『肉喰怪獣キラーツリー』
(後編)





 やっとこれで終わるかと思うと、実に感慨深いですね。
 腐女子な上に引きこもりの娘がついに嫁に行くような、そんな深い感慨はかけらも無いわけですが。
 今の気分を言い表すなら一週間ぶりのお通じみたいな気分でしょうか。

 では、菊のゲートに残ったカスを出し尽くし、身軽になって日常生活に復帰しましょう。
 このレビューが浣腸です。
 カツモクしつつ、鼻をつまんで御覧ください。



 ええと、何でしたっけ?

 盆栽大会でしたっけ。

 世界は広く、そして下には下がいるという事が良く分かります。



 ここで、しばらく放置していた皆さんにご登場願いましょう。
 さしあたって盲目の谷山行きますか。

 こう書くと、少しだけカッコいいですね。
 盲目の谷山。
 レイ・チャールズも天国で泣いている事でしょう。

 こいつを語るには、必然的にポールが出てきちゃうんです。
 されどご安心あれ。



全国800万のアンチ・ポール派に朗報ですよ。




子供を盾にしたのがマズかった(当然ですが)。






思いっきりジャイ子に捨てられます。








 ジャイ子の方が「捨てる立場」というのがまず驚きなんですが。
 スベリ止めなのに足切り食らった気分でしょうか?
 ま、それはともかく。

 お前らなんか食べられちゃえ〜っと泣き言言って車で逃げ出すポールです。

 ここの情け無さは必見です。
 必見ですが、とりあえず書いておきます。





 ニューマンごめん。





 尊敬するあなたに罪のあろうはずがありません。
 『スペースコブラ』における電磁ナイフのドクと同じく、犬の方が勝手にあなたに似ていただけです。
 化石ネタ失礼。



 …何の話でしたっけ。
 そうそう、盲目の谷山でしたね。

 雪山の最低男・ポールにも多少の理性は残っていたらしく、町を脱出する前に自宅に寄ります。
 娘の谷山は目が不自由ですから。

 スティービー・ワンダーも天国で泣いているでしょう。





 ※死んでませんけど。





 今回いろいろと不謹慎ネタも多いので(いつもですが)、まず先に謝っておこうかと存じます。







 さてさて、場面はポールと谷山の家。
 駆けつけたポールの目には、信じられない光景が映ります。

 ツリーに襲われる娘の影・・・っ! (カイジ風)



 「だでぃ〜っ。へるぷ・み〜っ」



 …相当な脱力までもが襲ってきます。
 窓から映るのは、杖でポコポコと盆栽を殴っている谷山の影。
 実に微笑ましい映像です。

 これが本物のポール・ニューマンだったら盆栽終了のお知らせだったんですが、この映画に出てるのはK国製の粗悪コピーみたいな劣化ポールです。
 酷さに磨きがかかってます。

 実の娘が絶体絶命!
 しかもこの娘は目が見えない!
 さあ劣化ポールの出番だ!

 ポールは必死で叫びます。






「…来ないなら、私はもう行くぞ!」







そして去る。




…マジです。






ポールのミラクル大作戦です。

化石ネタ失礼。





 「来ないなら」って来られねぇから。

 かえって実の娘だったから見捨てられたのでしょうか。
 もし谷山が他人なら。
 窓に向かって尻でも振ってりゃ勝手に助けてくれたでしょう。



 まるで性欲をポールの形にした男ですから。



 ぶっちゃけ死にますけどね。秒で。



 ここから溜飲タ〜イムですね。
 ポールの乗る自慢のスポーツカーに群がる盆栽たち。
 キャンギャル囲むカメコのような趣きです。

 相変わらずワキャキャと楽しい盆栽なんですが、数はせいぜい5〜6本でしょうかね。
 轢いちまえばいいのにね。

 だけどポールは馬鹿なので、盆栽たちに襲われるまで車を停めて待っちゃうんです。馬鹿だから。




 その上、窓が全開です。


 馬鹿だから。
 ポールですから。

 うねうね動くゴムホースみたいな根っ子が車のマフラーにずっぽし。
 触手が穴に。
 触手が穴に。
 触手が穴に。

 好きな人は相当好きなシチュでしょうけど襲われてるのはポールです。






らめええぇぇぇ・・・っっ!!




※ポール・ニューマン及びみさくらなんこつの全てのファンに謝罪いたします。




 …いろいろと犠牲はありましたが(精神的に)、ポールが死んだ事によってようやくクライマックスです。
 長いうんこでした。

 すっかりチャックを忘れてましたね。
 これだけ読むとまるで慌ててトイレから出てきたみたいですが、奴は奴で頑張ってるんです。
 連邦なんとか(NFS)の片割れの女がいたでしょ?
 当然スカリーと呼ぶわけですが。



 唐突ですみませんけど。

 おんな捜査官ってイイですね。



 私の頭の中ではもうガーターベルトに絶対ピストル刺してある認定してますから。
 ビバ・おんな捜査官。
 志保美悦子の昔から、おんな捜査官とは必ず単独行動して捕まって椅子に縛られるものなんです絶対。

 皆さん知ってます?



 キンタマが2個付いてる理由を。



 それは。
 捕らえたおんな捜査官が、色っぽい声で囁いた時。

 つい身を乗り出したら、罠を解いてチャンスを伺っていたおんな捜査官に派手に蹴り潰されるからなんです。




だから2個なんです。

1個はスペアです。




こやつ…、2回言いよった!?





 …何の話でしたっけ。
 そうそう、チャックとスカリーの話でしたね。

 しばらく姿を見ないと思ったら。
 いつの間にやら二人で別行動してました。


 いつの間にやら恋人同士でした。

 どこまで人を馬鹿にしてんだか分かりませんが、ようやく不倫が終わったと思ったら今度は唐突に青春です。
 そんな描写がどこにあったんでしょう。
 それ以前にこりゃ一体何の映画なんでしょう。

 私が馬鹿なんですか?
 それとも作品が馬鹿なんでしょうか。
 『釣り橋効果』のように、強烈な体験をした者同士は強く惹かれる実験結果があるそうですが。
 観ているこっちも負けないくらいに強烈な体験です。

 それを端的に表すシーンが出てくるんですけど、ひとまず続けましょう。
 盆栽たちに追われる二人のシーンですね。

 なぜか出口の無い建物に逃げ込むというお約束の後。

 中には先客がいました。
 生き残ったオッサンです。

 オッサンも安堵したでしょうなぁ。
 助けに来てくれたと。






だがスカリー発砲。








おっさああぁぁぁんっっ!!!!







このドジっ子♪





 …救いようがねェ話です。

 バカ以外は出演禁止ルールでもあるんでしょうか。
 恐ろしい飛ばしっぷりに私のハートもEDです。



 「ごめんなさい! ついうっかり…」





 「うっかり」で済むか。





 分かりましたよ。
 もう、この映画の楽しみ所が分かりました。

 巨乳ドジっ子・天然おんな捜査官に萌えるしかありません(無理)。
 すごい斬新なジャンルです。
 正直もう木とかどーでもいいです。

 んで。
 出た瞬間にすごい死にかけのオッサン。
 さすがに放ってはおけないので、なぜかトイレで応急手当をします。

 私に理由を聞かないでくださいね。
 するとビックリ。




トイレの個室から盆栽が出てきた!!!!







…色々と言いたい事はあると思います。







ここは耐えてください。





 本当にマジすんません。
 私だって辛いんです。
 もう少しだけ、もう少しだけ頑張ってみましょうよ。

 え〜、トイレが一大事ですね。
 チャックとスカリーも困ってしまいます。
 一番困っているのは間違いなくオッサンですが、そんな事は知りません。
 チョイ役のオッサンの命など、巨乳ドジっ子・天然おんな捜査官のスカリーちゃんにかかったらイチコロです。



 盆栽が来たって大丈夫。

 オッサンの尊い命を生け贄にすれば、ほらっ。

 二人は無事にエスケープしたよ!


                     す   か   り   ー
 よかったね! スカリーちゃん。





 良くねぇ。



 もちろん画面では阿鼻叫喚の地獄ですけど、こうして脳内変換でもやらなきゃ厳しいんです。
 疾走感というより失笑感あふれる画面です。
 そしてやっぱり追い詰められた二人です。
 オッサンの死が何の意味も無かった所を見せつけました。

 さあ、場所は屋内プールです。
 盆栽がすぐ後ろまで迫っています。
 逃げられない。
 逃げる事は不可能です。



 どうするチャック!

 どうするスカリーちゃん!





心配しないでっ!
そんな時は、はいっ!







マジカリュ…(←かむ)







マジカル・スカリー・
ダ〜イヴッ!!!!








なんとプールに
飛び込む二人。






チャックも止めろよ。





 なんかエライ事になってきました。
 人間、追い詰められると何をするか分かりませんがこれは本当に分かりません。

 なおかつその上。



木まで一緒に盆栽ダ〜イヴッ!




葉っぱだらけの水泳大会。




ポロリもあるよ(マジ)。





 予想だにしなかった水中戦が始まりました。
 これほど結果が予測できない戦いも初めてであります。

 まずは盆栽のターン! 触手を伸ばしてエンド!

 さらに盆栽のターン! 触手攻撃!


 続いて盆栽のターン! 攻撃!



 ずっと盆栽のターン!








勝てねぇ…。





 何を思ってプールに飛び込んだのか知りませんが、ドジッ子にも程があります。
 まあ相手が盆栽なので、深く潜れば勝てるとでも思ったんですかね。
 しかし相手には触手がありますから。
 無駄ですから。

 お前ら自分の目で見ただろうが触手。

 この映画に関してだけは、経験という物がまったく何の役にも立たない事が分かります。
 だけど注目。
 このシーンでスカリーちゃん、一瞬だけ脱ぐんです。



 ごめんブラまで。

 低予算ホラーのくせに、その手のサービスはこの一瞬だけでした。
 おんな捜査官の風上にも置けません。
 少しは杉本彩とか見習って欲しいですね。



 されど突然それは起きた。



 盆栽が。
 圧倒的優勢だった盆栽が、なんと。
 苦しみだした・・・急に・・・っ!(カイジ風)

 どうも様子がおかしい。
 苦悶の声を上げ(声!?)目の光がだんだんと消えて行く…っ!
 これは…。

 植物学者・チャックの面目躍如です。
 これは、これはっ!
 間違いない!



「塩素が効いたんだ」



洗剤かよ。





 かくして盆栽たちの意外な、あまりに意外すぎる弱点を知った二人。
 あとは町の人々にこの事実を知らせるだけです。
 さあ、いよいよ反撃開始!

 木なんだから燃やせばいいじゃんと深く思うのが人情ですけど、不思議な事に誰もそこに気付かないんです。

 私、その理由を察しましたよ。
 たぶん前作がそのオチだったからでしょうね。
 違うオチにしたかったんでしょう。
 その意気込みだけは買いたいと思いますよ。マジに。

 歴代の『エイリアン』シリーズや『ジョーズ』シリーズがそうでした。
 戦い方や勝負方法が毎回(一応)違うんですよね。
 だからこの作品も、新しいエンディングに挑戦したんじゃないでしょうか。
 「火」から「水」とは安直にも程がありますけど。

 プールに入ってる程度の塩素のために数秒で木が枯れるなんざ考証のいい加減さも程がありますけど。

 それとも何ですか、アメリカのプールってのは死ぬほど塩素がキツイんですか。
 木こりの肌はポリプロピレンか何かでしょうか。



 んな事はどーでもいいですね。
 チャックとスカリーちゃんの、愛の逃避行を見てみましょうか。

 まず、ビショ濡れの服をどうにかしましょう。
 ここはロッカールームです。
 もちろんここで超・期待したんですけど、画面に映っているのはなぜか男子更衣室。

 チャックの着替えにどんだけ需要があんのよ。

 そういう方には喜ばれるかもしれませんが、別にチャックが肌を晒したりとかそーいうのは全然ないので安心して観ましょう。

 当然、着替えなんか持ってませんからね。
 その場にあった服を勝手に拝借する二人なんですが。



 なぜかチャックがアメフト野郎に。



 ち、ちょっと待て。

 という事は。

 という事は!?

 という事は・・・っ!






へ〜んしん!




チアキターーーッッ!!!!







こんな太い目線見た事ねぇよ。








この作品は今から私の独断により、『マジカル☆おんな捜査官スカリーちゃん』にタイトルを変更させていただきます。







『肉喰怪獣キラーツリー』


『マジカル☆おんな捜査官スカリーちゃん』
(後編♪)




 やっとこれで終わるかと思うと、実に感慨深いですね。
 私が今感じているのはデジャヴーでしょうか。
 そんな事はどーでもいいんですが。

 まるで枯葉剤のような単なる塩素の発見により、人間サイドにも希望が見えてきましたよ。
 いよいよスカリーちゃんとチャックの二人は、のび太を始め町のみんなにそれを伝えます。

 あっさり合流できちゃいました。
 あれだけ苦労した上オッサンの命まで奪った末の逃避行とはとても思えませんが、そろそろ尺も危険なスメルなので仕方の無い所ですね。

 のび太とチャックの感動の再会です。
 スカリーちゃんにはみんな引きますが(当たり前)、チャックが「彼女は敵じゃないんだ」とか何とか取り成します。
 敵だったらまんま悪の組織の四天王みたいな格好ですからね。
 この頃になるとジャイ子も気になりません。むしろ空気です。

 ただ、のび太の息子が大変です。
 ポールの盾にされたおかげで命に関わるような重症です。
 このままでは危険です。



 そんな時にはチャックの機転。






「連中の体液から血清を作ろう」








どうやって。





 ウルシかぶれとは訳が違います。

 やってる事は怪しげな呪術です。
 こんなんで死んだら息子も浮かばれません。
 だけど頑張って絞る絞る。

 この世界では、大怪我を負っても青汁さえ飲めば治るらしいです。
 一体どうしたもんでしょう?
 困った時のスカリーちゃん。

 けなげにチャックを助けています(終了)。

 終わりに終わっている画面の中の彼らです。
 そんなサバトみたいな光景なのに、なぜか息子が快方に向かっちゃう。



 ご都合主義も甚だしい。

 そこがうんこクオリティですな。
 この後、さらにこれを超える衝撃の科学が登場しますよ。
 馬鹿どもは放っておいて先に進みましょう。



 一方その頃、外では動きがありました。
 冒頭のデブ専の木こりを思い出してください。
 そして六太郎とかあの辺を。

 木こりも負けたままじゃいられませんよ。

 101匹デブ大集合・木こり決起集会の始まりです。

 手に手に斧やチェーンソー。
 木こりが木に負けてたまるか(当たり前)!
 六太郎のパパが音頭を取って、いざ木こり軍団の出陣です。

 意外や意外、けっこう燃えます。




俺たちから森を奪っても、
斧を奪う事はできない!








生まれ変わったら
木こりになります。





 かくして人類と盆栽の、生き残りを賭けた総力戦が始まるのでした。

 雄叫びを上げながら突き進む木こり軍団!

 ウキャキャキャうるさい盆栽軍団!

 六太郎ガンバレ! 私は君を誤解していた!

 ションベンパワーで蹴散らせ六太郎!

 六太郎のパパなんか無駄にサンタの格好してるけど気にしないぞ!

 デブの底力を見せてやれ!



 さあ正面からぶつかり合ったーーっっ!!








木こり圧敗。






 当たり前なんですけど。
 あの、なんか盆栽、飛び道具とか使ってるんですけど。

 鬼太郎の髪よろしく松の枝とかシュンシュン飛ばして、さらに毒液っぽい汁なんか吐いてます。
 地味に汚いです。
 姿・形も汚ければ戦術まで汚いという、ゾンビ映画のゾンビを小ずるくしたようなモンスターですな。

 でも六太郎は何とか生き残りました。
 次はオシッコではなくウンコしちゃいなさい。



 育ててどうする。



 アホな事を言ってる間に、ようやく最終局面です。
 ぼくらのアイドル・スカリーちゃんがいます。
 かたくなにチアリーダー姿で浮きまくってます。
 そして、のび太がいます。チャックがいます。
 六太郎も合流しました。
 ジャイ子と息子はどーでもいいです。

 このメンバーに、さらに助っ人が加わります。






谷山です。





これにも似ている。






代打の切り札・盲目の谷山、
盆栽退治になぜか出陣。





 こいつを連れてって一体何の役に立つのか分かりませんけど、スカリーちゃんとジャイ子が留守番でこいつが出撃という人選が甚だ疑問です。

 ジャイ子はともかくスカリーちゃんの方が全然役に立つはずです。

 何より映画のタイトルから逸脱してます。

 肉喰なんとか?
 そんな映画知りませんよ。

 なんか突然チャックとスカリーちゃんが別れを惜しむイイ雰囲気になってたりして、要するにこの手のシーンを入れたかっただけやんかとも思いました。
 人選については後ほど驚愕のシーン(しつこい)が出てきます。



 ともあれ、選抜メンバーによって決死の作戦が動き出すわけで。
 大量の塩素剤がトラックに積み込まれました。

 作戦の概要は以下の通りです。



  1・まず連中を郊外におびき寄せる。

  2・塩素剤をかける。







以上。





・・・以上!?





 1・がんばる。
 2・やっつける。

 これと同程度の作戦きました。

 彼らが哀れなレミングの群れに見えてしまう私は、きっとガンバの冒険の観すぎでしょう。
 これはひどい。
 いくら相手が植物だからってこっちまで植物なみになってどうする。

 けれども天は、彼らを見放してはいませんでした(観客と違って)。
 ある発見が彼らを有利に導くのでした。

 それは。

 鈴の音に反応するんですって盆栽が。

 シャンシャン鳴らすだけでもう。
 関ジャニの出待ちやってる賞味期限切れの大姉みたいな勢いで追って来るそうなんですよ。
 これまたすごい発見ですね。



あらゆる発見がすべてにおいて
植物とまったく関係無いです。



 ビバ・こじつけ。
 いや、あえてマジカルと呼びましょう。タイトル通りに。

 ここからが怒涛のまくりです。
 最初の方〜に出てきた発見、造花に隠れてりゃ見つからないよ作戦によってトラックに乗り込んだチャックたち。

 みんな揃って楽しくシャンシャンやりながら、盆栽どもを郊外まで誘導します。

 ものすごい決死の表情で鈴をシャンシャン振りまくるチャックたち。


 観ているこっちは必笑です。
 そうして腹筋を鍛えられながら、ついにトラックは到着しました。

 ここが決戦の場だ。
 塩素剤の溶液はたっぷりあるぞ。
 さあ。
 さあ来い盆栽ども。



今だ! やれ六太郎!



※実際の画面ではありません。




 やっぱり祭のシメは放水ですね。

 みんなで並んでシュコシュコやってる姿に涙を禁じ得ません。
 間抜けっぷりを必死に演じる様はまさしくうんこ。
 ある意味、母の胎内に回帰した感動さえ覚えます。嘘だけど。



 だが黙って塩素を浴びる盆栽では無い。
 盆栽たちも決死の反撃!
 バランスを崩し、人間にも塩素が降りかかる!

 危ない! でも避けられない!



 その時、奇跡は起こった。






塩素を顔に浴びてしまった決死隊。







谷山「目が見える…」








塩素浴びたら
目が治った!!!!









ありえん。





 そんじゃ何かお前。

 南斗白鷺拳のシュウに塩素ぶっかけたら治るってか!


 座頭一に塩素かけたら治るってか!



 塩素何でもアリか塩素!!!!



 ロート製薬の社員が見たらどう思うでしょう。
 目医者さんも廃業です。
 これからこの作品を観ようと思っているすべての方に警鐘を鳴らします。
 この作品はこれを読んでるあなたの目が実は盲目と言うのと同じくらいにフィクションです。

 ■困った時のwikipedia■

 塩素は強い毒性を持つ為、人類初の化学兵器としても使われた。
 塩素を浴びてしまった場合、直ちにその場からはなれ、着ていた衣服を脱ぎ、毛布に包まるなどして体を温めなければならない。
 直ちに医療機関での処置を要する。呼吸が停止している場合には一刻も早く人工呼吸による蘇生を行わなければならない。


 (カテゴリ:化学物質・有毒ガス)

 …もう私の負けでいいです。
 塩素で盆栽もやっつけて塩素で目も治ってヨカッタネー、はいはい次はラスボス出るから頑張ろう。

 死ね。

 直ちにその場からはなれ、着ていた衣服を脱げ。



 今回、予定の枚数を大分オーバーして書いてます。
 本来なら監督のバイオグラフィーとか、過去作品との比較とかも書きたいんです。
 それどころじゃないんです。
 つまりそれだけ言いたい事がたくさんあるわけですが、いい加減シメに入らないと大変です(精神的に)。

 続き、いいですか?
 私としてもそろそろ何とかしたいと思います。



 軽く脳を塩素にやられてる間に。
 今度はでかい奴が出ます。
 やっとラスボスですね。
 目測値で3メートル半くらいの歩く盆栽です。

 周りの木の方がぜんぜん高いです。

 それでも全員、大仰に驚いている所がB級ですね。
 チャックは前作を語るシーンで「ジャンボジェットなみの木の化け物」とか言ってました。



こんな小さなジャンボはねぇよ。





ここでそのチャックの出番ですよ。


下手クソな伏線張るだけ張っといて。


今や誰もが忘れ去っていたブツが登場します。




そうです。




どんぐりです。
(マジに)





 単なるどんぐりです。
 生物兵器とか命を狙われたとか、色々あったらしいんですけど単なるどんぐりです。
 何を思ったか馬鹿チャック、ラスボスの真正面に無防備に立ち塞がります。

 まさかチャックが死ぬとは思えないんですが。
 主役の一人ですし。
 でも、どう考えてもこの行為は自殺です。

 そしておもむろに。
 何の意味があるのか全く分かりませんが、まるで水戸黄門のようにどんぐりを高々と差し出しましたよ。



 塩素が頭に回ったんでしょうか。



 我々は今、10年に1度見られるか見られないかの馬鹿を見ているのかもしれません。
 しかし。
 しかしですよ。

 チャックがそうした瞬間。

 なんと、どんぐりが輝き出した!!

 光あふれるどんぐり――。

 そしてその光ったどんぐりは!!







光っただけ。








そしてチャック
死亡。








…100%マジです。





 楽しみにしていた試合をマシーン軍団の乱入で滅茶苦茶にされた気分です。

 それもフィニッシュ直前ですよ?
 思わず座布団を投げたくなったのは私だけでしょうか。


 どんぐり光ったのは何だったのよ。


 おかげでチャックは樹脂まみれ。
 お前はチョウチンアンコウか。
 まるでハン・ソロのブロンズ像みたいになってチャック終了。
 この映画にマーク・ハミルは含まれておりません。



 結局まあ、何だ。
 のび太がリフト動かしてコード持って電撃バチバチ〜の『ジョーズ2』。

 この瞬間までずっとリフト止まりっ放しでね。


 客が乗ったまま凍ってたりして。



 前作で死んだはずの木こりがなぜか生きてて。



これだけでも凄いのに。



挙句の果てに。







「次回に続く」







どっしぇーっ!!!!





(100%全部マジです)





 これをまだ続けるとかノタマッたよ。

 始まる前からB級どころかZ級のうんこホラー映画でしたが、この瞬間が一番恐ろしかったですね。

 誰か止めて。

 まさしく映画界の地球温暖化。
 扱ってるのは植物のくせに酸素の代わりに塩素が出ます。
 次はどんな手で私たちをペテンにかけて来るのでしょうか。



 適当なシーンで止めるつもりが、気付いたら一気にエンディングまで引っ張ってました。
 面白いからじゃありません。
 うちのレビューを見てくださってる皆さんに、野グソを踏んで欲しくないからです。

 うんこの中のうんこです。

 うんこ映画のホームラン王。
 それがこの『肉喰なんとか』です。



 一体なぜ。
 どうして、こんなうんこ映画が正規のルートで販売されてるんでしょうね。
 麻薬を売ったら罪になるのに。
 肥料になる分、本物のうんこの方がこれより上だと思います。

 よって実に我がサイト向けの映画でしたね。

 ボロクソにけなしつつも、要所要所でクソ笑ったのは内緒です。
 相手が木ってのがまずポイントですよね。
 前に引き合いに出した『トリフィドの日』なんかだと、モンスターは木っていうより恐竜みたいな存在感なんですよね。個人的に。


 こっちはまんま「盆栽」ですから。


 ガニ股にして目玉付けた盆栽ですから。
 これでどうにかしろと言う方が無理でしょう。



 また、登場人物たちがあまりに魅力に欠けるのは致命的でした。
 のび太には最後までイライラさせられますし、チャックはただウロウロしてるだけ、ジャイ子とポールに至っては存在自体がすでに罪でした。


 されどスカリーちゃんは必要(断言)。


 彼女の功績はブラチラとチアガールだけですが。
 言い換えると、ごく普通のB級ホラー映画で良く見かける「おっぱい係」のバリエーションになるわけです。

 …やっぱ必要ねぇかな(笑)。
 でもまあ、何ですか。
 南極にだって緑はあるじゃないですか。
 ほんのわずかな、コケみたいな緑ですけど。



 それでは最後に。
 こんな映画を製作してしまった、頭の中身が塩素漬けな人々をご紹介しましょう。

 まずは主犯の監督さん。
 マイケル・ブレッカイティスという方のようです。
 監督だけでなく、製作や脚本も全部この人がやってるみたいです。

 つまりこいつが悪いんです。

 かの名作『ジョーズ』のファンらしく、出てくる俳優さんに似たような役名を付けてますね。
 本家はブロディ、フーパー、クイント。
 こっちはコーディ(のび太)、クーパー(チャック)、スクィント(なんか生きてた木こり)。

 大変出来の悪いパロディです。

 そんな同人感覚で映画を作られても困るんですが、世の中これより酷い同人誌も溢れているかと思うと何だか許せそうな気がしてきました。

 この監督がどんな人かは知りません。
 何しろ日本で手に入る同監督の作品はこれのみバンバンですから、本国でどういう評価なのかも推して知るべしですな。



 以下、出演者を列挙してみましょうか。

   のび太・・・ケビン・マッコーリー
   チャック・・・フィル・ガーディナー
   ポール・・・ロン・パリロ
   ジャイ子・・・マリー・アン・ニラン
   谷山・・・トリッシュ・ダン
   六太郎・・・クリス・ビセント
   スカリーちゃん・・・ブランディ・リン・コポック







まるで珍獣ですな。






 誰一人として知ってる名前がありませんよ。
 全員素人なんじゃねぇの。
 特にポールなんてロン・パリロですからね。
 テリー伊藤は泣いているでしょう。



 ちなみに。


 次回タイトルは『REGENERATION』。





日本にいる限り100%手に入らないレア物です。




 サウジ国内で同級生2やるようなもんです。

 いらないけどね別に。



 さてさて。
 長々とお送りしてきた今回のレビュー。

 『マジカル☆おんな捜査官スカリーちゃん』。

 楽しんでいただけましたでしょうか。
 楽しむというか、少しでも分かっていただけました?
 その奥の浅さ。

 次回作が非常に木になります(←間違い)。

 もしどこかで手に入れる事があったなら、その時はぜひまたここでお会いしましょう。










『THE ROOT OF ALL TREE』2004:米

製作・監督・脚本:マイケル・ブレッカイティス
出演:ケビン・マッコーリー(のび太)
    フィル・ガーディナー(チャック)
    ロン・パリロ(ポール)
    マリー・アン・ニラン(ジャイ子)
    トリッシュ・ダン(谷山)
    クリス・ビセント(六太郎)
    ブランディ・リン・コポック(スカリーちゃん)




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