しかし人間ってのは勝手なもんで、ちょっとでも自分が気に入らないとすぐ「金返せ」だの「時間返せ」だの「田んぼを返せ」だの、まるで金を払った自分は知恵の実を食う前のアダムみたいに罪が無いもんだと思ってる輩が多いんです。 もちろん、後を振り返って後悔できる(恐らく)唯一の地上生物なんで、この主張は無理からぬわなぁと思います。 が、しかし。 それを経験として後々役立てる事ができるのも(たぶん)人間だけの特権なんで、ここは大いに悔しがっておくのが正しい姿勢なんじゃねぇかと思うのです。 という事で。 我々の愛しい友達や恋人や肉親たちが、我々のようにやっちゃったよと悔しがる姿を見ないためにも、ここは先人として素直に地雷の埋まってる場所を教えてあげるのが筋じゃないかと思うんですよ。殉教者のノリでね。 ただ、人間ってのは好奇心がパンツをはいてジョギングしてるような生物なので、ぶっちゃけ子供みたいな所がどこかに大抵残ってるんですよね。 よくあるでしょ。車バンバン走ってる国道を渡れたらヒーローみたいな頭の悪い儀式が。 こういう子供は、一度轢いたら確認のためにバックで轢き直すくらいやってもいいとは思いますが、実はわりと多くの大人がこういう「馬鹿ヒーロー感性」を持ってるような気がしないでもないのです。 はっきり言いましょう。こういうのはヒーローでも何でもなく、ただうんこを触る度胸試しに過ぎないじゃんと。 それは単なるエンガチョだと言っても、子供だから分かんないわけで。 我々は大人として、清々とうんこについてのデンジャーな側面を語れる冷静さを持ちたい所です。 ここで、映画のお話をしましょう。 冒頭の「金返せ」云々について、映画というのは誠に実感できる世界だと思うのです。 映画好きでこの手の感情を持った事のない人間を、私は未だに知りません。てか、そんな聖人君子はとっととお札に刷ってもらえと思います。 映画って1800円も取りやがりますからね。 2時間の桃源郷を求めて行ってみたら、桃じゃなくてうんこが実ってた事も多々あります。 うんこの出所がたとえ裸エプロンの藤原紀香でも、私にそういう特殊な趣味は無いんです。授乳期のウサギじゃねぇんだから。 まあ世の中広いもんで、そういう単なるうんこを黄金のように崇める風習もあるようですが。 要するに、その人の感性次第になっちゃうのは仕方がないですね。 私にできるのは、見た目も形状もフレーバーもうんこだよ、という「私にとっての」事実を伝える事だけなんです。 もし同意いただけるなら、一緒にうんこを探しませんか? 明日生まれてくる私たちの子供のために。 てなわけで、うんこをひねり出してみます。 クソみたいなツマラン作品ばかりですが、あまりフンガイせずにお付き合い願いたく存じます。 ただ、一定の基準を設けないと、どこもかしこもクソだらけで破傷風の危険を伴いますので、まずは以下の条件で探してみましょう。 ■全国的に配給されたか、カルト的に有名である。 ■今でも比較的容易に手に入る。 ■エド・ウッドの作品である。 このうち、どれか一つでも当てはまる形でチョイスすれば、より伝わりやすいと思うのです。 これらのルールを守って、私と一緒にうんこ映画を探しましょう。 ただし、以下のような意見は要注意です。 「見所は特撮だけ」 「アンジェリーナ・ジョリーの巨乳しか印象に残ってない」 「演技はいいんだけどね…」 これらの意見が出る映画は、実はうんこじゃありません。まだぎりぎりトバグチです。 なぜか分かります? 上から順に、「特撮」「巨乳」「演技」と、必ず最低一つは見所があるからなのです。 世の中、そういう所に1800円ものお金を払って満足する人間もいるんです。私なんか『史上最悪のボートレース・ウハウハザブーン』は絶対スクリーンで観たかったですもん。 まあね。気持ちも分かるんですよ。 かつてテレビで私の愛する石川秀美が『スーパーガール』の吹き替えをやった時は、バケツ一杯じゃ足りないくらいの涙を流したものでした。 泣かしてどうする。お前はマルコかと。 ちなみに、以下のような意見もどうかと思います。 「途中で寝た」 「わけ分からん」 「ひたすら退屈」 この辺は、うんこじゃない可能性が高いのです。 なぜなら、実はちゃんとした作品なのにあんたの頭が悪いせいで理解できてない事がままあるからなのです。 途中で寝たなど論外です。どういう点がうんこなのか、しっかり語ってくれないとうんこを知らない人に説明ができません。 眠くなりそうな時に、映画という手段を選んだ方が問題です。たとえどれだけ辛かろうが、きちんと目を開いて最後まで付き合ってこそうんこを堪能できるというものです。 うんこの道はそれほど険しいのです。 単に自分の肌に合わないというだけで、貴重な作品をうんこにしないでやってください。 こういった点を踏まえて、いよいよ実際に探してみる事にしましょう。 ■洋画部門 『風の惑星・スリップストリーム』 『死霊の盆踊り』 『アタック・オブ・ザ・キラートマト』 (候補) 『プラン9・フロム・アウタースペース』 『ビジョン・クエスト〜青春の賭け〜』 『アンブレイカブル』 『ステイン・アライブ』 ■邦画部門 『デビルマン』 『北京原人』 『シベリア超特急』 (候補) 『さよならジュピター』 『クライシス2050』 ■アニメ部門 無理っぽいです。 いや、アニメって、その「絵」なら何でも通す人がいるんですよ。『ガンドレス』でも。 『ファイナルファンタジー』は入りますかね。 強いて挙げれば『魔法学園LUNAR』『ヘルメス・愛は風のごとく』『ルパンV世・バビロンの黄金伝説』でしょうか。 実は、B級ホラーとか入れるとうんこっぷりに磨きがかかるんですけどね。入手困難だったり劇場公開してなかったりするので、その辺は割愛しましょう。 もちろん、このリストはほんの一部に過ぎません。ぜひあなたの手で完成版を作っていただきたいと思います。 特に邦画やアニメの近作はぜんぜん観てないんで、想像を絶するうんこが町にあふれているのかも知れません。 そういう作品、私が見逃している作品があれば、ぜひ掲示板などでご教示願えれば幸いに存じます。 うんこ踏んだらエンガチョです。ゆめゆめお忘れなきよう。 back HOME |