『戦巫女』








今回は、大宇宙の真理のお話です。


清楚。清純。純潔。


では問題です。

これらの単語にもっとも相応しいと思われる制服を選びなさい。

はい、もうお分かりですね。

日本で生まれ育った成人男子すべての大脳に刷り込まれた赤い袴。

田舎のガキでも知ってるその姿。

その実態は誰も知らない謎の職業。

日本列島端から端まで、いやさ北は樺太から南は尖閣諸島まで、知らぬ者のないほど認知度の高いこの制服。

その割に、「んじゃどーいう商売よ」と聞かれても、100人のうち83人くらいが山本リンダになってしまう職業ですね。


それが巫女さん。


いや、実に不思議な存在であります。

おみくじ売りと境内の掃除以外で、普段彼女たちはどのようにして過ごしているんでしょうか?

誰も教えてくれなかった謎。

その答がここにありました。

秘密の扉が開かれたのです。

そうです。







保険室の先生です。




男、豪腕はりー。
好奇の目には慣れました。

てか、ぜんぜん違います。

うちのレビュー、わりと温故知新という言葉が出てきますけど。

古いゲーム全部に付けるのは間違ってますね。

今回のこの『戦巫女』なんて、97年の発売ですからだいぶ昔の作品なんですね。

なんでガンダムの時代に「宇宙の戦士」やねん、という気持ちは分かります。最新のゲームを取り上げれば、うちのサイトも少しはヒットが上がるでしょう。

でもね。

そこは愛です。

このゲーム、なんか他人が作ったとは思えないんです。

その理由をご説明いたします。
まずはストーリーから。

主人公の名前は皇志狼(すめらぎ・しろう)。


そんな奴いねえよ。


数奇な運命から、怪者(けもの)と呼ばれる化け物を退治する事を生業にしています。

しかし偶然とは怖ろしい。

あるエピソードをきっかけに、それまで普通の女子高生だった飛鳥ちとせの師匠となり、彼女を鍛える事になります。

真の敵を倒すために。

ちとせの中に眠る能力。

それが次第に明らかに…。

ええと…。



……。

…………。

………………。






呼んだか?はい?



…しかし偶然とは怖ろしい。



誤解のないようにお伝えしておきたいんですが、■外道狩り■はオリジナルです。

この『戦巫女』、発売は97年ですけど、私がプレイしたのはつい最近ですので。

いきなり保身に走る所が小さいですが。

いや、だってこれシミュレーションなんですね。
いわゆる育てゲーなんです。

週の最後に特訓メニューを決めて、巫女のちとせに修行させるんです。

戦うのはこの娘で主人公は防御だけです。

まるでどこかの同人ノベルみたいに投げやりな主人公ですけど、それには理由があるんです。

この主人公、実は能力が(少なくとも最初のうちは)使えないんです。

なぜなら冒頭、ちとせの命を救うためにその力を分けてしまったんですね。ちとせに。

鬼コーチになって巫女さんを鍛えましょう。

要するに、そういうゲームです。



しかし、しかし。

致命的な欠点がこのゲームには存在します。

欠点というよりすでにバグです。

ストーリーも育成も大きな欠点がなく、安心して進められるのに、ただこの1点だけですべてがぶち壊しです。

それは、ボイスです。

正直、聞くに耐えません。

デビュー当時の安田成美だってもっとマシでした。




「かぜのたにのォ〜、なう〜しか〜」




ケンカ売ってんのかこの腐れアイドルもどき!!!!




そんなんだから宮崎監督に干されるんだよ。

このパチモンが!!








お前もだ!!!!




お前は…いいや。


どうでも。




という事で。

ぜひとも音声はオフでプレイしましょう。

天下のアリスソフトさんも、やっぱり完璧ではなかったんですね。

結局の所この作品、ヒロインのちとせにどれだけ思い入れができるか、そこで評価は分かれます。

というか、何があろうと巫女さんと心中するくらいの覚悟があれば、そこそこは楽しめると思います。

そう、あくまでそこそこです。

このゲームは一般作です。

えっちシーンなどありません。

何をとち狂ってこんなギャルゲーもどきを作ったのか、どうにも理解に苦しみます。

「こんな事もできるんだよ〜ん」というアピール、でしょうか。

巷のレビューでは、「必然性のないエロを敢えて切った所に好感が持てる」みたいな書かれ方をしていたりもするんですけど。

確かに必然性のないエロは見苦しいんですけど。

でも、ちょっと待ってください。

切った結果がこれですか?

だって、エロゲーのメーカーでしょ?

自分の一番得意な技をわざわざ封じて作る意味があったんですか?

いや、そういう試みが悪いと言ってるわけじゃないんです。
挑戦する心は大切です。

ただ、そうしたおかげで際立った良い点がスポイルされ、単なる特徴のない「丸い」作品になってしまった気がするんですよ。

カレーライスのカレー抜きみたいなもんです。

際立ったのは下手な声だけ。

非常に立ち位置の微妙な作品と言えるでしょう。




それでは最後に。

せっかく巫女なんですから。

ここはやはり。








茶髪が巫女をやるんじゃない!!!!

 別に茶髪じゃないですけど…。


大宇宙の真理ですね。






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