コミケ69参戦記。

第五話【凱旋編】


気付いたらもう五回目なんですね。

終わるんだろうか。

年末に起きた事を2月末に書いてる時点で終わりですが。


PM14:00



 そんなこんなで、時間も午後2時。
 あと1時間もすれば帰り支度をしなくちゃならん時間です。

 今までの成績なんですが。
 売れてはいます。

 売れてはいますが納得できません。

 あきらめの悪さはスッポン並みです。



は〜・・・。



ネタが古くてすんません。




 一応、皆さん立ち止まってくれるんですよ。
 画面キャプした見本誌を見る、そこまでは行くんです。
 しかし。
 されど。
 なかなか購入までには至らない。

 あ〜る氏の分析です。
 「この時間だと目当ての作品はもう買っているので、そろそろ残金と相談しているんだろう」。
 つまり慎重になっているんです。

 いや、分かる。
 分かるのであります。
 1000円という金額は、決して小さな金額ではありません。
 市内通話なら6時間近く話せます。
 東京23区では、1ヶ月の基本水道料金に相当します。
 マジックならブースター2パック分。
 チョロQ1台。
 ジャンプ4冊。

 だったらジャンプ買うかなぁ。

 当の私が最近のキラ並みに情けない事を考えてしまうわけですが、それでもやっぱり買ってくださる方がいます。
 悩んだ末に手に取ってくださる方がいます。
 ありがとう。





ネタが古くてすんません。




 一時、絵師さんも凹んでたんですよ。
 お昼ご飯の後くらいにね。
 「なんであんまり売れないかな…。やったら絶対面白いのに…」

 その気概があれば十分。

 ただし売り子二人で、同時にご飯食べるのはやめなさい。

 「もごもご…見本ほれもご、1枚へんえんれもごもご」

 何言ってんだか分かんないから(笑)。


PM15:00



…疲れた。





 このくらいの時間が一番疲れます。
 早起きの代償です。
 私はもう若くないんです。
 見れば、お隣さんは満足の行く結果を出されたらしく、早々に帰り支度です。
 一時は販売まで危ぶまれたお隣さんですけど、結果が出せたようで良かった良かった。

 まるで夏場のカプリコみたいな我々の前に現れたのは、先ほどの社長さん。
 今度はちゃんと会えました。
 いろいろと、お話を伺ったんですけども。

 とてもここでは書けない内容なんですが、まあ大体こんな感じですか。

 「いつ寝たか憶えてねーです」
 「それが普通です」
 「そんな気はしてました」
 「大変だったでしょう?」
 「大変でした」
 「はりーさんは、企業に入るよりもご自身の力でやって行かれる方が良いと思うんですよ」
 「それは死刑宣告でしょうか」
 「いや、そちらの方が気質に合っているでしょう」
 「あなたはエスパーでしょうか」



阿呆のような会話です。





今回、ネタが古くてすんません。




 要約すると、こんな感じですか。

 まずは1本完成させたという事で、作る側の苦労を知ったと。
 人をまとめる大変さを知ったと。
 それは必ず良い経験になると。
 今後に期待すると。

 大丈夫。
 あんたはプロでも通用する。
 何ならツテを紹介してもいい。



だからお前は死刑だと。









ネタが古くてマジすんません。




 そんな会話ではぜんぜんないわけですけど、ともかく何度も足を運んでくださってありがとうございました。
 これからも頑張りますので。
 またどこぞで会いましょう。


PM15:30



撤収ーッ!!!





 終了直前の豪腕です。
 何でしょうこのCDの山は。
 つまりは適度にハケて適度に残っちゃったんですね。

 厚かましくも、周りの方に初参加での実売実績を聞いてみましたが。
 こんな感じでしょうか。



2次創作=数十〜数百部
オリジナル=0〜数十部




 もちろんエロの有り・無しで変わってきますし、2次創作なら元ネタの人気でえらい左右されるそうです。
 作者さんの実績も然り。
 「この前までLeafで原画やってました」という方が作った作品なら、当然モノが大学ノートに描いた鉛筆画でもキチガイみたいな行列ができます。



 これを富樫現象と言います。



 対して、我々はオリジナルです。
 オリジナルの売れ行きを左右するのは、体験版の出来栄え次第とも言われているそうです。

 我らが【サキュ!!】に、そんな大層なモノはありません。
 本編でいっぱいいっぱいでした。
 実績も…ねえ。
 声優さんとかはプロですけど、私も絵師さんも素人ですし。
 というわけで。



 そういう意味では圧勝と言って良いと思います。
 しかし満足はしていません。




 次の山を求めて、我々はまた戦いの旅路に出ます。
 ありがとうコミケ。
 また帰って来られたらいいね。


PM16:00


 それでは、楽しい楽しい飲み会。
 …の前に。
 無駄に残ってしまったCDを家に送らないといけません。
 ここでえらい問題が発覚します。



来た時より荷物が増えている。



なんでッ!!?




 …いやこれ実は、当日のドタバタが原因なんです。
 決してぜんぜん売れなかったわけじゃないんです。
 まず、締め切りまでに会場に送った分があります。
 そして、持ち込みによって完成した分がありまして。

 つまり。
 当日の朝にど〜んと枚数が増えたわけなんですね。

 それ以外にも、お土産だ何だをけっこういただきまして。
 なんとなく読めてはいましたが。
 これは辛い。
 ダンボールが足りません。

 そこで、ふとお隣を見ると。
 絶頂期のホリエモンもかくやという貫禄を漂わせ、意気揚々と引き上げる勝利者の後姿が。
 足元にはつぶれたダンボールの山です。



土下座。





 この時の私はたぶん足でも尻でも舐められたと思います。
 ありがとうふらすぴさん。

 『おしゃぶりシリーズ』好評発売中です。

 いつかどこかで恩返しできたら、と思います。



 そんなこんなで、長きに渡って連載しましたこの『コミケ69参戦記』。
 次回、最終回。
 【番外編】にて、またお会いしましょう。

 最終回で番外編って何でしょう(笑)。


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