もはやすっかり忘れ去られたこのコーナーですが、皆さん覚えておいででしょうか。 今さら続けるのもなかなかに恥ずかしいモノがあるわけですけど、一応リクエストも来ましたしね。 今回は、この人にご登場願いましょう。 『キャバ嬢 A GOGO !!』出演の黒服・ジンさん。 「なぜ?」という疑問は分かります。 それはもう痛いほど分かるのです。 ネタが無いわけでは無いんですよ。ほら、こいつら放っておけば勝手にネタを提供してくれるような連中ばかりですから。 いや、たまには毛色の違う事を書いてみたくなりましてね。 今回はこの【気は優しくて力持ち】のジンさんと、【気は短くて力持ち】の桂木の出会いを語りたいと思います。 「同じ大学なんだよね」 そうなんです。 桂木とジンさん、そして広海さんは同じ大学の同窓生です。 『キャバGO』においてはなぜか無意味にゲスト出演したのもあって、いつの間にか勝手にそういう事になっていました。
時は今よりずっと前、この3人が大学に入学した頃に戻ります。 桂木でも入れる大学なので、それほど凄いアレではなさそうです。 入学式のありがた〜い訓示を聞かされた後、ぞろぞろと帰路についている場面だと思ってください。 そこに桂木登場。 「おう、あんた。…お前さんだよ、そこの」 桂木、突然ジンさん呼び止める。 念のため、二人は初対面です。 ちなみにこの頃はまだ、お互いに髪の毛を染めていない模様です。 「・・・? 僕の事、かな?」 この頃はまだ、ジンさん「僕」とか言ってます。 「そう、あんただ。…いくつ?」 「・・・・は?」 桂木、いきなりの謎かけ。 繰り返しますが、二人は初対面です。 「いや・・・。18だけど・・・」 「そんな事は知ってんだよ」 「・・・・は?」 「とろい奴だな。そう言われねぇか?」 「その、よく意味が分からないんだけど…」 「いくつって言ったら、身長の事に決まってんだろ」 それはお前だけだ桂木。 どうもこの桂木という男、自分よりも身長が1ミリでも高い奴を見ると本能的に敵意を感じるらしいのですよ。 確認しないと気が済まないんですね。 はっきり言っていいと思います。 バカです。 こんな奴につかまってしまったジンさん。 柔道をやってると知られちゃったからもう大変。 部員でもないのに勝手に押しかけられて毎日のように寝技、投げ技、空中殺法に付き合わされてしまいます。 「おう、また新技考えたんだけどよ」 「勘弁してくれよ…」 ジンさんで大丈夫だった技を一般人に試して大怪我とかね。 あまつさえ。 柔道部を震撼させた、百姓一揆みたいな騒動にて。 どこをどう考えても焚き付けたのは桂木だと思われるんですけど。 退学になったのがジンさんで卒業できたのが桂木という、世の中の不条理を一手に引き受けてしまうのでした。 合掌。 ところで『キャバGO』の後日談ですが。 あんな所で再会してしまった二人の大男ですが。 桂木、広海さんに早速報告です。 「そーいやこの前、あいつに会ったぞ」 「あいつって誰の事?」 「え〜と、アレだ…。そう、柔道」 なんだか悲しくなってきます。 「…だから誰の事よ!?」 「アレだっての。あ〜、例の…。退学んなった…」 「ああ! あの暴力事件の!」 あんたもひどいよ広海さん。 基本的にジンさんは、「運」というカテゴリーに関しては完ッ全にスキだらけです。 周りに全部吸い取られています。 体はあんなに頑丈なのにねえ。 ちなみにこの大男二人ですけど。 わりと近所に住んでいるらしく、その後も時々顔を合わせています。 ちょっと長くなりますが、こんな事もあったようです。 「よお、柔道」 「お前か…。どうした急いで」 「お前だって走ってるじゃん。便所か?」 「走るのが日課なんだよ。お前は?」 「俺はアレだ。角の定食屋、憶えてるか?」 「ああ、懐かしいな。安いから世話になったっけ」 「あそこの親父、ツケが効いたしなぁ」 「親父さん、まだ元気でやってるのかな」 「もう隠居だとよ。息子夫婦が継いでたぞ」 「ほう? まあ、いい年だったからな…」 「そんな事、ちっとも知らなくてよ…」 「・・・・・・・・・」 「だから今、走っているのだ」 「払って来い!!」 駄目すぎて何も言えません。 …この後の桂木、ハレー彗星くらいの頻度で返す予定の1000円ゲット。 「会えばケンカばかりしていた」とジンさんは言ってましたけど、次に会ったらブック無しのガチンコでお願いします。 合掌。 以後、この二人が共演するかどうかは、作者にもさっぱり分かりません。 なので期待はしないように(笑)。 BACK HOME |