依頼記事その1
〜声優さんと「例の事件」より〜
…という事件について、わたくし豪腕に記事の執筆依頼が届きました。 最初にその依頼をお聞きした時、私はとても不思議に思ったんですよ。 正直に書きますけどね。 そういう印象だったわけなのです。 さらに正直に書きますよ。 その後、テレビやネットニュースにて報道の内容を確認しましたが、それでもピンと来ないんですよ。 だってアレでしょ? 金持ちの親父が若い娘と淫行なんて、新宿でひと晩飲んでりゃ両手の指からこぼれる位に拾えるわけですよ。 この事件は、それほど甘いもんじゃありません。 やや遠回りして、うちで公開しているフリーゲームのお話をいたしましょう。 例えば【ベルゼブル】ですけど。 これ作った時によく言われたんですけどね。 「はりーさんは聖書に詳しいんですね」とか、そういうご意見を。 …ぜんっぜん詳しくねぇから。 いや、そりゃ勉強はしましたけどね。最低限これくらい必要だろう的にはね。 ■外道狩り■の時にもありました。 「詩にお詳しいんですね」とかね。 お褒めいただいた手前恐縮ですけど、まったく詳しくありませんので。 この場を借りて白状いたします。 もちろん、【キャバ嬢 A GOGO !!】でもありました。 「キャバとかソレ系に強いんですね」。 3ケタくらいは通ったかも知れませんねぇ。 そのお金で例えばアフリカの子供たちに文房具とか贈れたかも知れませんが、ともかく羽振りの良い時は毎週のように通っておりました。 そういう事情がありましてね。 フリゲ界のヤンバルクイナみたいな珍しい作品ができたわけですけど。 あれはキャバ嬢さんたちの普段の世界を、明るく楽しく描いた作品です。 もちろん意図的にそうしてあります。 本当はもっと魔女のかき混ぜる鍋みたいな世界なんですが、そんなもんを楽しいはずのゲームで見せられても困るでしょう。 ゲームとドキュメントは違うのですから。 余談のさらに余談ですが、【キャバGO】を作った時にけっこう耳にしたご意見がありまして。 上で書いた事と一緒ですけど、要するにああいう世界はもっとドロドロしてるはずだという感じの。 ええ、そうです。そりゃ当然です。 控え室で新人の娘に灰皿投げつけるお局様とか平気で存在する世界なんです。 でもね。 そういうのは、ゲームでなくて警視庁24時とかでやってますから。 ドロドロを見たいのなら、素直にキャバに入店するのが早いですよ。 若い方は、大人になったら私が連れてってもいいです。 ドロドロの一例を挙げましょうか。 「枕営業」ってご存知ですか? これは西川の社員がデパート回りするという意味ではぜんぜん無くて、仕事や収入を得るために顧客と性交渉をする行為です。 うまい事言ったもんですね。 まんま売春なんですけどね。 ただし、キャバ嬢には当てはまらない行為です。 彼女たちはいかにヤラせないで金を落とさせるかに特化したプロであり、そのために毎回のように思わせぶりな態度を取りやがるんだコンチクショー。 それはどうでもいいのですが、この「枕営業」という言葉には、実はもう一つの意味が隠されているのです。 仕事や収入を得るために顧客と性交渉をする。 この「顧客」という部分を権力者とか経営者とか雇い主に変えてみましょう。 お分かりですか? さあ、ここでいよいよ本題です。 この事件は「枕営業」だったのか? ここで、事件の背景を考えてみましょう。 容疑者の社長さんに関しては私などより、この記事を読まれているあなたの方がよほどお詳しいかと存じます。 「椎名へきる」って誰だか知りませんでしたからね。 「椎名へきるさんら歌手や」と書いてあったので、普通に歌手の方だと思いました。 微妙に間違っていない所がファンの方には申し訳ないです。 対して、被害者の女性は16歳です。 憲法における「青少年」、および児童福祉法における「児童」とは、18歳未満の男女です。 ちなみに、結婚ができる年齢は女性なら16歳から。 この時点で何かがおかしい気分になりがちですが、ともかく先に行きましょう。 事件性という点では、もう決着が着いているような気がします。 容疑者が行為を認めてますからね。 ただし、今回の記事の依頼者を含めた周囲が騒いでいるのは、そういう所ではないような気がしました。 すなわちこの事件は「枕営業」だったんじゃないかと。 突然ですが、前途の拙作【ベルゼブル】には娼婦が出てきます。 あの人は破壊的に頭が悪いんですが、生き抜くための天性のカンみたいなものに優れており、なおかつ「逆ノーマ」くらいの天性の運まであったので、あの町において独特の地位を築いていました。 こういうタフな例外は実在するらしいですよ。 枕営業でしか生きられないという、ある意味清く美しい生き方です。 だからこそ、娼婦は娼婦になったわけで。 もしルカ姉さんが声優を目指していたら、まず200%くらい失敗していたはずです。 ここだけちょっと憶えていてください。 そんなわけで。 この16歳の少女のバイオグラフィーが手に入らなかったので(当然だ)、想像するしかないのですが。 事実として分かっている事だけを書きましょう。 まず、声優さんを目指していた。 …それくらいしか確実には言えないんですけど、一説によるとストーカー気味に容疑者にまとわり付いていたとか、12歳でキャバ嬢をやっていたとか、もっと荒唐無稽な推理もありました。 その手の意見まですべて視野に含めたら、事件の様相もかなり様変わりしてしまいます。 ストーカーの逆ギレ告訴。 さすがに前者は無いでしょうけど。 少女がストーカー気質であったとしたら、実は容疑者こそが最大の被害者なのかも知れない。 さて、またまた分からなくなってきましたよ。 権力をカサに着た、スケベ親父の淫行なのか。 (デビューさせる、仕事をあげるという甘言により、関係を強要した可能性) 「枕営業」なのか、そしてストーカー少女の逆ギレなのか。 (体を差し出す事により、声優として多くの仕事を得ようとした可能性) …と、ここまで書いて気づいたのですが。 この事件に注視された方々の関心は、それ以外の所にもあるみたいでして。 これだけ書いちゃった後で分かったので、勿体無いからそのまま行きますけど。 ちょっと箇条書きにしてみましょうか。 ・あの事務所には、他にもたくさんの声優の卵がいる。 ・第一線で活躍する有名な声優もたくさんいる。 ・他にも犠牲になった子がいるんじゃないか。 ・他にも「枕営業」をしてノシ上がった声優がいるんじゃないか。 ・あの有名な声優たちも、みんな社長とヤッてる(ヤラれてる)んじゃないか。 ・他の事務所でも、そういう裏事情があるんじゃないか。 …あのですね。 とりあえず、豪腕はりー個人としての見解を出しておきましょうか。 私は事件の当事者でも何でもないので、裏側の事情は分かりませんよ。 分からないので、これは針小棒大なお話かも知れないし、ひょっとしたらこんな事件は日常的に起こっているかも知れないわけで。 だから、はっきり言える事だけ書きますよ。 私も作品を作る側ですから、ここだけは断言できるんですが。 そのキャラのイメージに合っていない声の方は。 たとえ乳を揉んでもパンツを見ても採用しません。 当たり前です。 もちろん、そういった前例は残念ながら皆無ですが、私は作品を愛しているんですよ。 欲しいのはキャラに合った声です。 乳でもパンツでもありません。 …いや、それ以外の状況なら歓迎すると思います。 ここは無理しないで正直に書きます。 ただしね。 それをやれば受かる、などと甘い事を考えられても困るんです。 だから、声優さんである以上。 そんな人はおりません。 私は、声優さんの事はぜんぜん詳しくありません。 今回はいい機会でしたので、色々と学ばせていただきましたよ。 社長さんに関しては、こればっかりは認めちゃったから仕方ありません。 もし職権乱用だったら、これほど失礼な話はありません。 真面目に頑張っている将来の声優さんが可哀想です。 ご希望でしたら豪腕みずからヤキを入れてきますので、その際にはご連絡ください。 16歳の被害女性ですけども。 被害届を出した時点で、みずからの夢を閉ざしてしまいました。 分かります? この事実がある以上、枕営業ではありません。 おそらくは純粋なる被害者であったのでしょう。 最初は枕営業のつもりで、しかし社長が採用を拒んだから逆ギレ通報…という可能性も、決して0ではありません。 されどもね。 そんだけ馬鹿ならどうせ声優なんか無理ですから。 そうでない事を祈ります。 この事件について盛り上がった皆さん。 声優さん好きでしょ? 現在、第一線で活躍されている声優さんの中で。 素人に毛が生えた程度の方がいます? そんな人が生き残れると思われますか。 だからね。 もうちょっとだけ、声優さんを信頼されてはいかがですか。 好きであるが故の疑心暗鬼は理解できます。 でもね。 男というのはこんな時、ただ笑って待ってりゃいいんですよ。 そういう事です。 またこの事件によって、将来にますますの不安を抱いた声優さんは多かれと思います。 ここでは一般論を述べるに留めます。 どんな企業や団体でも、セクハラの危険性は常にあります。 スケベ親父はどこにでもいます。 自衛の手段を用意するなり、常に用心しておくだけで相当に違うでしょう。 あなたには友がいるはずです。 今はいなくても大丈夫です。世の中にはまだ豪腕はりーがいます。 また、ネットという強力な武器もあります。 コンプライアンスやセクハラ相談室その他、親父には数多くの泣き所があるのです。 ただ黙って耐える事なんてありませんよ。 協力してそれぞれの戦い方で挑みましょう。 何かがあるかも知れないと考え、それに備える事は重要です。 困難な旅路には相応の準備と覚悟が必要です。 また、その場所にたどり着く方法は一つではないはずです。 ただし。 そのために旅そのものを諦めてしまえば、かの地には永久に行く事はできません。 プロの声優さんとして、日々の糧を得るならば。 何10万ものお金をかけてレッスンに通い、時には何年もの時間を消費し、そこでようやく卵の殻にヒビが入るわけですよ。 ここまでしても、プロになれるのは極わずかと聞きます。 多くの方は、そこで知るそうですよ。 張り切って月まで行くつもりだったけど、 どんどん仲間が切り離されて減って行っちゃうんだ。 そしてやっぱり、ぼくの番がやってきた。 体が熱くなって、どんどん溶けて、 最後には消えちゃった…。 ねえ、ぼくにも教えてよ。 あそこに、うさぎは…いたのかな…。 …兎なんてね。 兎なんていませんよ。 でもね。 体を許したぐらいでノシ上がれるほど、「声優」ってのは甘い仕事じゃねぇだろ? 技術も才能も無く、ただスケベなだけで食っていけるほど甘い世界じゃねぇはずだろ? あんただってガキの頃にあの兎を見たんだろ!? だからあんたはあそこに行くんだろ!? あの兎一匹いない荒涼たる大地に立って。 今度はあんたが俺たちにでっかい兎を見せてくれよ!!!! …えらく力が入りましたけどね。 今しばらく、無邪気に信じたいと思いますよ。 豪腕はりーは宣言します。 誰が誰と犯ろうと痛くも痒くもありません。 どんな方法で月へ行こうが関係ありません。 ただしね。 眺めているだけでは絶対に月なんか行けません。 それに、行ったらそこで終わりでは決してありません。 君が月で跳ねた時、私はきっとそれを見ているから。 ※豪腕はりーに何か書かせたい時は、 メールか拍手ボタンでお願いいたします。 メールはこちら。 |