『マニアとヲタク』




 え〜、世の中、マニアとかヲタク(←この引用では語源が中森明夫さんになってますが、全国区にしたのはおそらく三宅裕司さんのラジオ放送でしょう)とか呼ばれている方々がおられます。
 まあ完全に無趣味の人間がそれほどいない以上、誰しもがその傾向を持っているとも言えるわけですが。
 あえて分類すれば。
 マニアは趣味の深度に起因し、ヲタクは趣味の対象に起因する…、という定義も(少々乱暴ですが)可能であるかも知れません。
 色々とご意見はあると思いますけど、今回の記事はその線について考えてみましょう。

 かく言う私もその昔、エンスーと呼ばれる人種の片隅に位置していた過去があります。
 当時の愛車、75年式ミニクーパーは、毎年車検で30万持っていく可愛い奴でした。
 暑い日にはオーバーヒートし、雨が降ったら水が入って停まるし、冬場はエンジンかからんし、もう春と秋の晴れた日にしかマトモに走ってくれない奴なんです。
 古〜い車ですからね。
 私よりは年下ですけど(笑)。

 ウェーバー40Φ、RC40のマフラー、コニーのショック、コブラのシート、軽量化のために後部座席を取り外し、それで普通にゲタしてました。
 音だけ聞いてると200kmは出てましたね。
 100kmちょっとしか出ませんでしたが。

 んで、これはマニアでしょうか、それともヲタクでしょうか?
 Wikiによる引用に従えば、どちらからも若干離れた概念みたいですが。
 それでもどっちかと言えば…さて。
 どっちにしろ、一般の方にはあんまり理解されない趣味のような気がします。
 …どっちでもいいような気もしますが。



 野球のピッチャーに例えてみましょう。



 マニアとは、特定の球種しか投げたがらない人かも知れません。
 それはそれは剛速球で、普通のバッターにはとても打てるもんじゃないです。
 てかキャッチャーも捕るの大変です。
 そして投げる本人は、その球に絶対の自信を持っているんです。
 それはもう魔球のレベルに達しています。
 ただし、それ以外の球はぜんぜんヘロヘロだったりします。

 対してヲタクとは、特定の打者にしか投げたがらない人かも知れません。
 そいつにだけは絶対に勝てます。負ける要素がありません。
 そのためにだけ特化した投手です。
 打者の心理から何から、全部把握できてしまうんです。
 その打者に対してのみ、守護神として君臨する力があります。
 ただし、他の打者には打撃投手以下の働きだったりします。



 これが極端になると、どうでしょう?
 「言葉のキャッチボール」をしてみると分かります。

 マニアの相手は大変です。
 何しろ全部が剛速球です。
 受けるこっちの身にもなって欲しいのですが、お構いなしにゴンゴン投げて来やがります。
 このタイプはただ好きな球を投げたいだけなのです。
 こういう輩とキャッチボールができるのは、すべて受け止められる者だけなんです。
 いきおい会話が成立しません。

 ヲタクの相手も大変です。
 好きな相手にしか球を投げないからです。
 そもそもキャッチボールが始まりません。
 こっちが球を投げても受けられないんです。
 慎重に球種を選んで投げてあげる必要がありますが、そうした途端に嬉々としてキャッチボールを始めます。
 こういう輩とキャッチボールができるのは、同じ球を投げられる者だけなんです。
 いきおい会話が成立しません。

 という事で。
 実に極端な例ですが、何事も極端になるとそれ以外の人とのコミュニケーションが取れなくなる恐れがあります。
 怖いですね。



 そういう事を見極めるために。
 自分自身は一体どうなのか、それを知る方法はないものでしょうか?
 グラフか何かにできないでしょうか?
 ちょっと考えてみたんですけども。



 例えばですよ。
 x軸をマニア度に、y軸をヲタク度に取る事で、一次関数のグラフみたいに表せないもんでしょうか。



 上の車の例だと、改造の度合いがマニア度に、改造という行為がヲタク度に、それぞれポイントできそうです。
 マニア度は、「誰でもこの程度」から「宇宙一」まで。
 ヲタク度は、「普遍的」から「誰一人として知らない」まで。
 段階分けしてグラフにしてみると、面白いかもしれませんね。

 ヲタク度に関して言えば、例えば「ゲーム」は普遍的です。
 「エロゲー」になると狭まります。
 特定の会社、特定のタイトルと進むうちに、どんどんグラフは上昇します。
 特定のキャラ、特定のセリフや場面と来れば、もう頂上も近いでしょう。

 あなたの趣味は、どの辺ですか?



 そしてもちろん、程度の差こそあれ、誰もがマニアで誰でもヲタクの気質を持っているはずです。
 わりと負のイメージとして扱われがちな両者ですが、きっと大丈夫です。

 キャッチボールさえできれば。



 ※ちなみに、「真性」「仮性」という分け方もあります。
 真性の人は、自分の趣味を神聖なもの・崇高なものと捉えています。
 仮性の人は、自分の趣味を恥ずかしいもの・後ろめたいものと捉えています。

 さて、あなたの趣味はどちらでしょう?



 日本男児のチ○コは仮性が多いと聞きますが、実際どうなんでしょうね。



back


home