『ヘルゲイト』 (後編)
『クイーンズゲイト』
『わんにゃんゲイト』
もういいよ。
そういうわけで、お待たせしました【ヘルゲイト】レビューの第二弾。
果たして待っていた人間が何人くらいいるのか気になる所ですけど、今回もまた飛距離を稼ぎたいと思います。
例によって画像多めでお送りしますので、ペケる場合はリロード願います。
バタ子がいつ脱ぐのかという点に照準を絞り、それ以外は無視して進みましょう。
はっきり言ってそういう映画です。
この手のB級映画には必ずおっぱい係の殺され役が付き物ですけど、まさか主役みずからそれをやるとは探偵ファイルでも気付かないでしょう。
しかしそこに現れたのは、不気味な男の影。
おそらく二人の後をついて来たのでしょうね。
WWEのマンカインドを思わせる不気味なラバーマスクをしたその男。
プロレスファン以外にはまったく分からないでしょうけど、なんか網っぽい変なマスクだと思ってください。
ようやく出ました。
きっとこいつが殺人鬼ですね。
殺人鬼が出るなんてどこにも書いてないんですけど、それ以上に伏線もへったくれも無いんですけど、ともかくこのマスクマンがキモでしょう。
そう思っていたら。
正体パパでした。
伏線もへったくれもありません。
何しに出てきたんだこのバカチンのパパは。
何だか娘の淫行を覗きに来た変態パパに見えてしまいます。
格好からして立派な変態です。
こんなのが街を治めている所に恐竜絶滅の鍵があるかもしれません。
そんな事よりバタ子です。
ポール持って裸で踊るアメリカのストリッパーのごとく、あからさまにケツをふりふりサオのサオを撫で回します。
まるで釣りキチ三平です。
サオを握らしゃ日本一ですね。
親が親なら子も子です。
変態には変態を。
まるでハンムラビ法典のような因果応報を感じます。
ただし何がしたいのかは分かりません。
ナニがしたいのは分かったんですが。
大体、バタ子が生き返ったのは復讐だか何だかでしょ?
通りすがりの男のチンコを咥えこむのが復讐だとは思えません。
単に淫乱なゾンビです(そんなゾンビは嫌ですが)。
サオもサオで、別にバタ子と過去のつながりとか因縁は何もないんですね。
本当にただ通りかかっただけなんです。
アメリカでは、通りすがりにゾンビにチンコをしゃぶられる事がそんなにポピュラーなんでしょうか。
さすがは肉食人種ですよ。
ぶっちゃけバタ子はゾンビですけど、ゾンビらしいメイクも何もなく単なるビッチとして描かれています。
清々しくもバカバカしい映画です。
出てくるすべての登場人物が何をしたいか分からない、でもセックスはやりますよという姿勢がまるで原始時代に戻ったような錯覚を覚えます。
ただしバタ子には最後まで翻弄されます。
何しろ全部寸止めですから。
黒沢明ならチャンバラ指導に即採用するレベルです。
どんなに頑張っても見えてくるのは一瞬の乳首とグンゼのパンツみたいな安っぽい下着だけなんです。
お前は脱いでケツ振る以外に何の取り得があるのかと。
川原で石でも投げたくなる一瞬です。
サオも少しは抵抗しろよ(笑)。
しかし、ここで動きがありました。
パパが突然乱入して来るんですよ。
片手にナタを持って。
乱心して乱入して乱交に突入でしょうか(違います)。
この乱入が「ワシの娘に何さらすんじゃヴォケ!」みたいな感じだったら分かります。
しかしパパが言うには。
「その男はワシの獲物だ」
まさかの男色。
どこまで旅すれば天竺が見えてくるんでしょうか。
モニターを叩き割らなかった自制心を褒めていただきたい。
この瞬間の私ならガマクジラを素手で引き裂いていた可能性があります。
ともかく糞でない瞬間がありません。
うんこ映画の梁山泊、あのアルバ様に負けるとも劣らないスーパー排泄物。
それがこの【ヘルゲイト】です。
サブタイトルは「暗闇の町」というんですけど、確かにこの映画の未来には暗闇が立ち込めそうであります。
大体、ナタを持つなら語尾を「かな?」にするくらいの気概を持ち合わせて欲しかったと思います。
本気でやったら神棚に飾りますよ。
しかし悪夢は始まったばかりでした。
あまりの事にドギモを抜かれ、命からがら逃げ出すサオ(当たり前)。
サオのくせにサオも使えぬ可哀相なサオであります。
そしてそれを追うパパ(変態)!
青いビームを撒き散らし、周囲の岩や木々を吹き飛ばしながら迫ります。
完ッッ全に兵器です。
しかも当たらない。
その石は一体何なんだね。
そしてパパは何がしたいんだね。
娘を生き返らせ、金魚は怪物化、召使いは爆発して持ち主は変態になる石ですか?
もはやヘルゲイトという街の伝説ではなくキチガイ親父の伝説です。
キチガイに武器を与えてはいけません、という啓蒙映画なんでしょうか。
そして必死に逃げたはずのサオも凄いです。
その日のうちに仲間と一緒に戻ってきますから。
3歩歩いたら忘れやがったよ。
こやつをバカと呼んだらバカに対して失礼です。
こういう脳ミソの容量がファミコンよりも劣る奴が主役なんかやってるから、うんこ映画は素晴らしいんですね。
ひとまず、登場人物たちが何をしたいか書いてみます。
【バタ子】
サオと一発やりたい。
【パパ】
青いビームを乱れ撃ちたい。
【サオ】
街から出たり入ったりしたい。
かえって分からんわ。
およそ我々の理解を超えた所に真実がありそうです。
ここまで難解な映画だったとは。
この映画を家族と観ると、目に見えない永続的な溝が生まれる危険があります。
くれぐれも用法を守りつつ、苦情は私でなくて配給会社に言ってください。
正直な話、私の人生における最も長い90分になりそうです。
この苦行を終えたからといって、日常生活にはまったく役に立たない点が悲しさマックシングであります。
…続けましょうか(笑)。
え〜、夜中の墓地を行く4人のバカです。
サオもいればチャックもいるし、怪談大好きっ子の岸田今日子もいます。
ハイスクール奇面組みたいなラインナップです。
もし墓地に警備員がいたら銃を乱射する場面です。
しかし明るい墓ですね。
まるでライトで照らしているかのようですよ。
ところで私はアメリカの墓については何も知らないんですけど、墓石には死因まで書かれてるものなんですか?
「馬に蹴られて死亡」とか書いてあります。
遺族は文句を言っていいと思います。
そうこうしていると、フラッシュバックのようにバタ子の現在の映像が重なるんですね。
ベッドに横になり、何やら考えているようです。
「やっと…。やっと私の元へ来るのね…」
それほど犯りたいようです。
繰り返しになりますが、サオとバタ子はさっきのあれが初対面です。
確かこいつは清純なまま死んだような気がします。
ゾンビになると性欲が強くなるんでしょうか。
ここでちょっと、ゾンビ映画の「暗黙の了解」について書いてみましょうか。
まずゾンビってのは動く死体です。
当たり前なんですけど聞いてください。
ゾンビ成立の過程が何であれ、動くためにはエネルギーを必要とします。
大抵のゾンビ映画では、それは生きている人間の血肉。
これこそ笑点における歌丸師匠の死亡ネタと同じくらいにお約束な、ゾンビ映画の大前提と言えるでしょう。
かたや【ヘルゲイト】。
その辺の説明が何にもありません。
そういう中心点のボケッぷり、言うなれば恐怖の指向性がはっきりしていないからこの映画は駄目なのでしょう。
(参考)横綱
何度も書きましたけど、つまんないです。
恐怖を示す要因として、「青いビームを出す石」→「ゾンビ」のラインがあるにはあるんですよ。
分かりやすく書くと、この石の役割は【バイオハザード】におけるT−ウイルスみたいな位置のはずでした。
それが一足飛びにビーム兵器ですよ。
それじゃゾンビいらねぇじゃん。
これは完全なる個人の嗜好なんですけどね。
守らなきゃいけない所はしっかり守って欲しいんだよね。
オナニーじゃねぇんだから。
バタ子の場合、正直言ってゾンビかどうかも分かりません。
ただし周囲でウロウロしている連中は明らかにゾンビだし、バタ子も死んでから生き返っているので、基本的にはゾンビだと思われます。
でもこいつだけ普通のビッチなんですよ。
そのくせ目からビーム出すんですよ。
正直、存在の意味が分からんのです豪腕は。
パパもゾンビだか何だか分からんし、サオはバカだし、チャックはいらない子だし、ともかく奇跡のように様々なつまらなさが詰まった映画ですよこれ。
だから、悪い事は言いません。
この映画は500円するんです。
だったら【不死の14】を買おうよ。
ごめん。これ言いたかったの。
そんな豪腕のつぶやきをモノともせず、物語は暗闇に向かって突き進んでしまいます。
かつての名レスラー、スタン・ハンセンのニックネームは「ブレーキの壊れたダンプカー」でした。
この映画にはそもそもブレーキなんて付いてません。
青いビームが付いています。
皆さんもお気付きの通り、この作品はうんこです。
特に脚本の稚拙さが目を覆うほどの惨状です。
サオの行動は昆虫みたいです。
どれだけ凄いか見てみましょうか。
「この町は怪しい」
「みんなで一緒に行動しよう」
「離れると危険だ」
「お前はここで待て」
待て待て待て。
3歩歩くとすぐ忘れる新時代のヒーローです。
誰か突っ込めよ(笑)。
いやもう、腰が砕けてそのまま入院しそうな勢いのバカ映画ですね。
確かにホラーにおいての『単独行動』ってのは必須なんですけど、ここまで何も考えていない行動が存在したでしょうか。
「お前はここで死ね」って言ってるようなもんですよ。
多少なりとも岸田今日子に敬意を払った方がいいと思います。
なんでこうなっちゃったのか。
オドロキの展開は、奇面組が街に入った直後から始まります。
街中にあふれる怪しい人影。
ぶっちゃけゾンビなんですけど、みんな遠くからただ眺めるだけで一向に襲ってきません。
世にも珍しいシャイなゾンビです。
一方の主役であるバタ子がザンギエフなみに吸い込みそうな糞ビッチである事を考えると、ゾンビの立ち位置がぜんぜん分からない逸品です。
まあ、さすがに逃げますわな。
街の真ん中に(バカだから)。
こうして逃げた先は、なぜか駐車場。
クラシックカーの集まる不気味な場所です。
あれだけ街に溢れていたゾンビたちが突然いなくなってるんですけど、もうこの程度のイリュージョンでは驚かない自分が悲しくなります。
そして、追い詰められた奇面組。
ゾンビもいないのに追い詰められたってのも変ですが、それ以上に変なのが奇面組の行動でした。
車上荒らしを始めます。
誰か私に納得の行く 説明をください。
アメリカ人はそろそろ怒った方がいいと思うんですよ。
訴訟を起こせばmixiニュースに載るレベルの話です。
そんなバカだからゾンビに囲まれちゃうんですよ(笑)。
(笑)←じゃなくて。
絶体絶命じゃないですか。
いくら主人公補正がかかってるとはいえ、この状況は全裸でスカイダイビングするくらいに絶望的です。
そのまま食われても誰一人として悲しまないであろう事は保証付きなんですけど、そうなったら青いビームが永遠に謎のままになります。
別にいいや。
そういうわけで、そろそろ逃げましょうか。
緊張感で言うとガチャピンの顔みたいに平和な逃避行です。
何しろここのゾンビはただ歩いてるだけですから、初心者でも安心して熟睡できると思います。
さっき絶体絶命と書いたくせにもう元気。
お前はリポビタンDかと思いましたね。
しかしここからのカオスっぷりは凄いです。
異常を通り越して無形文化財レベルです。
どれだけ凄いか見てみましょう。
ゾンビに負われ、ダンスホールみたいな所に逃げ込む奇面組。
もちろんゾンビはいつの間にか消え去る優しさを持ってます。
そこには不思議な光景が。
いや本当に踊っちゃってんのよダンスを。
メリケンゾンビはダンスもイケるぜ。
あまりの唐突な場面転換に視力を失いかけましたよ豪腕は。
しかしダンスといってもマイコーのスリラーみたいな踊りではなく、紳士淑女がくるくる回るタイタニック風味の踊りです。
メリケンゾンビはダンスも上品だぜ。
映像そのものは悪くないと感じましたが、まったく何の意味もないシーンというのがポイントですね。
そこにやって来ました。
素っ裸のバタ子。
いきなり下品に。
マッパGOGOGO。
そこまで犯りたいならもう仕方ねーよ。
諦めて通帳と実印を渡したくなります。
さすがに奇面組もア然と見守るのですが(当たり前)、見ている我々はさらにア然とさせられるでしょう。
そういう映画です。
そしてバタ子は何を始めたか。
去って行きました(本当)。
何がしたいのか三行で説明してくれ。
そういう映画だというのは分かっていましたけど、ここまで酷いと悲しくなってきます。
さっきから時計を見る回数がやけに多くなっております。
そして事態はさらにカオスな方向へ。
走り去ったケツ丸出しの変態ゾンビを追ううちに(どうして追うのか分かりませんが)、いよいよお約束の時が訪れました。
ホラー映画の定番パターン、人員の分散です。
ここで上に書いた『昆虫みたいなサオの行動』に繋がるわけですが、何年経ってもホラー映画の登場人物は学びません。
イタコばりに危機を呼び寄せてしまいます。
だからこそ映画が成り立つと言っちゃえばそれまでですけど、説得力がないんですよね。
単なるバカにしか見えなくて。
ところで相手は殺人鬼ではなく青ビーム遣いのパパです。
ある意味、殺人鬼よりもよっぽど怖い存在です。
ナタやチェーンソーならいざ知らず、どこの世界にスペシウム光線みたいなビームで攻撃する殺人鬼がいたでしょうか。
対するは奇面組。
バカが4人揃って4倍バカの凄い奴らです。
こいつらこそ馬に蹴られて死ぬべきだとは思いますけど、ひとまずパパの動向から確認してみましょうか。
その頃のパパですが。
車の鍵を盗んでました。
この街には泥棒しかいないのか。
奇面組くらい青いビームで一掃できそうなのに、やる事が小さすぎて笑えます。
その鍵を、これ見よがしに道端に落として様子を見るんですよ。
瀬戸内海のムツゴロウ漁みたいな感じですね。
今どき子供でもやらないようなイタズラなんですが。
これに引っかかるのはチャックです(バカだから)。
サオのようなタイプとはまた違う、ほのぼのとしたバカであります。
アメリカ映画に必ず一人は出てくるタイプですね。
香港映画だったら確実にチョンボと呼ばれているタイプの男ですから。
いかん。ちょっと気に入ったかも(笑)。
今からチョンボと呼びます。
チョンボ死んだし。
/' ! ━━┓┃┃
-‐'―ニ二二二二ニ>ヽ、 ┃ ━━━━━━━━
ァ /,,ィ=-;;,,, , ,,_ ト-、 ) ┃ ┃┃┃
' Y ー==j 〈,,二,゙ ! ) 。 ┛
ゝ. {、 - ,. ヾ "^ } } ゚ 。
) ,. ‘-,,' ≦ 三
ゞ, ∧ヾ ゝ'゚ ≦ 三 ゚。 ゚
'=-/ ヽ゚ 。≧ 三 ==-
/ |ヽ \-ァ, ≧=- 。
! \ イレ,、 >三 。゚ ・ ゚
| >≦`Vヾ ヾ ≧
〉 ,く 。゚ /。・イハ 、、 `ミ 。 ゚ 。 ・
なぜ死んだし。
パパに首切られて死にました。
ホイ三兄弟もびっくりの急展開です。
せっかく名付けた直後に首チョンパとは、さすがの富野監督でも映画にできないと思います。
これほど情けない死に方も珍しい。
馬に蹴られて死亡の方がまだマシです。
だって鍵を拾おうとした瞬間に、鉄板で首チョンパですから。
なぜ青ビームを使わないのかは知りません。
カオスっぷりが祭りのように加速して参りましたよ。
シーンの一つ一つがストーリーにまったく関係ないどころか、そのシーンのためには脚本がどうなっても知った事かバーカという開き直りが素晴らしい。
心から驚愕できます。
製作者たちは何か悪い病気にかかっているのでしょうか。
そしてさらに。
どう突っ込んでいいか分からないシーンが続きます。
一人で家の中をうろうろする岸田今日子。
顔が今日子なだけに作品で一番のホラーシーンですね。
そこらのゾンビよりよっぽど怖い顔をしてます。
こいつ一人でカリブの海賊できそうなんですけど、一応設定だけはヒロインなんです残念ながら。
その今日子が、何やら奇妙なうめき声を耳にします。
明らかにセックスの声ではありません。
その声はキッチンの奥から聞こえる。
近付いてみれば、声は冷蔵庫の中から・・・。
何の躊躇もなくドアを開ける今日子が男らしいシーンです。
戦場ではこういう奴から死ぬと聞きます。
ともかく、中にあったのは生首でした。
ナマクビですよ?
冷やしたのは誰か。
アメリカでは生首冷やす習慣があるんでしょうか。
この映画の演出を行った人間は、たぶん今ごろ鉄格子の向こうで一生を終えていると思います。
生首が冷蔵庫に入ってる意味が分かりません。
面白い効果だとでも思ったんでしょうか。
この頃になると、映画というより見えない何かと戦っている気分にさせられます。
そして今日子は言いました。
もっと自分を 大切になさい!
――バタン!(閉めたし)
えぇ〜っっ!?
この大きな試練を越える術が我々人類に残されているのでしょうか。
無理。
最後まで観たら賞金でも出るんじゃねえかこれ。
…いかがですか皆さん。
世の中には、凡人の努力を一笑に付す天才的なうんこがあるのですよ。
生まれついてのうんこ。
Born To Be うんこ。
ハレルヤと叫びながら裸で街を走りたくなりますね。
しかもですよ。
悪夢はまだ終わりません。
チョンボが首チョンパになって、たった一人残されてしまった残り物の女。
名前が無いけど付けません。すぐ死ぬし。
こいつの不思議体験こそ、この映画の迷走っぷりを象徴するシーンだと思われます。
バーだかスナックみたいな所に、一人で置き去りにされてるんですけどね。
全部サオが悪いんですけどね。
その時、女の前に現れるんですよ。
司会者が。
何言ってんだか分からないでしょうけど本当です。
今ほどポルナレフのAAを貼りたいと思った事はありません。
なんか顔に『バットマン』のジョーカーみたいなメイクをした、陽気な司会者がステージの上に登場するんです。
女はそれをじっと見ています(逃げない)。
んで司会者は、本日の踊り子たちを一人一人紹介していきます。
何言ってんだか分からんけど本当。
そして踊り子たちはおもむろに。
カンカン踊り出します。
こんな感じで。
女は逃げない。
このシーンは・・・一体何なんだ?
ケツを突き出し、色とりどりのパンツを見せながら踊り狂うオバサン達。
色っぽくも何ともありません。
サバトでしょうか。
女はそれをボケ〜ッと見ています。
逃げるどころか、単に椅子に座ってそれを見てるんですよ。
シュール、シューラー、シューレストな映像です。
そしたら首絞められて死にました。
この辺から何かに怒りをぶつけたくなってきます。
世界観も、キャラクターの役割も、舞台設定も小道具も、何もかもが意味の分からない演出によって殺されているんですよね。
その辺の同人誌が手塚治虫の作品に見えます。
これって、本当に映画館で公開したんでしょうか?
お金を取って?
暴動とか起きなかったんですかね。
たぶん、『絵』として面白いシーンを入れたいだけなんでしょうね。
漫画でよくある無意味なアップとか、作者のウザい遊びがこれに相当するでしょう。
そういうのだけを集めた映画と思ってくださって結構です。
【ヘルゲイト】は、そういう映画です。
その手法で犠牲になるのは何でしょう?
もちろん観ている我々が一番の被害者なんですけど、他にもいろいろあるでしょう。
ストーリーやキャラの一貫性とか、チョンボの命とか。
そうした最も重要なものを捨てて成り立つモノが何かと言えば、それが作者のオナニーです。
そういう映画なんですよ。
この一貫性の無さが如実に現れるのが、他でもないサオの行動なんですよこれが。
街から逃げたい、バタ子と犯りたい、今日子とも犯りたい。
久方ぶりに最低の主人公です。
そしてバタ子が生き返ったら淫乱になってたとか、初めて会ったサオになぜかご執心とか、なぜか裸で歩き回るとか目からビームを出すとか突っ込み所も満載です。
パパはパパで、娘の復讐のために光る石でいろいろやるかと思ったら単なる狂人ですし。
ヘルゲイトっていう街そのものが意味不明だったりします。
復讐なのに生き返らせてどうするよ。
そうした映画の事を、我がサイトでは敬意を込めてこう呼びます。
「THE うんこ」
もちろん「ぢ・うんこ」と読みます。
そしてうんこ映画には、良いうんこ映画と悪いうんこ映画があります。
良いうんこ映画はその頑張りが遠くの星を目指している映画です。
だから面白いんです。
よって私はこう主張します。
つまらん映画=うんこ映画ではない。
確かに、うんこ映画はつまらん作品が多いです。
しかし、つまらんからうんこ映画というわけでは断じてありません。
お金はかかっていなくても、演技は下手でも、吊ってる糸が丸見えでも。
良いうんこ映画には、「面白さを自分で探そう」…という深い楽しみ方があるのですよ。
別に分かっていただけなくても結構です(笑)。
プロレスに例えてみましょうか。
この特殊なジャンルのスポーツは、「プロ」という言葉をどう捕らえるかで変わってきます。
基本的にはプロフェッショナル(=職業)なんですけど、実はプロモーションの意味合いが強いのです。
人に見られてナンボの商売ですから。
プロのレスリングという意味だけでは無いのですよ。
アマレスがあって、プロレスがありますよね。
じゃあ学生プロレスは?
彼らはアマチュアですが、興行も行います。
それこそプロモーション・レスリングの最も根源的な部分なのです。
彼らの技術はプロに比べれば(そして多くのアマレスラーに比べれば)稚拙であり、体もできていませんけど、彼らなりの感性で頑張ってる姿が良いのです。
この辺は、例えばお笑い芸人などにも通じると思われます。
それが「良いうんこ映画」です。
一方、悪いうんこ映画は。
「映画とはエンターテイメントだ」という事に対する意識の欠如が見られるんだなぁ。
プロモーションの気概がねぇんだよな。
ぶっちゃけ、うんこ映画なんて8割5分は作者のオナニーではあります。
その点は否定できません(私もゲーム作ってますし)。
されども。
他人が見て楽しいオナニーを目指すのが作者としての気概であって欲しいんですよ。
金の取れるオナニー。
悪いうんこ映画は、そこが違います。
単なるオナニーなんです。
では、この【ヘルゲイト】は?
ひどいオナニーです。
正直、無料動画なら10分で切るレベルですからね。
最後まで観た自分を凄いと思いましたもん。
確かに暗闇が待っておりました。
ちなみに監督はウィリアム・A・レヴィといって、日本で手に入る映画としては他に【ナイト・パトロール】とかいう作品があります。
無駄にリンダ・ブレアが出ているそうです。
なかなかB級うんこ臭漂う監督さんですが、わざわざお金を払って観る必要は98%くらい無いでしょう。
そういう監督さんです。
そして主演のサオ。
【肉喰怪獣キラーツリー】の クソ男ポール役です。
駄目な理由はここにあり!
そりゃあ駄目なはずですよ偽ポールだもん。
その名もロン・パリロ。
我々は、こいつの名前を生涯忘れる事はないでしょう。
たぶんもう二度と聞く事もないと思いますけど。
ちなみにオチは、青いビームがビ〜飛び交ってドカ〜ンで終わりでした。
最後だけ予想通り。
返す返すも残念なうんこでした。
それでは最後に、データサイトallcinemaから批評を引用してみましょう。
豪腕は赤字で突っ込んでみました。
(前略)ひどく展開の緩いホラー映画で、異変らしい異変が起こるまで約一時間は辛抱しなくてはならない。
(この映画の上映時間は1時間半くらいです)
主人公の青年と仲間たちのやり取りにコミカルな味付けをして軽さを持たせているが、それが緊張感を壊してしまい逆効果。
(壊したのは緊張感でなくて映画そのものだと思います)
過去の惨劇で生き残った男が登場し、新たな展開を見せるかと思えば、ただ殺されるために登場しただけだったりといった脚本の杜撰さが目立つ。
(完全にギャグです)
化け物たちが大した活躍をしないのも不満だ。
(そもそも化け物が出ません)
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兎にも角にも、約90分間が極めて長〜く感じられる逸品である事は豪腕はりーが保障いたします。
「それでも良い」と言い切れるだけの本格派のマゾの方だけに薦めたいと思います。
ちゃんちゃん。
『HELLGATE』1989:アメリカ
監督:ウィリアム・A・レヴィ
製作:アナント・シン
脚本:マイケル・オローク
撮影:ピーター・パルマー
出演:ロン・パリロ(サオ)
アビゲイル・ウォルコット(バタ子)
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