<ちょっと休憩>
うんこ映画の壷。
2008.9.16
世界中の映画ファンの皆さんこんばんは。
その肥えた目に汚物をすり込んでいる当サイトですが、今日はそんな皆さんへの謝罪の意味も込めまして、一発うんこみたいな駄文でお目汚しをしたいと思います(意味が分からん)。
そもそもB級映画って奴には定義があります。
ルーツはトーキー映画の時代。お金のかかる大作映画をAという撮影所、低予算の前座映画をBという撮影所で撮っていたという史実があります。
いや本当の話ですよ。
それが転じていわゆる「早撮り低予算映画」の事を「B級映画」と呼ぶようになったそうです。
よって、もしオバマさんが映画を撮ったらオバ級映画になりますが、これは100%嘘っぱちなので大人は汚いと思います。
そういうわけで皆さん。
B級映画やうんこ映画について、尻を突きつめて語ってみましょう。
まずはですね。
水野晴郎さんって死の直前に改名してたんですってね。
それは関係ないですけど皆さん、B級映画についてどんな印象をお持ちでしょうか。
低予算、ってのはありますよね。
あと監督や出演者が誰も知らない素顔の八代亜紀。もちろん配給会社だって知ってたら即トリビアというレベルの映画を思い浮かべると思います。
はい、その通りです。
それに加えてDVDリリースの際、内容をえらい曲解されたストーリーを箱に書かれたり、そもそも映画館で上映して無かったりとかの要素が加われば完璧です。
この日本において、単館レイトショーですら見放すような作品。これこそが真のB級映画と呼べるでしょう。
そして重要な点。
B級映画ってのは「つまらない映画」と同義ではないという事実があります。
いや正直96%くらいはつまんないわけですけど、それを言ったらハリウッドの超大作だって陳腐極まる駄作も多い。
しかしB級映画にはただ一つだけ、ハリウッドの超大作よりも優れた所があるのです。
これだけは胸を張って良い。
それはこれです。
『愛』
そう。作り手の、製作者たちの愛なのです。
もちろんハリウッド作品にも愛はありますが、本当に愛があるならその作品は断じてB級にはなれない。
広く一般に知られる素晴らしい作品となるでしょう。
また、ハリウッド作品にはどうしてもビジネス臭を感じるものが多いわけですよ。
お金の匂いとうんこの匂いは違います。
B級映画とは要するに、愛が異臭を放つ場所にこそ存在します。
どうして愛があるのにB級なのか。
もちろんお金が無いからです。
お金で愛は買えませんが、お金があると愛が潤うのです。
安い制作費しかかけられないB級と、湯水のように使える一流には、超えられない壁があるのですよ。
そしてさらに。
お金のかかった超大作でも駄作があると書きましたが、それは本当の意味での駄作ではない可能性が高いのです。
例えばそういった作品では、特撮だけはやたらとお金がかかっているなどの特徴があります。
特撮好きならそれだけで認めてしまうという免罪符。だからこそ、お金さえあれば最低限の駄作回避が可能なのです。
出演者だってそうですよね。
お金があるなら一流の俳優を雇えます。
その俳優の熱心なファンなら、それだけで満足しちゃったりするでしょう。
不肖わたくし豪腕はりー、アンジェリーナ・ジョリーの胸なら点滴いらずで3日いけます。
そうやって最低限の見どころがある。これが大作の強みでしょう。
そろそろ見えてきましたね。
大作とB級の違いが。
ここでB級映画の特徴を並べてみましょうか。
●つまらない(特に見どころが無い)。
●お金がかかっていない。
●しかし愛には溢れている。
まるでどこかの同人誌のようだ。
この辺を満たしているような映画に出会えたら、それこそがB級映画です。
重要なのは愛です。
ここに共感できれば、たとえつまらなくても面白い。
こんな矛盾を達成できるのは、B級映画とジャック・ハンマーくらいです。
そして「うんこ映画」。
ダンテの『神曲』ではサタンのいる場所です。
うんこ映画の定義はちょっとだけ特殊で、すなわちB級映画の中でも特に酷い作品がそれに相当します。
その酷さは、普通のB級映画を観終わった感想とは違います。
怒りと虚しさがまず来ます。
そういうレベルの映画を、当サイトでは「うんこ映画」と呼称します。
B級映画ってのは、そのB級な所を割り切って観ればそこそこ楽しいものなんですよ。
マニア心をくすぐる感覚、珍獣を見る感覚に近いです。
しかしうんこは甘くない。
苦い苦い味がします。
私なんか離乳した子ウサギ並みに食べてるので、この苦さを良く知っています。
本当につまらない。本気で壁に穴を開けたくなる。
そして、無駄にしてしまった時間を考え涙する。それがうんこ映画というものです。
たとえ話をしましょうか。
可愛い女の子(または素敵な男性)に好かれたら、嬉しいですよね?
しかしブスやブ男だと微妙でしょう。
そしてそれがブスな上に電波で地雷のストーカーだったりしたら、生まれた不幸を呪いたくなるのも当然でしょう。
以下のような式で表されます。
可愛い > ブス > 地雷
大作 > B級 > うんこ
地雷を踏んだら大変なように、うんこを踏んだらエンガチョです。
そのくらいの破壊力があるのがうんこ映画です。
では、どうしてそんな映画を観るのでしょう?
別に観なくていいです。
そんな一部のマニアにすら放置気味のうんこ。その魅力が分かっていただけたでしょうか(一つも魅力を語ってませんが)。
それではこの辺で、うんこ映画を見分けるコツを伝授しましょう。
誰だって踏みたくありませんからね。うんこ。
慣れてくるとタイトルだけで分かるものですが、そこまで行ったらもう帰って来られません。
よって分かり易いように、数値化によって判断する方法を考えてみました。
例えば発表された媒体。
点数で言うとこんな感じでしょうか。
■全国一斉公開 ・・・ 1点
■単館上映系 ・・・ 2点
■深夜放送→DVD販売 ・・・ 3点
■DVD販売のみ ・・・ 4点
■それすら超越 ・・・ 5点
「それすら超越」というのは要するに、何年も昔に昼の東京12チャンネルで観た憶えがある、というようなレベルを言います。
また、未だにDVD化されていない幻のうんこは無数にあります。
普通そういう作品はマニア垂涎のアイテムだったりするのですが、うんこ映画に関しては手に入れる労力に比例して匂いがキツくなります。
ちょっと脱線しますけど、うんこの多い裏路地とかありますよね?
国道とか大通りには、そうそう落ちてるもんじゃありません。
この図式は偶然ではないと思います。
車通りの少ない、細い路地とかに奴はいます。
すなわち、道の太さとうんこ率は反比例する。
そろそろ豪腕理論が全開になってきました。
無理やり式にするとこうです。
国道 > 県道 > 農道
大作 > B級 > うんこ
中にはディズニーとかワーナーのように高速道路に匹敵する資金力を持った会社もあれば、販売における我らがアルバトロス社みたいな獣道も存在するわけです。
資金力と知名度はここでも顕著です。
うんこを踏みたくないのなら、何よりもまず有名どころを押さえましょう。これが鉄則です。
ディズニーにも駄作はあるけどね。
豪腕はりーは毎回三言くらい多いのが売りです。
そういうわけで、製作・配給会社に関して点数化しましょう。
■知らぬ者はいない ・・・ 1点
■かなり有名 ・・・ 2点
■マイナー ・・・ 3点
■知る人ぞ知る ・・・ 4点
■知ってたら関係者 ・・・ 5点
地味に点数が付いてきました。
この時点で10点あったら相当危険です。
それほどの超次元なうんこ映画は少ないですけど、もし見かけたらティッシュで拭いて捨てましょう。私が許可します。
以上のような情報を知るには、まずパッケージを良く観てみる事が重要です。
衝動買いをする前に、深呼吸して冷静になるのも重要ですよ。
そんなものが2000円もしたら家族仲が不和になったりしますからね。
うんこよりも大事なものがあるはずです。
そう、パッケージさえ確認できれば、他の情報だって手に入ります。
そこには監督や出演者が書かれているでしょう。
パッケージは映画の履歴書です。
面接官になったつもりで、じっくりと吟味してみましょう。
ここで気にするべきは以下。
監督や原作、脚本、出演者などの中で、知っている名前がいくつあるか。
ちょっと数えてみましょう。
数えたら、以下の式を当てはめて計算してみてください。
■5 − 知っている名前の数 = 点数
数値がマイナスになったらマイナスでいいや別に。そういうのはどうせ大作ですからね。
知らない名前ばっかりなら当然5点ですね。
しかし中には、全員分を合わせても5人に満たないという素晴らしい作品もあるかもしれません。
そんなアマゾンの秘境にも愛を注ぐため、その場合には少ない人数分だけボーナス得点としてみましょうか。
そろそろ大作との差が激しくなってきたと思います。
しかしまだ終わりませんよ。
パッケージの情報は雄弁です。とことんまで使い回しましょう。
アオリ文句に注目すれば、他の映画を引き合いにしている例が多数見られるでしょう。
皆さんもきっとご存知でしょう。
●『マトリックス』を超えた!
●『タイタニック』以来の感動!
●『CUBE』+『SAW』の恐怖!
明らかに詐欺です。
こんな宣伝文句がまかり通っている世の中、情けないほどにトラの衣を借るうんこが増えています。
言ってる内容は俺の父ちゃん社長だぞみたいなレベルです。
かえって逆効果のような気もしますが、こういうのがあるからこそ判断も可能なわけで。
さらにはスタッフが過去に携わった作品なども書かれているでしょう。
真面目に考えると、こっちの方が信用できます。だって嘘だけは書かれないはずですからね。
嘘が無いという事は知らない作品ばっかりという可能性も高いわけで、ここでも大作とうんこの差が見えるでしょう。
さらには、その映画にまったく関係の無い有名人の名前が使われている事もあります。
「○○氏、絶賛!」みたいな感じですね。
ヤクザの口約束より信用できません。
以上を数値化すると、このようになります。
■アオリ文句にある他の映画タイトル数 = 点数
■5−スタッフが過去に携わった作品で知っている名前 = 点数
■その映画に無関係の人名の数 = 点数
たとえスタッフ名の多くに過去の作品が併記されていても、知らなきゃ何の意味も無いです。
何も書いていない、もしくは一つも知らなければ当然5点がもらえます。
ここは大事な所ですから、訳の分からん事が書いてあるほど高得点です。
作品名の横に日本未公開とか、あるいはカッコしてテレビシリーズとか書いてあったら最高です。
その場合は、そういう注意書き1つごとに1点を加えましょう。
アオリ文句の方はもうそのまんま。
まあ、同じアオリが表と裏に書いてある場合とかもありますけど、勘弁できるのはそのくらいですね。
当然のように続編の場合は不利になりますが、そこは仕方ないでしょう。続編なんだから。
逆に言えば、続編ができるくらいに前作はヒットしたという意味に捉えましょう。うんこ臭が多少は消えます。
そうそう、この続編というのも曲者ですね。
続編に当たり無しという格言もあります。
『男はつらいよ』クラスになると何が何だか分かりませんけど、ともかく映画界は安易な続編でいっぱいです。
これを数値化したのが以下。
■タイトルに付いている数字 = 点数
ただし、5点を最高とします。
寅さんをうんこにするわけにはいきません。
注・寅さんシリーズのタイトルには、数字では無くサブタイトルが付きますけども。
続けば続くほど駄作になるのは、流しそうめんで最下流に座っていれば分かります。
兄より優れた弟など存在しないとジャギ様も言ってました。
もちろんジャギ様は間違っていましたが、映画に関しては1作目こそが最高という傾向にありますからね。
さて、ここまで来ればあと一歩です。
ここで20点あれば極めて強力なうんこです。
それでもまだ、ごく稀に面白い映画があったりするものです。
今回はそうした映画を全部切り捨てるために、心を鬼にして臨みましょう。
以下は各種ボーナスポイントです。
条件によって点数を上下してみましょう。
■タイトルが有名作のパロディ = 3点
■1000円以下で売っている = (1000−値段)÷200点
■値札の数(値下げの回数) = 枚数×点
■4:3画面 = 3点
■パッケージが絵(非CG) = 3点
■ビックリマーク = 10個で1点
■アルバトロス・フィルム作品 = 3点
■エド・ウッド作品 = 3点
■デビルマン = 5点
これだけ並べりゃ、一流の超大作とは相当に差が出るでしょう。
上記以外にも「カルト」「アングラ」「金髪」「巨乳」などのワード1つにつき加点する方法もありますけど、これをやると一瞬ですごい点になるので留意願います。
また、一度観てみないと判断できないポイントもあります。
例えばパッケージの絵と中身が明らかに違うなど、昔から問題とされているようですね。
ひどい例になるとマンタの手から酸素が出たりする驚愕の映像があなたを地獄に落とします。
誰か訴訟を起こす勇者はいませんか?
それくらいのレベルのものなら、うんこである確率も相当でしょう。
ではそろそろ締めますか。
これらすべてを合計して、その映画が一体どの辺りに位置するのか。
発表です。
5点以下
一流超大作
10点以下
大作
20点以下
B級
30点以下
うんこ
それ以上
一流超うんこ
これ、30点超えって相当ですよ。
だって『マンタ』で20点くらいだし。
この方法論で30点を軽くオーバーするような、そんなバケモノにもしめぐり会えたなら。
あなたは極めて幸福な人間です。
趣旨が変わってきております。
そんなわけで皆さん、今日もうんこに踏ん張りましょう。
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