『ストライクウィッチーズ』

2009.06.03




 普段アニメをまったく観ない豪腕はりーが突然何を血迷ったのかと申しますと、要するに時間の問題であります。
 当サイトには放置気味のゲーム系レビュー、そして月に数本ペースの映画レビューが存在しますが、両者共にレビューを書くには「最後までプレイまたは観なければならない」という縛りがあるわけです。
 特に前者はフリーのキャバGOでさえ1時間以上、モノによっては50時間以上のプレイ時間を要するどこぞのセラブルみたいな作品もあるわけです。
 エロゲーだってCG集とか単なる抜きゲーだとそもそもレビューの意味がよく分からないわけですし、それ以外ではやはりプレイ時間のくくりが大きい。

 もちろんマッチ売りの美少女は別格ですが。

 そういうわけで、時間の拘束が甘くてしかもレビューをする価値があり、そこら中に似たようなサイトが岸部シローの借金なみに溢れても豪腕のうんこ文章なら勝負できそうというジャンルを探した結果がこれでした。
 「アニメの第1話だけに絞りゃ行けんじゃね?」
 かくして30分1本勝負と相成ったわけであります。
 考えてみりゃ、うんこ映画でさえ2時間近くは拘束されるんですよ。
 そんなに長くうんこしてたらオムツ履けよとなりますね。






正しい。




 そんな感じで今回選んだのが『ストライクウィッチーズ』。
 アニメの中でも特に「萌え」系統から遠く離れた私が言うのも何ですが、このアニメは非常に遠くの空を飛んでいます。
 もちろんその飛ばしっぷりはキャッチコピーにあるでしょう。



パンツじゃないから恥ずかしくないもん!






聞いてるこっちが恥ずかしい。




 生前のジャイアント馬場さんが「大丈夫。目立たないようにするから」と言っていたのを思い出します。
 4000年の歴史を誇る中国武術でも到達し得ない領域です。
 日本テレビの名番組、「びっくり日本新記録」を思い出すのは私だけでしょうか。




記録、
それはいつも
履かない。




 チャレンジボーイの三浦康一さんも草葉の陰で泣いているでしょう(健在です)。

 やっぱり前フリが長くなってしまいましたが、主流を外れた脇道で主流を叩くのが豪腕スタイルなので勘弁してつかぁさい。
 今回も生タマゴ1個で第七艦隊にテロを仕掛けるような気持ちで参りたいと思います。

 ところでパンツです。

 オープニングから惜しげもなくパンツのようなものを晒し続けて飛び回る少女たちが出てきます。
 パンツではありません。しかし白と水色の縞々模様のパンツらしきものを履いた少女も確認できます。
 これがパンツで無いと言うのなら、今まで我々が知っていたパンツは別の何かの可能性があります。
 上半身に豪快な武器、そして脚には飛行ユニットを装着しながら、お尻の周りだけはかたくなにパンツのような何かです。
 ここまで開き直られると小川のせせらぎのような清々しささえ感じられます。

 こんな世界は2次元にしか到達し得ない。
 そう思っていたら実は大間違いでして、例えばプロレスの世界ではそれが普通だったりします。


パンツ一丁で戦う世界は実在するのです。



 そこを承知した上でこの作品を観てみると、あの馬場さんの赤いパンツにもドラマがあると言えるでしょう。
 ストロングスタイルの象徴であるショートタイツを履いたレスラーに向かって、「お前それ恥ずかしくない?」と聞く馬鹿はいません。
 女子レスラーのコスチュームは俗に「水着」と呼びますけど、実際あれ着て泳ぐレスラーはいません(FMWを除く)。
 戦うために着るのです。
 パンツのような服装は戦闘服なのです。
 中には派手なコスチュームの選手もいますが、すべては戦うため、そして自分のスタイルを貫くための服装です。
 だから、この作品も正しい。そう思えませんか。




無理やりです。




 無理やりですが聞いてください。
 はっきり言って、パンツらしきあの格好はどの角度から見てもあからさまな餌です。
 果てはそれを売りにしてしまって本来の興味が少女たちのコスチュームに向かってしまっていると認めざるを得ないのです。
 この作品が真に見せたかったモノは、おそらくそんなパンツっぽい何かではないはずなのですよ。

 プロレスの売りは技の攻防や肉体の勝負です。
 コスチュームが一番の売りの団体なんて聞いた事がありません。
 日本で唯一、SGPという団体だけは、それが最大規模の売りであると言えるかもしれません(所属レスラーは円谷プロの公認を受けた「ウルトラマンロビン」であり、怪獣たちと戦います)。
 だから例が皆無ではないにしろ、格好などに頼っていてはプロレスを名乗るべきではない。そういう意見も非常に分かるのでありますよ。

 もちろんアニメの話です。

 されどしかし。
 タイガーマスクは明らかに狙って生まれたレスラーです。
 獣神サンダーライガーやムシキング・テリー、ウルフ・ホークフィールド、ブリザードYUKI、アグネス仮面などにも同じ事が言えるでしょう。
 私は長谷川咲恵の大ファンだったのでブリザードYUKIに関してはコメントを避けたいのですけど、特に初代タイガーが国民的英雄になれたのは色モノの域を超えた素晴らしい試合を提供したからです。
 不世出の天才レスラーによる異次元のプロレスを実現できたから。
 その人気度は、今で言うイチローを凌ぐ程でした。

 いや、アニメの話ですよ。

 しっかり試合をすれば認められる。
 だから要するに。




アニメとしての完成度が高ければ
パンツなんてどうでもいいのです。




 私はこれが言いたかったのです。
 何でもアリがプロレスです。アニメだってきっと同じはずでしょう。
 そして実際に観た印象は、ありがちだけれど真面目に丁寧に作っている。そう思えたわけですよ。
 主役の少女のけなげさも光りますけど、やはり「少佐」と付く姉に悪い姉はいませんでした。
 それがすべてで、それ以外の事は私にとっては瑣末な問題です。
 まあパンツ以外にも何の説明も無く耳と尻尾が生えてきたのには度肝を抜かれましたが、アニメなんだからそれくらいのファンタジーはあって良いかと存じます。

 であるからこそ。




 

この作品でもっとも不必要な要素はパンツじゃないかと思います。







普段見えないモノが偶然チラリと見えるからいいんですよ。




 だから私は言いたいのです。
 パンツに隠れて本筋を見失うな。お前はもっと上を目指せる。
 それだけのポテンシャルがこの物語にはあるのだ。
 などと、まったく根拠が無いままものすごい上から語ってみました。
 紙飛行機がブルーインパルスに喧嘩売るみたいな行為ですね。

 まあ何ですよ、見えないよりは見えた方がいい。そういう意見があるのも分かるのですよ。
 私だって大好きですとも。
 でもね。
 俺様の想像力の邪魔をするなよと思ってしまったのも事実です。

 それ言ったらアニメにする必要も無いわけですけどね。



 というわけで、第1回は『ストライクウィッチーズ』でした。
 パンツ以外の内容には1ミリくらいしか触れませんでした。
 今後も、他のアニメファン諸兄の文章とはまったく違う角度から攻め続けたいと思います。





感想・突っ込み等お願いします。



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