『アネもネ』









 この私がこの作品を取り上げないのはデフォで有り得ません。

 第一、登山家から山を取ったらヒゲ面のホモが残るだけです。

 姉萌え1000%AVGという、ノートルダムの鐘のごとくに響き渡る頭の悪さ。

 姉属性には強烈な麻薬となって作用します。

 こんばんは。
 もはや薬漬けの豪腕はりーです。

 世の中にはぷにろり・つるぺた派閥などという、一歩間違えば母親が手首を切りそうな方も多いわけですが。

 姉属性だって人のこたぁ言えねぇやな。

 大体、とっくに30過ぎのいい年した男が姉萌えなんて言った日にゃ、いずれ番号で呼ばれる生活が待ってるような気がします。

 されど。
 我が国では、思想と言論の自由が保障されているわけで。

 私の持論をご紹介しましょう。

 姉というのはオーラなんです。

 分かります?
 例えばスナックとかキャバクラでの話。

 波平のスリップストリームに位置するような油ギッシュな親父でも、店員を呼ぶ時は100%「お姉ちゃん」と言うはずです。

 これは日本男児の本能に根ざす真実です。
 姉は年齢ではないんです。

 自分の娘よりも若い女性の呼称に「お姉ちゃん」。
 この風習がいつ頃から始まったのかは寡聞にして知らないのですが、すでに慣例として定着してしまったのは論を持たない事だと感じられます。

 だがしかし。

 明らかに幼い少女に対しては決して使われる事がないのです。

 この場合は「お嬢ちゃん」が適当でしょう。

 姉というオーラを纏っていない、無垢なる者への呼称ではないでしょうか。

このオーラは見えません。
感じるのです。


 さあ、一緒に感じましょう。








レビューは一体どうしたんだろう…。


…すんません。





 調子に乗って、何を書いてんだか忘れてました。
 『アネもネ』のお話ですね。

 実にペダンティックな題名です。

 サブタイトルも飛ばしています。

 「スペース町内アドベンチャー」



 ・・・・・・・・・・・。



 まあ…何ですか。
 「東京下町探検隊」みたいな感覚で読みましょう。
 スケール違うけど。

 では、簡単に内容を書いてみましょう。

 主人公の名前は神宮寺弘士(じんぐうじ・ひろし)。
 大きな神社に住む学生さんです。


 姉が5人もいるというごく普通の青年です。








…突っ込む所なのか!?





 驚いてはいけません。
 この作品では少なくとも一緒に住んでいるのですから。

 さて。
 ある日主人公は、道端で倒れているM78星人に出くわします。




 猛烈な突風です。




 円谷プロに訴訟を起こされそうなそいつは、死に際に主人公に伝えます。

 「この星は狙われている。頼む、君が救ってくれ!」

 それはお前の仕事だろうが。

 ちなみに私、人妻大好きなんですけど、ウルトラの母(14万歳)だけは駄目です。

 ともかく、この2万年も生きてるくせに3分しか戦えないヘタレ宇宙人から、携帯ラジオみたいな物品を託される主人公。

 「悪の宇宙人スキャナー君」だそうです。

 …ええ、分かってます。
 全身の力が抜けそうです。

 耐え忍ぶ事で何かを学ぶ努力をしましょう。

 さてこの「スキャナー君」ですけど、別に変身アイテムではなくてしゃべる探知機なんですね。

 この作品に登場するすべての登場人物の中で、実は一番いい奴です。
 カタカナしかしゃべれませんけど。

 彼が話してくれる衝撃の事実。
 この家に悪の宇宙人が紛れ込んでいる。

 恐ろしい事実です。
 美しい姉たちの誰かが、実は宇宙人と入れ替わっている!

 ここで正体を明かしてくれれば3分でシナリオが終わるわけですが、この作品はそんな『マッチ売りの美少女』ではありません。

 だからウルトラマンが死んじゃったのか。

 という事で。
 物語の前半は、一体誰が宇宙人なのかという視点で進みます。

 それでは。
 主人公の5人の姉を紹介しましょう。



 長女・ひとみ(巫女さん)
 やっぱり神社と言えば巫女。おっとり姉です。

 次女・ふたば(女教師)
 おんなきょうし来ました。もはや必須アイテムです。

 三女・みつき(メイドさん)
 巨乳メイド来ました。もはや謎です。

 四女・しの(元気娘)
 体育会系です。えっちな話をすると「きゅう…」と気絶しちゃいます。

 五女・いおな(妹)
 いや、姉なんですけどね。どう見ても幼女です。











六女・Pちゃん(ロボット)



…はい?






 5人の姉で「六女」。




 カラスは7つまで数字を数えられるそうですが。



 そしてロボ。



 きりきりと胃が痛んできます。

 何しろ、戸籍上の名前が「PCLX-0006YX-Vol-kr」です。

 メカ耳が付いてて駆動音がします。

 たまにフリーズします。


 耐え忍ぶ事で何かを学ぶ前に、人間として譲れない一線があるのも確かです。

 しかし。
 しかし、ですよ。

 なぜか全員、幼い頃からの記憶があるんです。





…いよいよ突っ込むのか!?





 この、物語の序盤から殺人級に無理な設定がすごいです。

 どう考えても怪しいのに突っ込めない主人公。
 要はヘタレなんですけど、こうなると全員怪しく見えてしまう。

 いやまあ、言いたい事は分かります。
 しかし、一筋縄では行かないのが、この作品の面白い所でして。

 スキャナー君が保障するんですよ。

 「Pちゃんは、この星のロボットだよ」と。



 実家に電話かけたくなりました。

 こんな感じのスペース町内アドベンチャーは進みます。
 本気で宇宙です。

 されど。
 されど、ですよ。

 真の姿はこれからです。

 3人目をクリアすると現れる「アネもネ・最終章」。

 それまでの、ほのぼのドタバタコメディーが一変します。

 はっきり言ってぜんぜん違うゲームです。

 これほどすごい「ちゃぶ台返し」は、今まで見た事がありません。

 モニターの前で固まりました。





 やってる事は『痕』です。




 もうね。違和感とか、そういうレベルじゃないんです。

 やっとここで真相が明らかにされるんですが、はっきり言って海賊版の『痕』なんですが、怒涛のまくりに入るんですよ。

 これはもう、やってみるしかないでしょう。

 戦う姉、戦う巫女さんはやはり正義です。



 ただし。
 この『アネもネ』という作品ですけど、実はそれほどインパクトを残せなかったらしいんですよ。

 似たような時期に、姉属性にとっては金字塔とも言われる『姉! ちゃんとしようよ』という子供のギャグみたいな題名の作品が出たのもあります。

 製作会社の「PINE」さんも、この1本だけで後は名前を聞かないわけで。

 大変悲しい事です。

 私、無茶くちゃ好きなんですけど。

 まあ正直、最後のあの展開は置いてかないでと思いましたけど。

 絵の方も微妙なんですけど。

 ハーレムエンドが最高に好きです。

 いやあ、頭が悪いですねえこれ。
 これまた「ちゃぶ台返し」ですねえ。

 序盤、終盤、ハーレムエンドで、まったく違う表情を見せるゲームです。
 タイガーマスクの「ミラクル3」みたいですね。

 姉好きは買い。

 次女のおんなきょうしが学校の屋上で、自分の弟に対する偽れない気持ちを真剣に告白するシーンなんか、もう定期入れにそっと忍ばせたいくらい好きです。

 主題歌も大変よろしい。

 後はすべてが平凡な作品なんですけど、姉のオーラという物をぜひ感じていただきたく存じます。






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