『MIX☆MAX』








突然ですが。
皆さん買い物上手ですか?

ちゃんと各店舗を回って、どれが安いか考えたりします?

私の買い物は簡単です。
見た瞬間に買いです。

こんばんは。
脊髄反射の豪腕はりーです。

大抵のモノには値段が付いてまして、誰でも安くていいモノを買いたいもんです。
私だってそうです。

されど。
早押しクイズのように手に取ってしまう悲しさも、人間だったら当然です。

今回ご紹介する、この『MIX☆MAX』。

そんないきさつで買ってしまった作品です。

いや。
だってほら。
480円だったし。

その程度の値段なら、ソフマップあたりでセンベイのかけらを「こわれもの」として投げ売るみたいな感覚で売っているわけですが。

パッケージを見た途端、哀切なる信号をキャッチしてしまったのです。

まずは、絵です。

すごいです。

今まで数多くのマイナーゲームを紹介してきましたが、そういう屁のツッパリにもならない作品に十分比肩します。

下手とか上手いとかはこの際無視です。

顔はまだ見られますが、バランスがすごい。

ガンプラみたいです。

肩にトゲ付ければ立派なザクです。

このゲーム、2001年の作品なんですけど、廃刀令はまだかと疑ってしまいます。

そしてさらに、パッケージの文句が大変です。



マイコン部の存亡を賭けた戦いが今始まる!













いや、その…。



マイコン部…。







ナンデスカ?




…この国はどこへ行ってしまうのでしょう。
本当に今は21世紀なんでしょうか。

さて。
軽やかなるステップで思考を軽く蹂躙されたわけですが、めげずにストーリーを紹介しましょう。

経費削減で廃部のピンチを迎えたパソ…もといマイコン部。
主人公は立ち上がります。

世紀の発明パワーゲートで、華麗に文化祭デビューを目指すのです。

いやあ、パワフルですね。
このパワーゲートとかいうふざけた名前の物体は、要するに脳内通信を可能にするツールのようです。

考えている事が、相手に伝わるわけですね。
確かに世紀の発明なんですけど、完成のための条件がすごい。

4人の女とえっちする。

…………………。

一瞬、思考が途切れました。
この私のもどかしさを、何とかあなたに伝えたい。

私が欲しいよこのツール。

実はこれ、生殖細胞を利用して交信するみたいですね。
だからサンプルが必要なんですが。

ニュートンでも無理です。

まあ、無理やり専門用語とか使ってそれらしく見せてはいます。

何の説明も無いままに超常現象がころころ起きる昨今のエロゲー界において、多少なりともリアリティを出そうとしているのは評価しましょう。

ぜんぜん出てないけど。

そんなわけで、文化祭での発表を目指し、1ヶ月で4人の女を落とすという手段と目的を履き違えた旅に出ます。

ここから学園ものの王道ですね。
無駄に各教科の3択問題が出る所なんか、モロそれ風です。

クリアには関係ないですけども。

ただし、ご多分に漏れずこの作品もえっちシーンがヘロヘロです。
何しろ時間が短いんです。

これほどまでの早漏は貴重です。

もう猫まっしぐら。

そして、この技術をもたらした天才少女がすごいです。

初対面でいきなりフェラです。

たとえデータを集める事が主題とは言え、それはやっちゃいけない事でしょう。

何の脈絡も無く保険の先生の乳を揉んだり、もうメチャクチャです。

この保険の先生も、なかなかツワモノですよ。

名前が「さくら」。

口調が「おぬし」。

噂で「巫女をやっている」…。








今すぐアクセス。




いや、顔は全然違うんですけどね。

「巨根」と「ちょこん」くらい違います。

ただし良い点もあります。
本家よりもだいぶ巨乳なんで許しましょう。

実際の所、この作品は整合性もフラグもメチャクチャなんですけど。

システムの方は輪をかけてメチャクチャです。

ちょっと上げ連ねてみましょうか。

ボイスなし。
バックログなし。

ボリューム調整なし。
フォント変更なし
(マジ字が細くて大変です)。
BGM鑑賞モードなし。
シーン回想モードなし。

そしてなおかつセーブ総数10個。

足りないどころの騒ぎじゃありません。

本当に今は21世紀なんでしょうか。

私、初めて■外道狩り■より貧弱なシステムに激突しました。

同人ゲームに超えられてどうする。

そんな状況に加えて、これです。








学校の先生です。




本当の話です。

モビルスーツではありません。



北斗の拳の悪役かと。








違和感なし。




久々に、清々しいほどうちのレビュー向きなゲームです。

だって、シーン切り替えの際に前のセリフが残ってて重なっちゃうんですよ。

部活のシーンなのに、なぜかバックが映画館なんですよ。

所によっては改行も変だし、こんなの1回テストプレイすりゃ分かる事じゃないですか。

私、前から思っていた事があるんですよ。
同人ゲームよりプロの作ったエロゲーの方がバグが多いんです。

この理由を考えてみたんですが。

たぶん愛です。

同人でゲームを作るのって、けっこう大変なんですよ。
そこは愛でカバーです。何回も何回もテストプレイして、やっと嫁に出すわけです。

対してプロには、締め切りがあります。

仕事ばかりじゃ夫婦の仲も冷めちゃうのです。

愛ではご飯は食べられないのです。
同人とは、立ち位置が違うのですね。

だからといって許されるわけではないですが。

ここだけは、ぜひ守っていただきたい所ですね。

さて、そろそろ頑張ってよかった探しをしてみましょう。

まずこの作品、どうやら1週目は必ずバッドエンドになるような気がします。

どこにも攻略が載っていないので、確かな所は不明なんですけど。

いや、攻略だけではないですね。

たぶん全宇宙でレビューがあるのはうちだけです。

何度検索してもヒットしませんでした。
間違ってたら謝ります。

このバッドエンドがまた激しいです。

いきなり放火魔にさせられ逮捕。

何の余韻も無しに終わります。

努力って何だろう。
そんな言葉が胸をよぎりました。

これでは悲しさが元で死んでしまいそうです。
さらに続けてみます。

するとトゥルーエンドで。

予想だにせぬ驚愕の展開が。









ナニィィッ!?




いやこれ、さすがに書けません。

ぜひご自身の目で…って売ってんのかこんなゲーム。

まあ、手に取る機会があったらご確認ください。
どうせ安いし。

いきなりその展開かよと、言いたくなる事必至です。

何の伏線も無しに突如出てくる新事実とか、そらもう腰が抜けそうでした。

やはり、ただの学園ものではなかったのです。

巨乳の保険の先生が活躍する所を見たいなら、ぜひ頑張って続けましょう。

シーン自体は少ないですけどね。



さて皆さん。
買い物は上手ですか?

例えば、水にも値段がありますよね。

日本はアホほど便利な国なんで、蛇口をひねれば普通に水が出てきます。
でも、もちろんタダじゃありません。

こんな感じで。

水道水…1ヶ月基本料金・920円(東京23区)

ミネラルウォーター…88円〜140円(500ml)

針山の流水…19800円

何だか妙なものが含まれましたが、どうやら亡者の血と苦しみが混ざった霊的汚水であり、強烈な邪気を放つそうですよ。怖いですね。

あなたならどれを買いますか?

という事で。

この『MIX☆MAX』ですが。

定価8800円です。

定価で買っていたらと思うと、背筋が寒くなります。

強烈な邪気を放っている作品です。

マイコン恐るべし。






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