『ELYSION』〜永遠のサンクチュアリ〜

(その3)









 ついにこの『ELYSION』のレビューも3回目。
 今までただの1度もレビューらしい事を何ひとつ書いていないレビューなんですけど、今回は核心に迫ります。

 1回目はメイドさん論。
 2回目は姉論。

 そうなると、うちのレビューで書くべき部分は何もない所に気付きます。

 あほかと。

 こんばんは。
 豆腐に対するオカラのような存在感の豪腕はりーです。

 いや、オカラはオカラで頑張ってるんです。
 体に有効な成分が、米を1とするとオカラは1.24も入っているんです。

 すごいぞオカラ。
 頑張れオカラ。

 もちろん全部嘘なんで素直に米でも食いましょう。

 あほかと。











あぼかど。




 ※もう2度と言わないから許してください。

 今回は、この『ELYSION』という作品とその背景について、もうちょっと詳しく見てみましょう。

 まず原画さんなんですが。
 横田守という人です。

 よく知らないんですけどすごい人らしいです。

 試しにこのお名前でググッてみた所、4170件のヒットがありました。

 豪腕はりーの10倍です。

 私の名前では471件でした。
 とにかくすごい人みたいです。

 いや、私、レビューなんかやってる割にその辺ぜんぜん詳しくないんですけど。

 さすがにこの絵は見覚えがあります。

 てか、この絵を知らない成人男子は、きっと裸で槍持って野を駆けるタイプの人じゃないでしょうか。
 そのくらい有名な絵です。

 今まで30本のエロゲーのレビューを書いてきましたけど。
 考えてみたら、原画さんの名前を出すのはこれが初めてですね。

 我ながら、ふざけたサイトだと思います。

 教科書を買ったら中身がこんなんだった的な。
 いや好きですけど。

 次に、この作品が世に出た時代背景を考えてみましょう。

 時は西暦2000年。
 20世紀最後の年であると共に、「萌え」という概念が広く一般にまで伝わりつつあった過度期の時代でありました。

 さらに『AIR』『Phantom』『夜勤病棟』など、エロゲーの各ジャンルにおけるランドマークとでも言うべき作品たちが誕生した年でもあります。

 そんな時に登場したこの『ELYSION』。

 世にあふれるメイド好きの大脳に分厚い斧を叩きつけた作品でした。







 

Oh,no!!




 ※もう2度と言わないから許してください。

 この作品の画期的な点は、メイドさんという存在を記号化された性具ではなく「職業」として描いただけではありません。

 「愛した相手がメイドさんだった」ではなく。

 「メイドさんだからこそ愛した」という必然性を恐らく最初に描いた作品なのです。

 よろしいですか?
 主人とメイドさんの間には、もちろん主従の関係が築かれるわけですが。

 そこにあるのは「恋愛における主従」ではないのです。

 「主人だから何をやってもいい」
 「メイドだから何をされてもいい」

 これは単なる奴隷です。

 この観点に沿って考えると、『ELYSION』までのすべてのメイドさん物に登場する彼女たちは、恐らく性欲処理の美少女ロボットに過ぎないのです。

 それは、可愛い女の子がメイド服を着ているだけです。
 そして長らく(きっと今でも)それは正しい事だとされているのです。

 自分が絶対的君主である。
 好き勝手にできる可愛い女の子が選べる。

 これを望まないエロゲーのプレイヤーはいないわけで。

 ここで、現実には有り得ない勘違いが生まれてしまうのです。
 いわく。

 「メイドさんもそうされる事を喜んでいるに違いない」という思想です。

 この瞬間。
 彼女たちはメイドさんという存在を離れ、あなたの奴隷ロボットになるわけです。

 この辺は、すでに連載の1回目で書いた事と重複します。
 重要なのは、大抵のプレイヤーがそういう「奴隷ロボット」を求めている中、あえてこの内容で作品を世に問うたという点なのです。

 そして。
 この作品は大成功を収めます。

 絵が横田守だったというのも、まあ大きいんでしょうけど。

 絵で買って途中でやめた、という方もけっこう多いと思いますが。

 どうか最後までプレイしてみてください。

 奴隷ロボットでなくても、「萌え」というのは存在するんですよ。







あ、でも君は無理。




 それではいよいよ。
 各エンディングの考査に入りたいと思います。

 この前、この作品には21個もエンディングがあると書きました。

 普通にプレイしたら、まず大抵はバッドエンドになるはずです。
 それでも最初の1回くらいは攻略に頼らず、自力で回ってみましょう。

 あっちで用意してくれた回答だけが真のエンディングではないのですからね。
 この妖しい館の魅力にどっぷりとはまりながら、ゆっくりプレイして吉です。

 さて。
 本腰を入れてクリアしようと思ったあなた。

 ぜひ以下の順で攻略する事をお勧めします。

 「魅麗」
 「クリス」
 「ジェーン」「ディアナ」
(ここは逆でも可)

 ひとまず、メインのメイドさん4人はこれが正しいと思います。
 もちろん「恋人」「メイド」の両方のエンディングを見るのは必須と心得ます。

 ちなみに、ジェーンには例外的に、3つ目のエンディングが存在します。
 ここは押さえましょう。

 さて、ここまで来てこの高い山はようやく5合目といった所でしょうか。

 はい、続けましょう。
 どうせ「おっぱい」だけじゃ満足できないでしょ?

 この辺まで来ると、いろいろと細かい所が気になっていると思うんですよ。
 あの真っ黒なメイドさんは誰? とか。

 はい、攻略できます。

 いつも勝手口で皿抱えてウロウロしてるメイドさんは?

 はい、攻略できます。

 噴水前にいた私服の少女は?

 はい、攻略できます。

 じゃあ、ハイネは?



 ごめん、無理。




マジですかーっ!?




 …すんません。ハイネは無理です。
 てか、ハイネ・ナスターシャ・サリー・ルシアの4人娘だけは無理なんです。
 あと厨房の元気娘も無理なんです。








ウソぉーん!?




 …いや、分かる。
 分かります。



 俺だって泣きたいんだよ!!!!



 てか、ハイネはね…。
 ハイネは私も痛かったです。

 ナスターシャは逆さに吊るしてダシでも取りゃいいんですけど、ハイネは痛かった。

 明日を信じて生きましょう。友よ。

 という形で今回、メインの4人のメイドさんだけ上げてみましたが。
 次回より、ネタバレを含む考査に入ります。

 もちろん、この物語の真の顔とも言えるサブキャラについても、あまねく取り上げたいと思います。
 請うご期待。

 すんません。ぜんぜん核心に迫ってなかった事をお詫び申し上げます。






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