の私は「おじいちゃんが夢の中に会いに来てくれたんだ」
などと思っていた訳で全然恐怖感はなかったわけでございます、はい。
とにもかくにも、この夢だけは忘れられない不思議な夢なのだ。
不思議な記録書に戻る