『うたわれるもの』
まず、最初にお伝えしたい事があります。
このレビューは毒です。
『うたわれるもの』にいくらかでも思い入れのある人は、以下の文章を読んではいけません。
心の広い人、シャレの分かる人、私の名前を使って羽毛布団とか買わない人だけお読みください。
よろしいですか? では始めましょう。
これ、いろんなとこで地味に評価が高いゲームですね。
理由はいろいろあるんですが。
まあ、やり終えて最初に思った事は、とりあえずカローラ作っときゃ車は売れるだろうと。
まずはストーリーを紹介しましょう。
なんかアイヌっぽい世界に記憶失って放り込まれた主人公。やりたい放題で成り上がって最後はやっぱり永井豪の戦国自衛隊。
これじゃぜんぜん分かりませんね。
要するに異世界物なんです。では、なぜ異世界なのか?
それが進めるうちにだんだん分かってくる仕掛けになっているのです。
思わせぶりなセリフが出た瞬間に分かる人は分かってしまいますが。
このお話は、ですね。
正直すっげえ惜しいな〜と思ったんですよ。
前半のほのぼのした雰囲気が非常に良かっただけに、後半の小便を我慢している小学生みたいな駆け足の展開が本当に惜しい。
やった方にお聞きしたいんですけど、思いませんでした?
私は平和に畑を耕して生きたかったんですけどね。
それじゃゲームにならんだろというのは、しごくもっともな意見ですけども。
このゲームは、誤解を恐れずに言うのなら、戦闘シュミレーションを間に挟んだAVノベルです。
基本的には1周すれば終わりです。
まるで在宅ヘルスみたいな割り切り方に好感が持てます。
戦闘シュミレーションは、私のような生き方からして適当な人間でも何とかクリアできるレベルです。
基本的には力押しでOKです。
技とか連続攻撃とか、決まると気持ちいいです。
特筆すべきはチップキャラの出来の良さですね。
こいつらだけで3Dダンジョンアタックゲームがしたいくらいに良くできています。
絵的な部分は、可愛らしい感じで好感が持てます。
個別にキャラを見てみましょう。
「カミュ」とかいうクソアマが出てくるんですけど。
なんか血とか精液とか吸うんですけど。
なんで吸うのか最後まで分かりません。
必然性はまったくありませんでした。
羽根が黒いとこに言及した時点でああ、コイツは「殺女」だなと馬鹿でも気づきます。
「サクラ大戦」をやった人類で気づかぬ人間がいるとは思われません。
いたら尊敬します。
また、「ウルトリィ」とかいう巨乳の姉さん(待ってました)が出てきまして。
なんか新潟の幼女監禁みたいな事するんですけど。
必然性はまったくありませんでした。
あと、「ユズハ」とかいうすごい死にかけの少女が出てきますが。
できちゃったのコイツだけ?
主人公は精子の数が足りないんでしょうか。
「ガチャタラ」とかいう小動物が出ますが。
存在意義がありませんでした。
いやね、理由付けようとすりゃ簡単なんです。
エロシーンの補完とか。
最近、そんな事すらできないエロゲが多い中、こうしたギミックでお客を引き付ける技は、ある意味プロの仕事と言えるのかも知れません。
まあ、悪党がステレオタイプすぎるとこは目をつぶってもいいでしょう。
国っていうのは馬鹿でも治められるんですね。
ジャンケンとかで決めてても、おかしくないです。
ただ、これだけは書いておいてもいいでしょう。
プレイヤーの涙腺を弛めるために人を殺すシナリオがお好きな方にはお勧めです。
「死んだから泣けよ」という感じで。
わりと以前から思っていた事があるんですよ。
感動と悲しみを履き違えてはいないかと。
私の好きなキャラに、「ソポク姉さん」ってのがいるんですけど。
あれはねえだろと思いました。
この辺、ぜひ実際に確認していただきたい所ですね。
ただし。「クーヤ」とかいう操り人形だけは、あれは誰が何と言おうとハッピーエンドなんです。
あれ、なぜかバッドに感じる方が多いですね。
そうではないんです。
本人が幸せなら十分ハッピーでいいんです。
ソマリアの難民とかテレビで見て「かわいそう」と思う程度の事なんでしょう。
だって、2度も違った人生送れるじゃないですか。
もし将来ボケたら、都合3度も人生を経験できるわけですよ。
人生の大仁田厚と呼びたい。
ここはぜひ、軍勢の前で叫んでいただきましょう。
「ワシは…クンネカムンを絶対に潰さん!!」
いやあ、けっこうひどいこと書いてますが。
矛盾な点や舌足らずな点も多いですよ。私の手の指は10本しかないので数え切れませんが、これ、マジに面白いですよ。
大変良くできた、「サクラ大戦」のパチゲーです。
1周するのに軽く10時間以上かかりますけど。
私は3周以上やってます。
なぜなら、それでも私はこのゲームが好きだからです。
単に暇だからかも知れませんけど。
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