『恋愛CHU！』

　皆さん、エロゲー選びの基準ってあります？
　おそらくは、『絵』『メーカー』『前評判』と、こんな感じではないでしょうか。

　これは、実に正しいと思います。

　普通の人はエロゲーのレビューを書くためみたいな、マイノリティーの中ですら村八分にされそうな理由でエロゲーはやらないと思うんですよね。

　そこで今回ご紹介するこの『恋愛CHU！』ですけど。

　『絵』『メーカー』『前評判』がことごとく不明という異常な状況でお送りします。

　いやね、実はお借りしたんですよ（押し付けられた、とも言う）。

　普段の私なら基本的にベランダの鳥よけに使う所なんですけど、せっかくなので真面目にレビューしてみます。

　「ら行」補完のために。

そこかよ…。

　こんばんは。
　結婚式と葬式にしか呼んでくれない豪腕はりーです。

　調べてみた所、この作品は「SAGA PLANETS」という会社より２００１年にリリースされたみたいですね。

　コンシューマ化もされています。
　なかなかの人気作であったようです。

　コンシューマでもパンツが見えます。
　なかなかの頑張りであったようです。

　ドリームキャストです。
　大した事はなかったようです。

　それでは、中身をご紹介しましょう。

　のっけから激しい電波ソングで軽く意識が遠のきますが、絵柄の方はストレートに綺麗で可愛いと思えます。

　どうやら学園モノのようですね。
　俄然やる気が出てきました。

　当然、美しいおんなきょうしに期待が集まります。

　世の中ロリだ萌えだと大騒ぎする犯罪者予備軍がまるでキャシャーンにおけるツメロボットみたいに量産されておりますが、妖しい魅力のお姉キャラにこそ愛を感じる私にとっては、いつの日か大規模なパラダイムシフトが起きる事を望んでやまない訳でして。

　どっちにしろ病気もいいとこなんですが。

　オープニングでただの一人もそれらしい姉が出てこない事に一抹の不安を憶えながらも進めてみます。

　さて、主人公は名前変更可。
　寮から超・進学校に通う学生さんです。

　しかしこの学校の校則は、まさに大東亜戦争下における日本軍のように厳しい。

男女交際・即退学。

ふざけんなーッ!!!!

ばかっ！

ばかばかばかばかばかばかばかばかばかっ!!!!

　余剰プルトニウムの安定化に等しい地獄の環境です。

　これが男子校ならいざ知らず、ここは一応共学なのです。

　これが犬なら１０日ほどで立派な犬神ができるでしょう。

　これではとても楽しい学園生活は営めません。
　よって主人公は、出会い系サイトに潤いを求めて旅立ちます。

　この辺、常識で考えれば、主人公が得る物はツメロボットのような広告メールの山なんですけど、そこはエロゲー。

　「ＮＡＮＡ」というハンネの彼女をいとも容易くゲットします。

　肉体を持つ我々にとっては不可能に近い事ですが、エロゲー宇宙の神はまことに慈悲深いのです。

　しかしまあ、いくら彼女ってもメル友に過ぎませんけどね。

　会えないんじゃしょうがない。

　…とか思ってたら。

突然、同棲します。

初めてＵＦＯを見た時、こんな心境になるんでしょうか。

ＪＯＪＯで言う所の「ザ・ワールド」です。

いきなり押しかけて来て、いきなり一緒に暮らし始めるＮＡＮＡちゃん。

ここは男子寮です。

「弟の名前を使ったから、嘘は言ってないよ」

それは詭弁です。

「転校生を紹介しよう」

気付けよっ!!!!

　先ほどから頭がクラクラするのは、生理が近いからでしょうか。

　そしてなおかつ。なお、その上。

いきなり服を脱ぎ始めるＮＡＮＡちゃん。

いきなり主人公のチ○コをくわえるＮＡＮＡちゃん。

…すごい処女です。

　ことエロゲーに関して常識というのはジオングの足みたいなもんですが、ちょっと考えてみてください。

　例えば私、たま～に自作ゲームの感想とかをメールでいただくんですよ。
　もちろんお返事も出しますよ。

　…でも。

　その方の家にいきなり押しかけたら、たぶん相当引かれると思います。

「初めまして。同棲しよう。ぱくっ」

ふざけんなーッ!!!!

ばかばかばかばかばかばかばかばかばかっ!!!!

　…もうね。
　あらゆる角度から太鼓の乱れ打ちです。

　あなたの気力を最後まで吸い尽くすパワーがあります。

　まず通報するんじゃないかと。

　宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえません。

　その昔、無垢な少女をさんざ犯りまくるひどい話がわりとウケていたようですが。

　最近ではこの手の都合の良さに愕然とする展開のゲームが多いみたいですね。

　上を向いて口を開けてりゃ美少女が降って来ます。

　そういう何の努力も要らないお手軽ラブラブストーリーが楽しめます。

　ぶっちゃけ、ＮＡＮＡちゃん以外のヒロインは全員寿司屋におけるガリみたいな存在ですけど、絵さえ良けりゃ何でもいいという価値観の方にはお勧めします。

　おんなきょうしは不発だったしねえ。

　コンシューマ化されたという事は、そこそこ人気はあったんですよね？

　この国の平和っぷりが垣間見えたような気がします。

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