コミケ69参戦記。

第三話【発動編】


AM9:00


もちろん第三話は【発動編】になるわけですが。



 まずは、こちらをご覧ください。



ふらすぴさん。

HANG-UP!さん。



 うちの隣となってしまった、大変可哀想なサークル様です。
 ぜひサイトに訪れてみてください。
 そしてその世界に触れてみてください。

 うちより圧倒的にクオリティの高い事が一発で分かります。




圧倒的ではないか。




 こんばんは。
 たぶんあと10年も戦えない豪腕はりーです。
 いや、これを知った時に、かえって気が楽になったんですよね。
 うちはバリバリの初参加ですから。
 『キャバGO』で言えば、隣に百合姉が座ってくれたようなもんです。
 いろいろとお話を聞きつつ、知識として吸収させていただこうかと思いました。

 うちの立ち位置としては。

 繋がれた闘犬よりも最強の噛ませ犬です。

 そういうわけで。
 下心全開で和やかにお話などをいたしました。




※一部誇張があります。




 これがまた実にいい方々なんですよ。
 気前よく新刊やら新作ゲームやらをくれたりして。
 名刺交換みたいなもんでしょうか。

 今ごろ【サキュ!!】が、上記サークル様のご家庭で立派なハト避けとして役に立っているかも知れません。
 その節は大変お世話になりました。
 大切な思い出として取っておきます。


AM10:00



 そして。そしてついに。
 一般の方の入場が始まろうとしています。

 さながら禁煙デスマッチの様相を呈してきたこの私。
 今のうちに必死で喫煙場所を探しに旅立つのですが。

 もうぜんぜん吸えない。

 一般入場ラッシュに備えて、次々と喫煙場所が撤去されているわけで。
 外に飛び出し、一歩違いで追い出され、聞けば2Fにあると言うので走って行ったらそこも禁止に。




マジこんな感じで。




 はっきり言って、悪いのは喫煙者の方なんです。
 文句は言えません。
 私、以前は携帯用の灰皿を持ち歩いていましたが、今ではそれを捨てました。
 灰皿があると、ついどこでも吸っちゃうからです。
 煙草は決められた場所で吸いましょう。
 この程度を守れないと、将来子供が生まれた時に教育ができません。
 投げ捨てなどもってのほかです。
 そういう奴は家に煙草を投げ込まれても文句が言えないはずです。

 やや力が入りましたが、精神的にテンパッていたのでご勘弁を。
 やっと2F奥のコンビニ脇に喫煙所を発見して、事無きを得たのですが。

 試合前のドレッシングルームみたいな緊張感が漂っています。

 もう全員無言なんです。
 ピリピリした空気が肌に感じられます。
 ここはどこのボクシング会場でしょうか。

 私はぜんぜん人見知りをしないタチなので、その辺の方に声でもかけようと思ったんですけども。
 反射的にブン殴られそうな雰囲気ゆんゆんです。
 早々に退散しつつ、帰りにお手洗いへ。

 トイレは先に行っておけと、しっかり釘を刺されましたからね。
 始まってからでは手遅れだと。
 これには二重の意味があります。

 まず、人が多すぎ。
 これは仕方ないのですが。

 男性向け創作の大手サークルからトイレの個室に直行する方が大変多いらしいのです。




最 低。

 …漢だったら家まで我慢しろ!!


AM10:30



 そして、ついに一般の方の入場時刻です。
 角に位置する超大手サークルさん目当ての場合、この時点ですでにロシアの配給待ちみたいな列ができています。
 これを見事にさばくスタッフ。

 しかしここで事件が。







 お隣のサークルさんに警告!

 なんと、スタッフさんから警告の札をもらっております。
 サイド6のホワイトベースみたいです。

 …コミケにおける警告とは、遅刻や露骨すぎる性描写の作品に与えられるものですが。
 時間はぎりぎりセーフだったはず。
 という事は…。

 ろ・・・、ろ・・・っ!



 ろこちゅしゅぎるせーびょおしゃがッ!
                              (舌を噛む)



 「…いやあ、実写のDVDがありますからね。著作とか、モザイクとか、その辺を調べてるんでしょう」

 なんとお隣、ご自分でAVのレーベルを設立されていたわけで。

 AVですよAV。
 AはもちろんアダルトのAです。

 我々は今、とんでもない世界に足を踏み入れているわけでして。
 それを軽く受け流すお隣さんは100万カンデラの笑顔です。
 直視すると網膜焼けます。

 「いやいや、アレが駄目でもまだいっぱいありますからね。大丈夫でしょう」

 その言葉通りの巨大な山。
 同人誌だけで数種類、他にもDVDサイズのゲームが複数並んでいます。
 ナヴァロンの要塞みたいです。

 【サキュ!!】が駄目なら全部駄目な我々とは次元が違います。

 この辺が、継続の力なのでしょうか。
 古参兵の持つ底力を垣間見た瞬間でした。

 結局、OK出たそうで良かった良かった。




 うちのブースの全景です。
 洗濯物は高さがあるので入りません。

 開始直後からなんか嫌な地響きとか聞こえていたんですけど、開けてびっくり人の波。
 ついさっき、館内放送の「開始しま〜す」に合わせてみんなで拍手したのもつかの間に。

 朝の新宿駅みたいな光景が目の前に。

 しかも客はすべてオタクさんです。

 気持ち良いほどうちの前を素通りして、一気に大手さんのサークルに向かっています。
 目が狂気に彩られています。
 あの同人誌を買えば病気の母が助かるみたいな勢いです。
 素晴らしい。
 素晴らしい熱気です。

 うちの絵師さんは南国出身のため、先程まで歯の根も合わないくらいに寒がっていたんですけど。
 もうぜんぜん平気。
 今が冬で本当に良かったと思います。
 オタッキー・フライドチキンになってしまいます。
 私も茶髪というか金髪なので目立ってましたが、もうぜんぜん目立ちません。
 平気で赤毛や青毛や白毛がいます。
 パンジーかお前らは。

 最初に来るお客さんはどんな方だろう、と構えて待っていましたが。
 「落ち着くまでは無理だよ」と、百戦錬磨のあ〜る氏は語ってくれました。
 ここに来ているほとんどの方が、目的のサークルさんというものを目指しているわけです。
 いきおいそれは大手さん。
 ここは初参加だけに仕方ないですね。

 そのまましばらく、緑色の謎のセーラー服とかハードゲイとか眺めていました。
 うちのブースにも、足を留めて眺めて行く方が増えてきました。
 7割方は笑いをこらえています。

 その理由は、たぶんこれ。




漢の短冊。




 頭の悪さもここまで来れば自慢になります。

 いや、モノがハード百合系なもんだから、こうやって無駄にバランスを取ったんですけど。
 「冷コはじめました」のノリです。
 何だかさっぱり分かりません。

 さて、そうしていると。
 ついに。



 …以下次号(笑)。


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