この前、新聞の勧誘が来たんですよ。 第一声が「あの、日本語しゃべれる?」でした。 いくら茶髪のロンゲだからって、それはないと思います。 「帰れ! 今すぐ視界から消えろ!」という意味の事を優しく伝えてあげました。 今回は、この果てしなく失礼な新聞屋に勝るとも劣らないほどふざけたゲームを紹介しましょう。 まずは、オープニングです。 時間は夜中です。 主人公が寝ていると、友達に電話で叩き起こされます。 すると。 「明日、メイドロボが来るから」 …めいどろぼ!? いきなり、かぐわしくも香ばしい危険な旅路へと連れて行かれそうになります。 夢の続きが見たいと思うのは人情ですが、これは流れ的に天災だと思ってください。 そして翌日。 こんなん来ました。 …必殺超常スマッシュヘアー。 なんですかこの異次元の加速力は。 それに、よく見てください。 …な、何か付いてる!? これは…。 ひょっとして…。 いやいや。 まさか…。 そんな…。 そんな馬鹿な…。 …いや、今見たものはすべて悪い夢だと考えましょう。 まだ体の震えが止まりませんが、頑張って続けます。 こいつがメイン、というよりこのゲームで唯一のヒロインであるクラリスです。 ちなみに名前は変えられます。 家を一歩出ただけで通報されそうな髪型は別にして、とりあえずこのクラリスにいろいろ家事を教えながら、メイドロボとして立派に育てるというのがゲームの骨子ですね。 要するに、モニターなんです。 主人公と暮らしてデータを集め、いずれ販売されるメイドロボたちの下地作りをするわけです。 こんな奴らがいつか大挙して町に押し寄せてくるかと思うと怖いですね。 小笠原諸島あたりに逃げ出したくなります。 「帰れ! 今すぐ視界から消えろ!」と言いたい。 されど。 受け入れないと始まりません。 夜中に電話さえかかってこなければ。 ちなみにこのクラリスなんですが、性格が5種類あるんです。 「ノーマル」「知的」「女王様」「淫乱」「ボケ」ですね。 それぞれ(絵は一緒だけど)声優さんが違っていて、個性を出そうという努力が見られます。 そんな事より髪型を何とかしろとは思いましたが。 さて、その性格の決定なんですけど。 実は昨夜の電話の時点でもう決められちゃっていました。 泣こうがわめこうが、あのたった三言くらいの会話で未来のレールが敷かれていたのです。 こっちが寝ぼけまなこで受け答えをしている間に、システムの根幹に関わる事を決められているんですよ。 お前はエリア88かと言いたい。 気付いた時には手遅れでした。 この作品は、いわゆる「育てゲー」の体裁を踏襲しています。 家事をこなしてパラメータを伸ばしてゆくアレです。 掃除、洗濯、料理なんかのコマンドがあって、何をやらせるか決めるわけです。 クラリスの体力が続く限り家事ができるんですけど、だいたいデイリー3種類くらいまでが限度みたいです。 んで、失敗するか成功するかは完全に運次第です。 てか、どれほどパラメータを伸ばしても、てめえの頭は真空管かと言いたくなるほど失敗します。 困った事にこのゲーム、パラメータが12個もあるんですよ。 なるべく平均して伸ばそうとしても、そもそも基準が分からないんです。 何をどうすればどこが伸びるのか。 失敗したら怒ればいいのか。 それとも許してあげりゃいいのか。 ほんっとに分かりません。 さらには、毎日のように育成以外で選択肢が出てくるんですが。 ひとつ間違えばハッピーエンドは見られません。 しかもすべてノーヒント。 もうバランスがどうのとか、そーいう次元じゃありません。 誰がシナリオ組んだんですか? 宇宙意思ですか? 攻略なしだと正直きっついゲームです。 まあ、それでもクラリスは性格によってころころ変わるし、髪型さえ我慢できれば可愛いメイドさんです。 ロボットである必然性は全然ないですけど。 この娘に思い入れができるかどうかで、面白さは俄然変わってくるでしょう。 散々けなしたくせに、実はけっこう好きです。なかなか甲斐甲斐しい感じで。 実際、私もクリア目指して攻略サイトを探してみましたよ。 なんとメーカーみずから攻略を載せていましたね。 さすがに苦情があったのでしょう。 すると分かった驚愕の事実。 12個ものパラメータがありますが。 クリアに必要なのは、「従順さ」だけでした。 くらえ正義のハンマー!!! ……………………………。 やっとハッピーエンドですか…。 今までずっとエンディングでモニターとして不適切とか言われてクラリスを取り上げられてきましたけど。 これでようやく一緒に暮らせると…。 「帰れ! 今すぐ視界から消えろ!」 どっとはらい。 back HOME |