『闇の声』









 さて皆さん。
 「タイトルと中身、違うじゃん」という経験、誰にでもあると思うんですけども。

 「厳選! お得情報」をクリックしたらいきなりエロ画像とか。

 お前はトロイの木馬かと思いますよね。

 かつてある缶コーヒーのメーカーから、「ブルーアンドマウンテンズ」というコーヒーが出ていました。

 雪を冠した山々の写真と、その下の方にすごい小さな注釈がありまして。

 こんな注釈です。







※この製品に、ブルーマウンテンは入っておりません








…サギやん。



いや君、ダチョウだし。





 こんばんは。
 それでもやっぱりクリックしちゃう豪腕はりーです。

 今回ご紹介するのは、『闇の声』という2001年の作品です。

 このシリーズだけでなんと9本も発売されていて、来年早々にはまた1本リリースされる予定だそうで。

 発売元の「BLACK CYC」という会社のアキレス腱みたいなゲームです。

 最初にタイトルを見た時、「ああ、これはホラーだな」と思いました。

 違います。

 どれくらい違うかと言うと、イエティーとレモンティーくらい違います。

 確かに設定はホラーチックなんです。

 孤島の巨大な屋敷とか。
 遭難して助けを求めるキャラたち。

 とても人には見えない女主人とか。

 どの角度から見ても、できそこないのモリガンみたいな派手キャラです。

 でも普通に名前が日本人です。

 人類学が脅威に晒されています。

 さらには、巨大な屋敷にデフォルト装備のあの存在。

 メイドさんが出てきます。

 この時点で日本では有り得ません。
 というか、地球上のどの地点からも離れている事が分かります。

 それでは、ストーリーを見てみましょう。

 余暇を利用し、ヨットで遊覧を楽しむ6人の男女。
 それをじっと見つめる視線がある事も知らずに…。

 突如、一天にわかに掻き曇り、大破したヨットはある孤島に流れ着く。
 6人の男女と1人の密航者の運命やいかに。

 そこは淫靡なる魔性の…と、ここから先は書かなくても分かりますね。

 要するに、そういう話です。

 とりあえず主演はブルック・シールズではないので、この島にはちゃんと人が住んでます。

 いや、訂正です。
 ちゃんとした人、では全然なかったです。

 それが上記の女主人とメイドさん。

 まんま「BASTARD!!」ですね。













 いやもう、すごい乳です。

 一気に飲み干すのは無理です。

 正面きって突入するマシンガンおっぱい。

 人類学が脅威に晒されています。

 姉キャラには様々なバリエーションがありますが、忘れてはならないのがバケモノ属性です。
 この女主人は、それを見事に補完しています。

 そして、女主人にかしずくメイドさん。
 なぜか名前が「K」というんですけど、いずれその謎が明らかにされるのです。

 また、遭難者側も素晴らしいラインナップですよ。

 まずは引率の先生。

 もちろん女教師です。



 おんなきょうしです。



 最初はお堅い存在なのですが、あっという間に堕落します。

 最近の洗剤のように水に溶けやすい淫乱教師。

 これを正義と言わずとして何が正義でしょうか。

 実に正しいエロゲーです。







いつもこんなんでスミマセン…。





 他の面子も、こんな感じでバラエティに富んでいます。

 まずは元気娘。
 サドになったり猫になったりします。

 猫耳娘は別に珍しくも何ともないのですが、この話ではマジに猫化が激しいです。

 手掴みでメシを食うようになります。

 そして 巨乳眼鏡っ娘。
 美しさに目覚めて眼鏡を捨てたり眼鏡のままオナニー中毒になったりします。

 さらにはボイス有りの美少年来ました。
 女装フェチになったりちんこ食われて本当に女になったりします。

 男のくせにボイスあるのは珍しいと思ってましたが、まさか本当に女になっちゃうとは。
 一筋縄では行かないゲームです。

 そして筋肉バカ出ました。
 エロシーンの補完のためだけの存在です。

 続いて男性教師。
 うちのサイトにおいては、男の先生などファイアウォールで弾かれる存在なんですが、こいつはなんと真性のマゾに目覚めます。

 金八さんは泣いているかも知れませんが、ともかく攻略しないとベストエンドに到達できません。

 最後に、密航者の娘です。
 実は背景があるのは実質こいつだけです。

 ベストなエンディングまで行けば、こいつの目的が分かります。
 ぶっちゃけ途中でバレバレですけどね。

 プレイヤーは、この屋敷に存在する超自然的な存在です。
 『闇の声』というタイトルは、プレイヤー自身を差すのですね。

 そして、女主人やメイドさんを操って、この遭難者を淫靡な屋敷の虜にする…というのが、この作品の骨子です。

 面白い所は、キャラを虜にすると、以後そのキャラも協力してせっせと虜を増やしてくれる所でしょうか。

 後半になればなるほど虜となったキャラが増えるので、もうメチャメチャな展開が待っています。

 まず、誰が誰を落とすのか、という選択場面がありまして。

 キャラのカードをクリックして重ねるのです。

 これが意外に楽しいんですね。

 まるでゲーム感覚です。








いやゲームだし!





ゴメンよぉ〜





 いや実際、組み合わせが多くて楽しいんですよ。
 よくできたシステムだと思います。

 CGが無茶くちゃ多いのも合格です。
 このボリュームにしては、えらい気合いが入っています。

 指先や爪に関するこだわりも、CGに現れていますよ。

 「手」のCGだけで、実に10枚以上も使っています。

 絵のタッチは、全体的に耽美チックな感じですね。
 立ち絵と整合性がないのは、この際無視しましょう。

 普通、こういうタッチの絵だと、女性が中性的になって今イチ艶っぽさに欠けるキライがあるものですけど。
 ご心配なく。

 ボリュームたっぷりのA定食です。

 こうして次の連絡船が来るまでの1ヶ月間、どれだけキャラを落とせるかのゲームです。

 全員落とせばベストエンディングが待っています。

 密航者の少女の、本当の目的が明らかにされます。

 メイドさんの名前がなぜ「K」なのか。

 それを知るためのゲーム、ですね。




 という事で。
 プレイされると分かると思うんですけど、これ全然ホラーじゃありません。

 要は「抜きゲー」です。

 中盤以降はヤッてないシーンの方が少ないです。

 いきおい、ややシナリオが薄っぺらくなるのは仕方がないのかもしれません。
 もう少し後日談とか、各キャラのバックボーンとかが出ていれば、きっとかなりの傑作になっていたと思います。

 文章についてもやや難あり、と見ます。
 ほとんど会話だけで進むという、まるでどこかのフリーゲームみたいな展開なのですが(すみません)、もうちょっと説明的な部分を減らして自然に見せる工夫が欲しかったと思います。

 偉そうな事言ってごめんなさい。

 特に言いたいのは、キャラが堕落して行く過程があまり見えてこないという点ですかね。
 これ、正直システムと相反する面もありますので、難しい所だとは思うのですが。

 されど。
 イベントだけで100個以上。

 このボリュームで、よくぞここまで突っ込んだという作品です。

 選択肢なんて存在しませんが、それでもゲーム性が高い、という稀有な作品です。

 絵描きにおんぶに抱っこのゲームは見習っていただきたい。

 やり込み要素も高く、非常に良くできたゲームです。
 珍しくお勧めです。

 ぜひ、あなたも一緒に堕落しましょう。




 …と、ここまで書いて思ったのですが。

 このゲーム、落ちてませんね。

 事実、プレイヤーである『闇の声』の正体。

 一体何なのよ。

 そして、強力な姉キャラである女主人の正体。

 全然分かりません。

 あのですね。

 ちょっと待ってくださいよ。

 これじゃ困ります。

 このままじゃ単なる変態ですよ?

 そう思ってフルコンプ。

 ベストエンドを見ましたが…。




 全然分からない。





 分からない。



なぁ〜、



ぜぇ〜、




だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!





 ・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




 はぁ、はぁ、はぁ…。

 すみませんでした。

 秋葉原行って続編買ってきます。











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