『夏の終わりに…』





まずは、こちらをご覧ください。


…普段着です。


そうです。バカです。


しかし…。





頭はいいんです。


全国800万のお姉フェチの皆さん、こんばんは。

誰もがまず見向きもしないマイナーなゲームのレビューが始まりました。

今回は、夏場に放ったらかした味噌汁みたいに香ばしいマイナーゲームの中から、厳選した逸品をお届けします。

その名も『夏の終わりに…』!!

「甘酸っぱい」とか「ほろ苦い」という言葉の結界から、ぎりぎり髪の毛一本分だけ留まった作品をご紹介しましょう。

あれは2000年の事でした。
エロゲ史上最も芳醇な年と歌われ、各メーカーは死力を尽くしてしのぎを削り、後世に残る傑作が次々に生まれた幸せな年でありました。

右を向けば『AIR』。
左を向けば『Phantom』。
他にも『ELYSION』『まじかる☆アンティーク』『夜勤病棟』などなど、そうそうたる面子が名を連ねているわけです。

全部他のサイトの受け売りですが。

さて、そんな黄金期の前年、1999年に発売されたこのゲーム。
進化の波に完璧に押し流されて、まるでタスマニア島の珍獣みたいにひっそりと消えていった不幸なゲームです。

まずは、原画がフレッド・ケリー。
私、とっくに30過ぎですけど、この人私が中学の頃にすでに売れっ子でした。

過ぎたるは及ばざるが如し。

内容なんですけど、いわゆる家庭教師モノですね。主人公が教える方じゃなくて、美人のお姉さん達が日替わりで主人公をイロイロ教えるという、イタリア映画の「青いナントカ」シリーズのダイジェスト版みたいな感じです。

陳腐です。安直です。狙い玉のストレートです。
しかし、それこそ王道という奴でしょう。

素敵なお姉さんに手取り足取りえっちな事を教わるなど、現実には有り得ません。これはゲームにだけ存在できる桃源郷です。

私だってアザラシに生まれたかった。
そんな思いを解決してくれるのが、この手のゲームのいい所なんです。

…しかし。

「濃度11%の食塩水が180gあります。これを薄めて濃度が9%の食塩水を作りたいわけ…」

…知るかそんなもん。

このゲーム、随所にこういう3択形式の問題が出てくるんですよ。んで間違うと好感度っぽいグラフが下がっちゃうんですよね。

エロゲの教師が勉強なんか教えるんじゃねーよと、しごくまっとうな意見のひとつも言いたくなるんです。

まあ、ぶっちゃけ問題の前にセーブしときゃいいんですけど。

セーブ総数・8個

「てめえの頭は真空管か」と拳を振り上げたくなる切なさが襲います。

一応、どのシーンでもセーブはできますが、セーブの単位がシーンごとに決まっているらしく、下手にロードするととんでもない所まで気持ちよく戻されます。

もしかしたらこの姉さん達は、「人生とは繰り返す悪夢のようなものだ」というのを教えたいのかも知れません。

諸行無常の精神で挑むべきなのでしょう。

なお、先生と生徒の危うい関係を踏み越えるには、まるまる一ヶ月くらいは勉学に励まないといけません。

エロゲームというより罰ゲームみたいですが、せっかちな人のためにとりあえずの救済策が施されています。

それは、夜の間に一人寂しく自家発電にいそしむパートです。

ここだけすごいリアルに作ってありました。

要するに、あんまり「溜め」てしまうと、押さえがきかずに問答無用で「先生が悪いんだぁ〜! ぼくをそんな格好で誘惑するなんて〜!」と襲いかかってバッドエンドになっちゃうからなのです。

こうしてひっそり抜くシーンで、妄想によるエロシーンが出てくるわけです。

正直、すごいウザイですが。

何しろ、やる事なす事ほとんど「作業」なんですよね。しまいにそれが苦痛になってくるんですが、真の苦痛はこれからです。

主人公の幼なじみで、茜とかいうクソアマが出てくるんですよ。
こいつが事あるごとに絡んでくるのです。

「あの女はヤリマン」だの「悪い噂を聞いてるよ」だの、せっかく先生とラヴラヴになりそうな所を必死になって邪魔してきやがるんです。

顔に焼きゴテ押し付けても足りないくらいに逆上できます。

だいたい、この手のゲームを買うのは生粋のお姉属性のはずでしょう。色気もクソもないお隣さんにフラグを立てる暇はないのです。
それでも多少の魅力があれば、適度な選択肢でかわしてやろうとも思えるんですが。
みずから魅力をかなぐり捨て、地雷に化けてどうするんですかね。

一応、こいつともヤレるんですが、コンプしたい人以外は無意味ですね。

しかし恐怖はまだまだ続きます。
このゲーム、なんとバックログがぜんぜん効きません。戻れるのは一つ前のセリフだけです。もしかしたらこの姉さん達は、「人生とは前だけ向いて歩くものだ」というのを教えたいのかも知れません。

また、ウィンドウ・フルスクリーンの切り替え時など、やめてくれよと言いたくなるほど止まります。

さすが前世紀のゲームです。

修正パッチを当てると改善されるんですが。
修正パッチが2.2メガもありまして。

何から何まで素晴らしいゲームと言えましょう。

あ、でも。
いい所だっていろいろあるんです。

別の宇宙からやって来たとしか思えないような想像を絶する爆乳なんかもいます。

どれくらいかと言うと、あのカジワラタケシが貧乳に見えるくらいですね。
チチスキーには朗報かと。

先生のラインナップも「清楚なお嬢様系」「イケイケ高ビー系」「メガネ巨乳おどおどマゾ系」「スポーツ元気姉さん系」「金髪メリケン爆乳系」と、広い範囲をカバーしています。てか、総じてみんな乳が枕のようにでかいのが特徴ですね。

貧乳・妹属性の方は見向きもしないでしょう。その辺、奇妙なストイックさを感じます。

まあ、さんざ悪口言ってますけど、私はそれでもこのゲームを愛しています。
だってアザラシになりたいじゃないですか。

いや、ハーレムエンドこそありませんけどね。3人同時進行で落とせるわけで。
私、とっくに30過ぎですけど、家庭教師は20歳でもお姉さんです。

最後は、ちょろっとだけホロッとできますよ。あくまで髪の毛一本分くらいですけどね。

この素敵なゲームを手に入れようと、酔狂な考えを持ってしまった人にお伝えしておきます。
販売元の「DEEPS」という会社は現存しません。

『夏の終わりに…』の夏という字を会社に変えて、ひっそりとお亡くなりになられました。

まだ中古市場では出回って入る可能性もありますね。パッケージが小さなCDサイズ(これは好感が持てます)なので、見落とさないよう気長に探してみてください。

ただ、ネットで検索しても全然見当たりません。
森山直太郎とか出てきます。




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